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海外で働きながら留学したいあなたへ。ここに夢を叶えるための入口があります。 Posted on 2018/03/21 辻 仁成 作家 パリ

 
何かやりたいけど、何をしたらいいのかわからない若い人にぜひ読んでもらいたい。日本には日本ワーキング・ホリデー協会があり、海外で働きながら学べる短期留学の支援をしてくれています。今回、「ワーキングホリデー・コネクション」で出会った若いお嬢さんがぼくにこう言いました。「やりたいことがなくて、このまま終わってしまうのではなく、だったら就職する前にワーキングホリデーを使って世界に出て人生の中での自分の役割みたいなことを、知りたいと思いました」素晴らしいでしょ? ぼくはもう16年も海外で暮らしています。外の世界に出ないと分からないことがたくさんある。若い人の海外留学を支援する人たちがいるんです。ぜひ、世界に飛び出してほしい。ぜひ、読んでみてください。
 

海外で働きながら留学したいあなたへ。ここに夢を叶えるための入口があります。

 
 ワーキングホリデーはいつから始まったんでしょうか?

池口 洲さん(以下、敬称略「池口」) 1980年12月に日本とオーストラリア2カ国間で協定が結ばれたのが最初です。ワーキング・ホリデー制度は2010年に30周年を迎え、インターネットの普及もあり情報がどこにいても得られるようになったおかげで渡航もしやすくなり、協定を結ぶ受け入れ先国も増えました。

 現在はどれくらいの人が日本から海外に出て行ってるんですか。

池口 現在、毎年2万人以上の人が日本から海外へワーキングホリデーを利用して渡航されています。1980年以降、すでに50万人近い日本人が利用しており、その経験を活かして今は世界中で活躍されています。海外からは、年間1万人以上の方がワーキングホリデーを利用して日本を訪れ、日本の文化を体験しながら様々な場所で就労しています。

 日本は年間に2万人ですか? 日本人は静かというか少し内向的な人が多いような気がするから、もっと海外に出て、世界を見てほしいと思いますね。世界は広い。まだ眠っている自分の可能性を知るきっかけにもなるでしょうし、何より様々な人と関わることはとても大きな経験となる。自分を知り、そして自分の人生をデザインする、まさにデザインストーリーズの思いと重なりますね。ところで、ワーキングホリデーで海外に行った人たちは現地ではどんな仕事に就いているのでしょうか?

池口 現地での仕事は主に業種的に言えば飲食やホテルなどのサービス業が多いですね。

 ぼくはフランスに住んでいるんですが、フランスでレストランに行けば一人や二人日本人のワーキングホリデービザで来ていると思える人が必ず働いていますね。日本人は勤勉だし、真面目で努力家だから重宝がられています。有名なシェフになった人もいればパティシエになった人をぼくはたくさん知っています。努力次第で世界の扉は開かれる、と思いますね。実はデザインストーリーズ執筆陣の中にもワーキングホリデー経験者が多いんですよ。みなさんに話を聞いて発覚! ずいぶん役立ったそうです(笑)。知らないところで、しっかりとつながっていました。

池口 本当ですか? それは嬉しい。

 外国からワーキングホリデーで来た留学生はみなさん日本で何をしているのですか?

池口 まず日本語が話せないので、日本語学校に通ったりする人が多いですね。滞在先は日本の家庭にホームステイしたり外国人が集まるゲストハウスに住んだり。そして、ここの子たちみたいにアルバイトをしながら勉強したり、旅行したり様々な国の人たちと交流して過ごしたり。

 今はどこの国に行く人が多いですか?

池口 オーストラリアが多いですね。ワーキングホリデーで最も人気の高い国です! 移民の受け入れに寛大で親日家も多いので、海外生活に慣れていない人にもお勧めですね。観光スポットも豊富ですから。しかもバイトするにしても時給がものすごくいいんですよ。時給が良くて仕事もあるから、経済面の安定も人気の理由の一つ。ホテルの皿洗いの仕事でも一月30万円くらいの収入になりますから、それも魅力ですね。

 30万円! それはすごいですね! ところでみなさん帰国後はどうされているんですか?

池口 海外で起業をするためにワーキングホリデーを利用される人もいますし、例えばフランスで料理を学び、日本に戻りレストランを開いたり、現地でスカウトされてそのままその店に雇われたりといろんなケースがありますね。海外経験を買われて外資系の会社に就職する人もいます。
 

海外で働きながら留学したいあなたへ。ここに夢を叶えるための入口があります。

 
 では、ワーキングホリデーが目指しているものとはなんでしょうか?

池口 これからのグローバル社会では、都心部の仕事だけでなく、地方の農産物や産業品も海外に売ることのできるスキルが求められていきます。これは、ただ英語が喋れるというだけではできません。さらに、日本国内では急激な人口減少が進むため、ますますグローバル人材に何が求められるかを再確認しながら若者の教育を考えなければいけません。今後20年で現代にある仕事の半分はなくなると言われています。既存の仕事がなくなる一方、問題は残ったままです。しかも情報伝達の速い現代では、問題を地球規模で取り組むようになっています。これからの時代を生きる若者たちには、問題発見力、解決力、リーダーシップ、チャレンジ精神、忍耐力、多様性を受容し対話できるコミュニケーション能力がますます求められていくと思います。グローバル人材の育成が重要視されながらも、日本はいまだに留学に対する「高い」「難しい」「大変」という苦手意識を払しょくできないでいます。誰でも利用できるワーキングホリデーを活用すれば、海外で語学力、コミュニケーション能力、バイタリティー、国際知識を身に付けることができ、海外就職や日本での就職において大きな自信になります。若い時期に人生を創造できる自信を持てれば、明るく新しい自分の未来のみならず、日本国を創造できる若いグローバル人材に育つことができると確信しています。

 そう思うとワーキングホリデーの役割はとても重要ですね。日本の、世界の、未来がかかっている! では、ワーキングホリデーの今後の課題とはなんでしょうか。

池口 現在日本は、急速に進行する少子高齢化だけでなく、日本人のコミュニケーション能力の低さ、他国言語への理解力の低さ、海外へ行きたがらない内向き思考、さらには子供たちの6人に一人が貧困と言われる状況など、様々な問題を抱えています。日本ワーキング・ホリデー協会は、すべての日本人に海外体験、留学という機会の提供をするためにワーキングホリデービザは不可欠だと考えており、高校や大学終了時の進路の選択肢の一つとして、ワーキングホリデーを活用していただけるよう、日本政府と協力しながら、年間ワーキングホリデー10万人を目標に、普及活動とワーキングホリデーの地位向上のために頑張っています。

 最後になりますが、今の若者たちに伝えたいことはありますか?

池口 そうですね、ワーキングホリデーとは、2カ国間の取り決めに基づき、一定期間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費を補うための就労を相互に認める制度です。この、制度本来の役割と「ホリデー」という言葉の響きから、ワーキングホリデー自体を「海外で遊ぶための制度」として認識されている方がまだ多くいらっしゃるのが現状です。しかし実際には、目的・目標を決めてワーキングホリデーすることで、未来の選択肢を広げることができる素晴らしい制度です。ワーキングホリデーを利用したことで建築家やパティシエをはじめとする専門職に海外就職をされた方、帰国後に即戦力なグローバル人材として活躍される方、様々いらっしゃいます。このワーキングホリデーの有効性を、より多くの人に知っていただき、活用していただければと思います。

 とても勉強になりましたし、考えさせられました。これをきっかけに多くの人たちがこの制度を利用して世界に羽ばたくことを思い願っています。今日は貴重なお話をありがとうございました。
 


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アルバイトのお二人にお話をお聞きしました。
 

海外で働きながら留学したいあなたへ。ここに夢を叶えるための入口があります。

海外に留学するためにアルバイト中の大柴聖奈さん

 
 こんにちは。あなたもワーキングホリデー経験者ですか?

大柴 いいえ、私は違います。

 違うんだ。じゃあ、ワーキングホリデーを使ってどこかに留学したいとか思ったことはないの?

大柴 それはあります。以前、留学したいと思った時があったんですけど、その時はお金がなくて行けなくて。だから今アルバイトしてお金を貯めて自分のお金で留学しようと思ってるんです。

 偉いね、自分で働いたお金で留学しようだなんて、それはとても素晴らしい。ところで将来は何になりたいと思っているの?

大柴 まだ何も決めてないんです。今大学で、就活中なんですけど、自分が就活する時になってみて何がやりたいんだろうと考えた時に、自分がやりたいことがなかったんです。それで、ハッとして、これではダメだなっと思って。

 うん、そうなんだ。

大柴 だったら思い切って海外に出て自分が本当にやりたいことを探したいと思ったんです。やりたいことがなくて、このまま終わってしまうのではなく、だったら就職する前にワーキングホリデーとか使って世界に出て人生の中での自分の役割みたいなことを、知りたいと思いました。

 その考え方とてもいいね。素晴らしいと思うよ。いまどきそんなことを真剣に考えている若者がいることを知ってすごく嬉しいです。ところで、行くとしたらどこの国へ行きたいのかな。

大柴 最初はアジア方面に行きたいですね。台湾とか韓国とか。大学で政治を学んだので、政治にも関心があって世界の今をしっかり見てみたいですね。

 あなたみたいにしっかりしている人はなかなかいないと思うよ。

大柴 そんなことないですよ(笑)。高校は国際学科だったんですけど、大学に入ったら周りはみんな日本人で外国人はいなくて、少し海外の仲間が懐かしくなり、恋しくなったんです。そんなこともあって、海外に出てもっと世界を見て見たいなっと思うようになりました。

 いいですね、知らない国に行き、その国を見たら国も人も好きになる。若いうちはいろんな冒険をした方がいいし、でもどうせ行くなら手に職をつけた方がいいとぼくは思いますね。そのためにワーキングホリデーを大いに利用した方がいいと思うな。最後にお名前聞いていいですか。

大柴 大柴聖奈です。

 聖奈(セナ)さん! 綺麗な名前ですね。今日はありがとう。頑張ってください。
 

海外で働きながら留学したいあなたへ。ここに夢を叶えるための入口があります。

フランスから勉強に来ているメロディさん

 
 ボンジュー! サヴァ? あなたはどうやってこのレストランに辿り着いたのですか?

メロディ ボンジュー! 日本に来て、偶然このレストランのことを知りました。ネットで仕事を探していて、これまでレストランで働いたこともあったし、いろいろな国から来た人々と関わることも好きだし、だから、このお店がいいなって。このレストランで働いてみたいなと思いました。

 それは良かったね。何も問題なく、楽しくやっていますか?  

メロディ はい、楽しくやっています。

 あなたは今、この近くに住んでいるの? 日本に来てどれくらいになるのかな?

メロディ はい、そうです。東京に暮らしてもうすぐ3年になります。

 3年にもなるんですね。日本の暮らしには慣れましたか?

メロディ はい、慣れました。日本語も少し話せるようになりました。

 それは素晴らしいですね。すると、あなたは今、フランス語、英語、日本語が話せるのですね?

メロディ ベトナム語も話せます。私の父はベトナム人だから。母はフランス人なんです。

 そうですか。ぼくもフランスに住んでいるのですが、あなたはフランスのどちらの出身ですか?

メロディ アルザス地方です。パリから車で3時間くらい。

 良いところですね。将来はフランスに戻って仕事をするつもりですか? あなたの将来の夢を教えてください。

メロディ まだ将来については模索中ですが、私は日本が好きだから、もう少し日本で暮らしてみたいなと思っています。

 では、あなたにとってワーキングホリデーとは? ワーキングホリデーについてどう思われますか?

メロディ とても良い制度だと思います。異国で働く機会を与えてくれるし、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなど世界の国々との交流ができるのはとても素晴らしいことだし、文化交流は私たちに必要なことだから。

 最後になってしまったけれど、あなたのお名前は?

メロディ メロディです。音楽のメロディ。

 とっても素敵な名前だね。人間をつなぐメロディ! これからも世界各地で頑張って下さいね。ありがとう。
 
みなさまご協力をありがとうございました。

 

海外で働きながら留学したいあなたへ。ここに夢を叶えるための入口があります。

 
●一般社団法人日本ワーキング・ホリデー協会● 
 
一般社団法人日本ワーキング・ホリデー協会(JAWHM)は、ワーキング・ホリデー制度を支援し、促進している社会一般利益の公益を目的とする非営利団体。日本ワーキング・ホリデー協会ではビザの説明をするうえで留学ビザの取得方法、留学ビザの活用方法、観光ビザでの勉強・留学の仕方、ワーキングホリデービザでの留学も詳しく説明しています。※http://www.jawhm.or.jp
 
 

posted by 辻 仁成