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” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 – ~2人は名コンビ~ Posted on 2017/04/06 八重樫 圭輔 シェフ イタリア・イスキア

” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 –  ~2人は名コンビ~

日本でも定番となったイタリア料理は数あれど、なかなか窺い知ることのできないイタリア人の家庭料理。
彼らは普段、どんなものを食べているのでしょうか?

素材にはこだわり、伝統を守り、郷土色が強く、そして調理法はいたってシンプル。
世界中で愛されているイタリア料理の素顔を、少しだけお届けしたいと思います。

ご紹介する料理は、イスキア島をはじめ、カンパーニア州で広く食べられているものです。
日本でも手に入りやすい食材を取り上げました。
鍋一つで出来るお手軽な一品、美味しいパンとワインをお供に、ランチにでもいかがでしょう?


※タイトルのq.b.とは適量を意味するイタリア語quanto basta(クアント バスタ)の略です。
細かいことは気にせず臨機応変に、あなた次第のレシピにして頂けたら、という思いを込めて。
 

” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 –  ~2人は名コンビ~

さて、世の中にはジャンルを問わず、絶妙なハーモニーを生み出す名コンビというものが多々存在します。
抹茶に和菓子、古城に桜、ブレッド&バター、サイモン&ガーファンクル、そして、、、キャベツにベーコン! というわけで早速、材料を紹介していきしょう。


~ちりめんキャベツとベーコンのリゾット風~

●材料(6人分)

☆ちりめんキャベツ一玉(普通のキャベツでもOKです。煮込むので硬めのもので良いです)
☆厚切りのベーコン80~100グラム(イタリアではパンチェッタを使いますが、ベーコンでも大丈夫です)
☆玉ねぎ 小一個
☆パルミジャーノチーズ(できれば皮つきで) q.b.!! そう適量で
☆お米 300グラム位
☆塩&胡椒 q.b.               
 

” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 –  ~2人は名コンビ~

●作り方


キャベツはザクザクと適当な細さに切り、水洗いします。
ベーコンは小さめの角切り、玉ねぎはみじん切りにします。
① 鍋にオリーブオイルを入れて熱し、ベーコンを加えて炒めます。
火が通ったら玉ねぎを加えて、しんなりさせます。
② キャベツを入れ、塩を加えてかき混ぜ、ふたをして中火で煮ます。

と、ここでイタリア家庭料理の知恵!
パルミジャーノチーズを塊で買って削っていくと、どうしても皮の部分が余りますよね。
でも、そこも捨てないで利用します。まず、皮の表面をナイフでこすってきれいにします。
そして、小さく切って鍋に加えます。

火が通ると、とろみと風味を出してくれます。ただ、もちっとした独特の食感があるので、苦手な人は大きく切って後で取り出すとよいでしょう。
パルミジャーノチーズ、買ったら皮まで愛しましょう。もちろん、なくても問題ありません。

③ 水を足しながら(キャベツが浸るくらいの量)煮込んでいき、完全に煮えたら、お米を加えます。
リゾット風、と書いたのは、リゾットのように生米を炒めたり、ワインを使ったりしないからです。
鍋に直接生米を入れるだけ。そしてあとは、水を足しながら、お米が煮えるまで混ぜるだけです。

日本のおじやよりも若干水気が多い感じをイメージして頂けると、わかりやすいかもしれません。
 

” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 –  ~2人は名コンビ~

あとはお皿に盛って、パルミジャーノチーズをたっぷりとかけてください。お好みでコショウも。
熱々よりも、少し冷めた位のほうが美味しいです。
お米の量も、もっと少なくても良いですし、あるいは全く入れなくてもOKです。
その場合は出来上がりの水分を若干多めにして、パンをちぎって浸し、一緒に食べます。

この料理を初めて賄いで食べた時、そのシンプルさと美味しさにびっくりしました。
べ、ベーコンとキャベツだけで? こんなに簡単なのに? って。
残念ながら、最近ではこういう料理を好まない人も多く、たまに賄いで作っても、鍋の半分以上は僕が平らげる、といったことがしばしばあります。たくさん食べられるので、内心はほくそ笑んでいますが。
 

” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 –  ~2人は名コンビ~

イスキア島にはこのように、野菜を使った家庭料理が本当にたくさんあります。
ご年配の方々の話を聞くと、昔の食事は本当に質素だったようです。
パンは1週間に1度、各家庭で焼き、オイル、チーズだって今のようにふんだんに使えたわけではなく、まして肉や魚、卵などは貴重だったと言います。

そんな中だからこそ、地元でとれる野菜を使い、子供たちのお腹をいっぱいにさせるような料理が生まれたのかもしれません。それでも幸せだった、とみんな口を揃えて言います。
貧しいながらも、家族で食卓を囲み、与えられたものを感謝して食べていた昔。

食材があふれ、子供たちが平気で食べ物を残すようになった現代、不自由なく食べられることのありがたさを、もう一度食卓で再認識してみる必要がありそうです。
 

” q.b. ” – レシピのないレシピ帳 –  ~2人は名コンビ~

⦅ここで少しおまけです。前回のカリフラワーの一品、トマトソースと絡めるとパスタにも使えます。
余ったら冷凍しておいて、トマトソースがあるときに一緒に少し煮込むだけ。
スパゲティなどと合わせるとほら、ちょっとおしゃれに見えるでしょう?⦆

さて、q.b.~レシピのないレシピ帳~いかがでしたか?
飾らない普段着の食卓を、機会があったらあなたも再現してみてくださいね。
 

posted by 八重樫 圭輔

八重樫 圭輔

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Keisuke Yaegashi
シェフ。函館市生まれ。大学在学中に料理人になることを決め、2000年に渡伊。現在は家族とともにイスキア島に在住。