THE INTERVIEWS

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」 Posted on 2017/04/22 辻 仁成 作家 パリ

 
映画「TOKYOデシベル」の音楽監督をつとめたギタリストのSUGIZO氏に、監督でもある辻仁成が挑んだインタビュー。映画音楽を作る愉しみと苦労、映画俳優を演じる難しさなど、信頼し合う二人だからこそできた、まさに究極の創作談義。

ザ・インタビュー、孤高のギタリスト、SUGIZOのもう一つの知られざる真実の素顔に迫ります!
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
 『TOKYOデシベル』のサントラ、マスタリングが終わったものをつい先ほど聞かせてもらったけど、すごい出来栄えだね。

SUGIZOさん(以下、敬称略) そりゃそうですよ、だってDebussyだもん! 僕はすごく良いサントラができたと思ってます。

 てか、Debussyの名曲「夢想」をSUGIZOがアレンジってなんて贅沢なの(笑)!?

SUGIZO すごく光栄なのは、あの偉大なDebussyの音楽を僕がアレンジさせて貰って作品にできるということ。元が時代を超えて素晴らしい曲なのだから良いに決まってるよな、と思いながらも。

 僕はDebussyのファンだからね、CDいっぱい持ってるし、聞いてるんだよ。だけど、SUGIZOバージョンが一番かも。うちの助監督がエンディングの曲を最初に聞いた時に「辻さん、僕、鳥肌立ちましたよ」って言ってきたんだけど、僕は簡単に鳥肌立たないぞって思ってたの。でも、聞いてみたら、立ちました、鳥肌。

SUGIZO 「夢想」というチョイスが本当に素晴らしかったですね。

 SUGIZOとは舞台「海峡の光」の時に初めて仕事をしました。あの時僕はSUGIZOのことをほとんど知らなかった。だけど、不思議なことに周りの人たちがみんな「絶対気が合うはずだから」って推薦してくれたんだよね。

SUGIZO 「海峡の光」は3年前でしたっけ?

 あの舞台もかなり実験的で面白かったよね。

SUGIZO 素晴らしかったですよ。

 今回もそうだったけど、あなたは稽古場に何度も足を運んでくれましたね。稽古の合間にふっとスタッフ席を見ると、いる。いるかと思うとしばらくすると、いない。いない、と思っていると、背後霊のように、いるんだ。足繫く通ってましたね。

SUGIZO じゃないとできないんですよ、僕は。本当のプロフェッショナルのサウンドトラック作家だとそんなことしなくていいのかも知れないけど。現場の空気感とか、会話とか、みんなの呼吸を感じたいんでしょうね。そこでインスピレーションを貰って帰ってすぐ作業するんですよ。

 すぐに作業して、次の日には新しいヴァージョンが稽古場に届けられていた。恐るべき仕事人なんですよ。

SUGIZO (笑)。

 舞台の音楽監督と映画の音楽監督ではどちらが楽しかったですか? どう違いましたか?

SUGIZO どっちも楽しいですけど、大変なのは舞台ですね。なぜかというと、舞台の音楽には完成がないんです。それはまた僕が病気だからなのかも知れないけど。舞台が始まってからも手を入れます。

 ああ、そうだったね。どんどん新しい音源が届いて。え? いまから音楽を変えるの? うざいなって思った(笑)。 人のこと考えてくれよ! って(笑)。 

SUGIZO でも舞台って会場が重要なエレメントじゃないですか。僕としてはそこからインスパイアされるので。映画の場合は公開しちゃったらもう手を出せないので。

 ざまあみろ(笑)。まあね、映画は完成したら監督からも手を離れちゃうしね。舞台は千秋楽まで進化し続ける生ものなんだよね。あれは緊張感がまたすごい。

SUGIZO でも辻さんって舞台も始まったら観にこないんですよね。

 人聞きの悪いことをこんなところで暴露しないでよ(笑)。でも、たしかに。僕は演出が終わったら基本は家にいます。劇場は初演だけ観てダメ出ししますけど、そこまで。だから役者たちが寂しがるんだけどね。そういえば、舞台「海峡の光」の時も、千秋楽の時に僕に変わってSUGIZOが舞台に上がって行ったんだよね。そしたら一般の人たちがみんなあなたのことを僕だと思って、ロン毛だし(笑)。

SUGIZO 獅童さんに舞台上から呼ばれて、僕は遠慮したかったんだけど、どうしてもって言うから上がった。客席にいた多くの人が僕のことを辻さんと思ってましたね(笑)。

 僕ね、映画は舞台挨拶とか行くんだけど、舞台は行かない。舞台は役者とプロデューサーのものだと思っている。映画は辻組っていうから、監督が占める位置は大きいけど。舞台の場合は役者が座長だったりするんで。舞台は監督じゃなく演出家という仕事柄です。演出が終わったら僕の仕事は終わる、と決めて取り組んでいます。

SUGIZO その潔さは素敵だと思いますね。僕は最後まで粘ってなんとかしようとするから(笑)。

 舞台は幕が上がったら役者がやるしかないんでね。サッカーの監督と同じで、ベンチから怒鳴ってもほとんどの選手はそれどころじゃないでしょ? 誰も聞いてない(笑)。
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
SUGIZO 一番やりたかったのは映画音楽だったんです。舞台というのは僕らのライブに近いから、その尊さっていうのはよくわかるけど。

 あなた、本当に映画好きだもんね。どういう映画が好きですか?

SUGIZO ありきたりですけど、やっぱり好きなのはスタンリー・キューブリック作品です。「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」はエヴァーグリーンですね。あとはフランス作品で、ジャン=リュック・ゴダールが好きです。現代のところでいうと幾つかのリドリー・スコット作品が好きですね。SFが好きで。

 最近の傾向として、あまり映画音楽を多用しない風潮がありますね。この作品は特に東京の音が主役の映画ですから、音楽とかぶるのを避けなきゃならない。だから、我々は最初に、できる限り音楽の存在感を減らそうと話し合いました。

SUGIZO 最近のいい映画って確かに音楽が少ない。それがかっこいいですね。

 でも、あれも一種のファッションみたいなもので、確かに今は映画音楽がない映画っていうのがもてはやされてる。中国のジャ・ジャンクーなんかもそうなんだけど。
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
SUGIZO マーティン・スコセッシの「沈黙」も素晴らしかった。僕の認識ではスコセッシは映画監督の中で最も音楽に精通している一人。その人がほとんど音楽を使ってなかった。そこはびっくりしました。

 「沈黙」だからじゃない(笑)?

SUGIZO あ、そっか(笑)。でも、時折パッと流れる音楽がすごく良くて。

 逆に、ふいに音が現れるから音楽で感動するんですよ。それは非常に高度なテクニックです。映像でも、アップというのはみんな寄りの映像のことだと思いがちだけど、広々とした何もない空間にぽつんと小さく人が立っているだけの映像であろうと、それはアップなのです。『TOKYOデシベル』は東京の音が前面に出る映画じゃない? だから僕は最初に、音楽の存在をなるべく消して作ってもらえませんか、みたいな話をしましたよね。

SUGIZO ある意味、沈黙ですよね。と同時に騒音だった。僕には。だから映画本編に使った音楽って、デモ段階の「音の地図」という曲で、あれはほとんど、音楽というよりは、街の音や人の声や様々な音をぐしゃっと混ぜてコラージュして作った。サントラCD版の「水平線の幻都」という曲はもっとも気に入っていて、映画版に使ったものをかなりブラッシュアップしました。映画に使った現場音を全て貰って、もう一度構成し直したんです。映画の中で使っている電車の音、飛行機が飛んでくる音、松岡くんが金網を掴む音、駅の音…、ほぼ全てをコラージュして、同時に自分で必要な音を録ってきた。子供の声とか高速道路の音など。

 それは、じゃあ、映画本編の中では使われてないってことだよね。

SUGIZO 入ってないですね。映画ではこの曲のベースになった環境音が使われていて、それらのサウンドのリミックスがこの曲になってます。

 僕もね、「音の地図」というけど、音の地図がどういうものかわからずに小説書いてるんですよ。その難しい命題をね、SUGIZOに「音の地図作ってよ」ってポンと投げかけてみた。この男ならきっとなんか作ってくるだろう。監督の思いにこたえてくれるに違いないって考えて、委ねてみたんです。あの時はどう思いました(笑)?

SUGIZO 超難しかったですよ! でも、イメージはすぐに浮かびました。最終的に映画の中でCGとなる宙也の作った音の地図のグラフィックがあったじゃないですか。あのヴィジュアルのイメージがヒントになって。で、もう一つ、辻さんから「東京の1日の音をぎゅっと凝縮して1分に縮めてほしい」という注文があった。その言葉を受けて僕がやったことは、東京中のあらゆる音のサンプルをぎゅーっと縮めた。すごくキーが高くなっちゃうので、キーを落とさないでぎゅーっと分数を縮めて。そうすると、ただのノイズの塊になった。でも、それがかっこ良かった。ノイズが集積してあたかも生き物と化し、呼吸するようになって。ここにはメロディーもうっすら入れてます、僕のギターで。さらに東京感をすごく出したくて、アナログシンセのシーケンサーがコラージュされています。それによってSFっぽくもなるし、現代っぽくもなる。2017年の東京って、おそらく30年前に考えていたSFよりもSFチックだと思う。宙也が作り上げたヴィジュアルもすごくSFっぽいし。昔考えたSF世界の中に僕らが住んでいる、とイメージしながら作りました。
僕の中ではSFと現実が混在しているような映画であり、そういう曲になりましたね。
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
 「夜の高速道路って波の音に聞こえる」そういう音が欲しいなってずっと言ってたと思うんだけど。

SUGIZO 僕はまず小説を読んだんですよね。最も印象に残ってるのが「高速道路の音って海の波に聞こえる」という言葉。それが実は今回のサウンドトラックの最重要テーマなんです。「水平線の幻都」あれもね、まずは自分で高速道路の音を録った。それを延々とループさせると、音が重なっていって本当に波の音に聞こえて。その波の満ち引きの感覚が全ての曲にイメージを投げかけてるんですよ。

 忘れられないのは、撮影中にあなたが現場にふいにやって来て「監督の言った通り本当に街のノイズって波に聞こえたんですよ」って言いだした時。こっちは真夏に不眠不休の撮影中でそれどころじゃなかったからさ、この人なに今頃のんきなこと言ってんだろって(笑)。熱中症でみんな倒れそうな時に横で「本当に東京のノイズが波の音に聞こえたんだ」ってぶつぶつ言ってる(笑)。

SUGIZO (笑)。

 その波のような音の中で動く東京の映像もすごいでしょ。実景の船の映像とか。

SUGIZO あんな綺麗な東京見たことないです。

 撮影班と実景班を分けて2班体制で撮影をやりましたからね。僕は15年も異国で暮らしている。だからどこか外国人の目で東京を見ているんです。東京人には気が付かない東京をいっぱい知っています。この映画は外国人的なまなざしで切り取ったもう一つの東京が主役なんですよ。

SUGIZO この映画は海外の人に見て欲しいですよね。東京を見てもらいたい。
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
 今回は芝居にも挑戦してもらいましたが、どうでしたか?

SUGIZO 自分はもう役者はやる必要がないと思っていましたので。

 あの映画をフランス人に見せたんだけど、SUGIZOが出てくるとどよめくというか、受けるんですよ。映画関係の人にも「彼はどういう経歴があるの?」って聞かれて、個性があって面白いねって。独特の佇まいっていうか、たぶん、まあ、俳優じゃないからかもしれないですね。俳優としての経験の話をしてくれますか?

SUGIZOさん 辻さんの面白いところは、演技をするなって言うんですよね。芝居をするな、自然のままでいいんだって。たぶん役者の人はみんな、えっ? と思うと思う。僕のイメージでは松岡くんは特にミュージカルが得意じゃないですか。わーっと大きな演技を見せるのが得意な俳優。まなざしだけとか、瞬きだけで見せるような精妙なタイプじゃなかった気がする。

 舞台を多く経験している俳優さんはカメラの前でたいがい芝居が大きい。これはミュージシャンも一緒。松岡充もSUGIZOもロックスターだからね、つねに観客やステージの中心にいる。目立つことが役目だからしょうがない。映画俳優は存在を殺すことが商売だったりする。佇むことの難しさを理解してもらうことに苦労することになる。

SUGIZO 難しかったのは、「SUGIZOさん、ちょっとシュッとしすぎなんだよ」って言うの。「もっと力抜いて」って。でもね、僕、普段からシュッとしてるんですよね(笑)。だから、自分の中ではいつもよりもだらしなくしないといけなかった。

 たしかに、あなたはつねに24時間シュッとしている方ですね(笑)。

SUGIZO 僕は家でも階段をしゃっしゃっしゃっと上ったりしますからね(笑)。実は、15年ほど前までは役者をすごくやりたいって思ってたんですよ。LUNA SEAが終幕した頃。それで何本か映画の仕事をやっています。でも、何年か頑張って、うーん、これはダメかもな、と思って。自分ではその欲求は断ち切った感じなんです。

 この映画が初めてではないんですね? 知らなかった。ショックだなー(笑)。

SUGIZO 映画としては今作が4本目だと思います。

 お芝居をしている時の自分っていうのはギタリストの自分と全然違うでしょ?

SUGIZO 全然違いますね。でも3年くらいやってうまくいかないからこれは自分には向かないんだなって思って。役者の挑戦に見切りをつけたので、タトゥーを入れ始めたんです。

 オーマイガッ!
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
SUGIZO 20代から30代にかけてはすごく芝居をすることに努力をしていた。

 だからなのか、初めはうまくいかなかったけど飲み込みが早い。そういえば、SUGIZOってつねに頭で考える人ですね。肉体的、動物的な本能より、脳が肉体を支配している感じ。だから、初めて会った時にね、この人臓器ないんじゃないかなって思った。

SUGIZO (笑)。

 あなたが演じた黒沢っていう役はワンシーンしかないんだけど、いい役なんですよね。要なんです。

SUGIZO 黒沢のバックグラウンドをすごく考えました。どういう人生を送ってきて今ここにいるのか、と。で、不思議だなって思ったのが、フミが本当に安心して笑うのは黒沢に対してだけなんですよね。フミがそういう目をするのが。だから、この男って何者なんだろうって。フミは必ず心を閉ざすじゃないですか。なのに黒沢には委ねてるんですよね。

 宙也が嫉妬するわけですね。僕ね、昔、すごくやきもちを焼いたことがあって、その経験から宙也が生まれてるんですよ。なんでそうなるんだろうって。もちろん尾行したり追跡したわけじゃないけど、好きな女の人がどうしても思い通りにならなかった。思い通りにならない理由を知りたくて悩んだことがあった。20代の前半です。その時の切ない気持ちからこの作品のヒントが生まれています。

SUGIZO 理由はわかったんですか?

 女性は永遠に謎な生き物ですね(笑)。途中でもう無理だって珍しく諦め、別れたんです。そしたら、それから1年半くらい経っていきなりやり直せないかなって連絡がきたの。でももう終わってたから、男は戻ることができない(笑)。

SUGIZO (笑)。

 この辺の不思議ちゃん感が安達祐実さんが演じたフミに入ってるんですよ。たぶん黒沢って男は結婚しようとか、付き合ってくれとか、そういうことを言わないで、自然に会いたい時に会いに来る。松岡くん演じる宙也とはずいぶんと違いますね(笑)。

SUGIZO しかもね、黒沢もシングルファーザーじゃないですか。自分の最優先は娘なんだっていう部分があって。この映画って、「シングルファーザー」が裏キーワードですよね。宙也もそうだし、黒澤も。だからそこは僕が感情移入ができたところですね。僕も娘がいなかったら今ここにいないと思うから。娘の存在に救われたようなところがある。
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

 
  娘さんにはどのように助けられたんですか? 

SUGIZO 15年ほど前、絶望の時期があったんですね。LUNA SEA終幕後ですけど、多くの問題に巻き込まれて。仕事的にも金銭的にも。自分は用無しだと思った時があるんですよね。食べていけなくてバイトしなきゃいけないくらいだった。なんとか食い繋げたんだけど、3日間キャベツしか食べられない時もあった。それでも、まだ娘が小さかったから、彼女のために父親の自分がしゃんとしないといけないっていうのがあって。本当に絶望だったんだけど、娘と会う時間だけが救いで。そんなことがあって、もし娘がいなかったらどこか異国に行って一からやり直してたかもしれない。

 どんな原因があったの?

SUGIZO 外的な要因ですね。完璧に。裏切り…とか。

 僕もシングルファーザーになった時、そこに息子がいたからただ絶望しているわけにはいかない、となった。この子を育てなきゃ、と責任感が生じて、逆に仕事を続けることも、家事をやることもできたのです。

SUGIZO 特に娘に何をしてもらうわけではないんだけど、その存在が生きる糧になった。それで結局自分には音楽しか無いと気づいた。最近、達観しちゃったの? とか言われるんですけど、自分には今、自己顕示欲とか、一番になろうとか、世界に羽ばたいてやるとか、そういうの、もう無いんですよ。20代の頃はあったけど。

 そんなこと言わないでまた映画やろうよ、一緒に(笑)。 

SUGIZO やりましょう。でも、自分の欲求ではないかな。やっぱりもう一度自分をここまで引き上げてくれたのは音楽なので、本当に音楽に感謝している。自分は音楽の僕(しもべ)だと思っています。音楽にただひれ伏している。だから、すごくおこがましいけど音楽は今のところ僕をチョイスしてくれてるので、できる限りのことをやる。でも自分のためではないですね、全然。

 小説家とは違い、映画監督も演出家も一人じゃできない。右腕が必要なんですよ。飛翔するための翼がいるんです。SUGIZOっていうのは俺の中で白い天使の翼なんだよね。

SUGIZO ありがとうございます(笑)。また翼にならせてください。

 是非お願いします。まだ何をやるかわからないけれど、SUGIZOさんと仕事するの楽しくてしかたない。

SUGIZO 僕は辻さんの言葉とかね、文字にすごくインスパイアされる。やっぱりミュージシャンとしての辻さんが好きで。辻さんのライヴってかなりの部分が即興じゃないですか? ラッパーのように言葉があふれだす。言葉を変幻自在に操る辻さんが好きなんです。本当は自分もそうなりたかったんですよ。詩人にすごく憧れる。詩、言葉、文字が好きなんですね。

 書けばいいじゃない、まだ間に合いますよ!

SUGIZO いや、今生では僕は諦めたの。言葉の人にはなれない。先ほどの、演ずることを諦めたと同じように。僕は、実はいろんなことを1回諦めてるんです。僕は死ぬまで音楽家でいきます。

 そういえば料理男子になるって前に宣言していたけど、あれも諦めたの?

SUGIZO それはまだ諦めてないです。50歳で料理始めて60歳で店開くくらいになってますよ。まだ生まれてから一度もりんごの皮剥いたことないんですけど(笑)。

 (笑)。
 

ザ・インタビュー「知られざるSUGIZOのもう一つの顔」

posted by 辻 仁成