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父子旅「神秘の島 アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」 Posted on 2017/09/05 辻 仁成 作家 パリ

 
人間関係に翻弄され、へとへとになっていた私が自分の心を洗浄するために選んだ土地がアイスランドでした。私の親しい友人たちが口をそろえて、「アイスランドは至る所にパワースポットがある」と教えてくれたからです。島全体がある種のパワースポットだというのですから、行かないわけにはいきません。
 



父子旅「神秘の島  アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」

 
私たちはレンタカーを借りて、パワースポット巡りをすることにしました。
氷河まで行くには7時間ほど運転しないとなりません。北部の氷河ホテルも予約したのですが、そこに行くまでの体力がなく、今回は断念。
その代り、レイキャビックの人たちがお勧めする、それほど遠距離ではない、パワースポットを巡ることにしました。
 

父子旅「神秘の島  アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」

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父子旅「神秘の島  アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」

 
最初に行ったのはレッドヒル、「赤い丘」です。
レイキャビックから車で北東に30分ほど車で走った場所にありますが、観光客はゼロ。地元の人しかしらない神秘的なパワースポットです。
赤い色をした溶岩台地が広がる殺風景な場所ですが、不思議な磁場を持っており、小高い丘に登って、遠方を眺めると心が落ち着くのです。
溶岩台地はコケに覆われ、不思議な風景です。息子と二人で丘や崖にのぼり遊びました。穏やかな風、まばゆい光、確かにパワースポットだと思いました。

アイスランドにはこのような場所が本当に至る所にあるのです。ここで生きるアイスランド人というのは、もしかすると、精霊なのかもしれません。個性的で知的で優しい人たちなのです。
 



父子旅「神秘の島  アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」

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もっとすごいパワースポットがあると教えられ、私たちは内陸部をレンタカーで目指しました。マツダのオートマ車は運転がしやすく、山道にも強く、はじめて運転した車でしたが、とっても快適なドライビングとなりました。しかも、車の中でビョークの力強い歌声が響き渡ります。アイスランド出身の歌手、ビョークの音楽をアイスランドの雄大な景色の中で聞く、この醍醐味と贅沢といったらありません。
ビョークのようなスケールの大きな歌手が生まれてくる理由がわかるような気がしました。
 

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最初に訪れた場所はレイキャビックから東北東に車で2時間ほど走った場所にある間欠泉です。GEYSIR(ゲイシール)と呼ばれています。間欠泉の活動は地震活動や地殻変動などと密接な関係があるようです。この中でも最大の間欠泉は、5分から10分ごとに巨大な熱湯の噴出柱を立ち上げます。
まるでクジラの潮吹きのような感じ。大地の円形の割れ目から突然温泉が空高く(20メートルほど)吹き上がるのですから、人々を驚かせます。アイスランドでも指折りの観光地なっています。
 

父子旅「神秘の島  アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」

 
箱根の大涌谷のような地熱地帯特有の活発な噴気地帯ですが、大涌谷と異なるのは巨大な間欠泉が存在することでしょう。地球が生きていることを改めて知ることのできる不思議なパワースポットでした。
 

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しかし、そこよりももっと凄いパワースポットがあります。

ゲイシールから車で国道35号線を20分ほど北上したところに存在する幻想的で非常に美しい滝、GULLFOSS(グトルフォス、グルフォス)です。
 

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私たちが訪れた時は夏で快晴でしたから、まるで天国の楽園に来たような不思議な光景が広がりました。
渓谷の中を流れる落差のある巨大な滝だからか、水飛沫が大空まで舞い上がり、晴天であれば、のべつまくなしに虹を拵えます。
虹のたもとがきちんと見えるのも驚きでした。目の前、数メートルのところから巨大な虹が天空を舞うのです。その虹も風に流される飛沫次第で場所を変え、まるで変幻自在な虹の竜のよう。
自然の美しさに心を奪われ、しばらくの間、自我を失っていました。
 

父子旅「神秘の島  アイスランドのパワースポット、そして夏のオーロラ」

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ここは本当に力のあるパワースポットでした。元気のなかった私がその場を去る時にはまるで20歳は若返ったような躍動感が漲っていたのですから。

レイキャビックから日帰りで行くことのできるパワースポットはいくらでもありますが、次回はもっと長い滞在にして、氷河まで行ってみたいと思いました。
そして、夏なのに、オーロラを見ることができるのです。
6月は白夜。まさにアイスランドは天国に一番近い神秘の島なのかもしれません。
 

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