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人生はタパス、タパス! Posted on 2017/02/13 林 真弓 通訳・ガイド・イベントコーディネーター バルセロナ

人生はタパス、タパス!

タパスはもともと南スペインのアンダルシア地方で生まれ、シェリー酒のグラスの上にのせてソーセージやハムなどを出したのが始まりらしい。
タパとは「蓋をする」という意味だが、甘い香りのシェリーのグラスに蝿が入らないようにカバーしたわけだ。

それがスペイン中に広がってタパスのレパートリーは今では王道スペイン料理。

バルセロナでももちろん大人気!

人生はタパス、タパス!

人生はタパス、タパス!

小皿料理だから、小腹が空いた時一皿だけとか、時間のない時パパッと二、三皿。
もしくは友達や家族とわいわい何皿も頼んでシェア。昼間っから飲むのも全然大丈夫!

1人や2人だけならカウンターに座るのも楽しい。
その日の新鮮な食材がガラスケースに並ぶのを見て選びながら注文する。
カウンターにいるお店の人とのコミュニケーションもタパスをさらに美味なものにしてくれる。

「今日はこれがオススメだよ。」
「今日は特別に○○が入ってるよ!」

人生はタパス、タパス!

タパスはもともとシェリー酒をたくさん飲ませるためのものだったから大抵ちょっと塩からい。
自然とお酒が進むようにできている。
水と同等の値段だったりするくらい、ワインが安くて美味しいから結構たくさん食べて飲んでもお財布に優しい。
夏は暑くてワインを飲む気になれないから大抵ビール。
もしくはサングリア。これに合うのがカラッと揚げた魚介類だ。

バルセロナは新鮮な海の幸が豊富だから、タパスにも魚介類が多い。
えび、アサリ、ムール貝、マテ貝、ホタルイカ、タコ、鰯、タラ等がタパスの常連だ。
軽めの衣や素揚げでカラッと揚げたり、鉄板でオリーブオイルとにんにくでパッと炒めたり、と素材の味を大切にした料理が多いから、日本人の舌にも合う。

人生はタパス、タパス!

あとバルセロナ的というかカタルーニャ的なのは、これらをpan con tomate (パンコントマテ)と共に頼むことだ。上にトマトがすりつぶしてあるパン。合うのはpagès(パジェス)というカタルーニャの田舎パンで外はパリッとしていて中はもちもち感がある。
このパンを切って軽く焼くかそのままで、表面ににんにくを擦りつけ、トマトを絞って汁をまんべんなく塗り、その上に結構たっぷりオリーブオイルをかける。あとはお好みで塩をかけてパンコントマテの出来上がりだ。
これにタパスのおかずをのせて食べる。

特に生ハム、チーズ、トルティーヤ(スペイン風オムレツ)、ポテトサラダ等と相性がいい。
どんぐりを食べて育ったイベリコハムを載せて食べると、絶妙なハーモニーを生み出す。
イベリコハムのちょっとナッツ系アロマのする、ほんのり甘い肉と脂肪が、パンコントマテのほのかな酸味とジューシーさに見事に引き立てられる。
黄金の組み合わせ、イベリコハム×パンコントマテ!

人生はタパス、タパス!

人生はタパス、タパス!

タパスのカジュアルさも魅力の一つだ。ふつうのレストランは16時から20時の間閉まっているけれど、タパスバルは一日中やっているのでお腹の空いたときにふらっと入れる。
服装は何でもいいし、仲間と話が盛り上がって声が大きくなっても注意されるようなことはない。
逆に、賑やかでちょっとがやがやしている方が何故かタパスが美味しく感じられる。
少しずつたまった仕事や人間関係のストレスも、仲間とともに思いっきり食べてしゃべって発散して、また明日から新たな気持ちで頑張れる、そんな不思議な力がタパスバルにはあるのだ。

バルセロナ人にも、観光客にも、笑顔が多いのはタパスのお陰? と言ったら言い過ぎだろうか。

人生はタパス、タパス!

Photography by Takeshi Miyamoto

posted by 林 真弓

林 真弓

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Mayumi Hayashi
通訳は主に英日だが、使用可能言語は、日、英、伊、西、仏。
オーストラリア、キャンベラ大学で応用言語学の修士号を取得したのち、地元岡山の大学にて英語非常勤講師。英語以外の言語を学びたくなり、32歳でフランス、トゥールーズに語学留学。その後イタリア、ベネチアで約9年の滞在を経て、現在バルセロナ在住。イタリアで知り合ったイギリス人の夫とスペインに住む、という??な、でもある意味非常に欧州的な状況を楽しむ毎日である。