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「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成 Posted on 2016/12/16 辻 仁成 作家 パリ

「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成

フランスで暮らしだして早いもので15年。
全く何も持たずに海を渡り、この街でアパートを借りたのです。
ですから、最初の年には、洗濯機や冷蔵庫はもちろん、ベッドや机、ソファ、すべての家具を買い揃えなければなりませんでした。

サン・シュルピス教会の真裏に無印良品を見付けました。たぶん、一号店でしょうか。
もっともこっちでは「MUJI」と呼ばれています。
日本の値札がそのままついた商品が店頭に並べられていたのです。
お、これは便利だと飛び込み、日用品や文房具などを買い漁りました。

そのMUJI、今やパリ市内あちこちに存在しています。

「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成

正直、ここまでフランスでMUJIが成功をするとは思ってもいませんでした。
落ち着いたデザインや優しい色味が欧州の人たちに受け入れられたのだと思います。

最初は輸送代がかかったのでしょうね、日本の倍の値段でしたけど、最近では日本と変わらない金額で買えるようになり、人気に拍車がかかっています。

地道な口コミで購買層を広げていってる印象がします。

「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成

先日、うちの息子が修学旅行に出かけることになり、学校側から「雨合羽」を持たせるようにと通達がありました。
あちこち探したのですが、雨合羽は見つかりません。

それで、ふと気が付いてMUJIを覗いたところ、ありました。

学校が指定するような形状で、しかも大人も使えるオシャレなやつが・・・。
思わず店員さんに、「すごいね、日本ってなんでもあるだろ」って思わず自慢してしまいましたよ。
店員さんは呆れていましたけど・・・。笑。

「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成

MUJIがフランスで受けるところが面白いと思います。

日本人が無印良品に求めるものと同じものをフランス人もMUJIに求めている気がします。
そこに日仏の差がないんですね。
いえ、MUJIは中国や世界中で静かにヒットしているんです。
盲点というのか、フランス人には気が付かないところに着目している。

この謎を知りたいと思ったのでした。

「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成

無印良品のコンセプトを考えた、いわば無印の生みの親とも言われるプロダクトデザイナーの深澤直人氏がミラノに来るという情報をキャッチし、ダメ元でインタビューを依頼してみたのです。
するとすぐに快諾の返事が・・・。

私はミラノに飛ぶことになります。

「パリの無印良品、MUJI」 辻 仁成

これは興味のあることを追及したいという私の個人的な好奇心による特集です。

明日と翌週の2回に分けて、深澤直人氏にMUJIの成功の秘密を伺います。
さらには日本を代表する深澤さんに、プロダクトデザインとは何か、を問いかけてみます。
読み応えのあるインタビューになっていますよ。

「ザ・インタビュー、深澤直人」をお楽しみに。続きは、明日。


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