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みんな大好きフランス菓子「サントノレ」の美味しい秘密 Posted on 2018/05/15 Design Stories  

明日、5月16日は「サントノレ(聖オノレ)の日」。カトリックの国には365日それぞれに守護聖人が割り当てられている(*)ことをご存知でしょうか。
*聖人の殉教日や命日などから決められている。

手帳やカレンダーを良く見ると、毎日小さく守護聖人の名前が書かれており、例えば、辻編集長のお誕生日である10月4日は、St. Francois d’Assiseの日。アッシジの聖フランシスコのことで、イタリアのアッシジに生まれたカトリック教徒の中では最も重要といえる聖人の一人です。さすが、辻編集長。すごい聖人が付いてます(笑)。
誕生日に割り当てられた聖人の名前を子供につける人はあまりいないと思いますが、フランス人の名前のほとんどが聖人の名前由来ですので、その聖人の日がくると、お祝いまではしなくとも、「Bonne fete de ○○!  良い○○の日を! 」というように、声を掛け合ったりしています。

話しをサントノレの日に戻しますと、サントノレ(聖オノレ)は、パン屋やお菓子屋さんの守護聖人であることで知られています。食いしん坊のみなさんは「サントノレ」と聞くと、真っ先に、パイ生地の上にキャラメリゼされたシュークリームとたっぷりの生クリームがのったフランス菓子「サントノレ」を思い浮かべるのではないでしょうか。

デザインストーリーズではサントノレの日にちなんで、この「サントノレ」の秘密を探ってみることにしました!
 

みんな大好きフランス菓子「サントノレ」の美味しい秘密

サントノレの歴史を探ってみると、まず、「シブースト」という聞き覚えのある名前が登場します。どうやら、19世紀のパリ、サントノレ通りにあった有名パティスリー「シブースト」の菓子職人シブースト氏が「サントノレ」の歴史の鍵を握る人物であることがわかりました。
シブーストとは、日本でもおなじみのパイ、またはタルト生地の土台に表面がキャラメリゼされたクリームがのったお菓子。カスタードクリームにイタリアンメレンゲを混ぜ合わせた”シブーストクリーム”が、このお菓子の特徴となります。ある日、そのシブーストクリームを応用して新しいお菓子を作りだしたのが、シブースト氏の弟子であったオーギュスト・ジュリアン氏。そのお菓子は店の通りの名前をとって「サントノレ」と名付けられました。
 

みんな大好きフランス菓子「サントノレ」の美味しい秘密

現在パリの街で「シブースト」はあまり見かけなくなりましたが、一方、「サントノレ」は、フランスのブランジェリーやパティスリーには欠かせない存在。一言で「サントノレ」と言えど、チョコレート、柑橘、ローズ、ピスタチオ……など、いろいろなパルファンにアレンジされた個性豊かなサントノレがたくさん出回っており、今や、サントノレ抜きでフランスのパティスリーは語れません。

時代を超え、弟子が作った「サントノレ」がフランスを代表するパティスリーになるとは、シブースト師匠も想像していなかったことでしょう。
今作られるサントノレはシブーストクリームより軽いカスタードクリームのみで作られるものがほとんどのようですが、一度シブーストクリームで作られたオーセンティックなサントノレも食してみたいものです。
 

みんな大好きフランス菓子「サントノレ」の美味しい秘密

<Laduree、ピスタチオのサントノレ>

 

みんな大好きフランス菓子「サントノレ」の美味しい秘密

<Sebastien Gaudard、サントノレ>

 
ちなみに、フランスでは古くから「日曜日にお菓子を食べる」習慣があり、フランスのパティスリーでは日曜日限定のお菓子を出すお店も。フランス人にとって日曜日は家族とのんびり過ごす日ですので、ゆっくりランチをし、美味しいデザートを食べることがその日のメインイベント。ですから、どのブランジェリーやパティスリーも日曜日はいつもよりお菓子作りに力が入っており、中には限定のお菓子を作るお店もあるというわけ。とりわけ、生クリームをたっぷり使ったお菓子であるサントノレやシュー・ア・ラ・クレームは日曜日限定であることも多く、日曜日のパティスリーはクリームたっぷりのお菓子に目のないフランス人で賑わいます。

そんな、フランス人も大好きなお菓子「サントノレ」。お店がたまたまサントノレ通りにあったからこの名前がつけられたようですが、でも、もしかしたら、サントノレ通りがお菓子の守護聖人の名前の通りだったから、その名前が付けられたのかもしれません。
偶然なのか、必然なのか__。19世紀のパリに想いを馳せながら、サントノレの日に、美味しいサントノレを頬張ってみてはいかがでしょうか。
 

 
 

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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。