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寒い冬に食べてほしい濃厚なチーズ「フロマージェ・ダフィノワ」あれこれ Posted on 2018/12/16 久田 早苗 チーズ熟成士 パリ

寒い冬に食べてほしい濃厚なチーズ「フロマージェ・ダフィノワ」あれこれ

フランスのチーズ専門店での扱いがありませんが、スーパーや輸出向けに作られた大工場製だけど侮れない美味しさのチーズがあります。その名は「フロマージェ・ダフィノワ」

生産するのは(ギヨトー)社で、アン県のBelley(ベレー)とロワール県リヨンの南に当たるPélussin (ペリュサン)と言う広いプレーンな土地にそれぞれ工場を構えています。創業は35年という比較的新しい会社です。
絞ったミルクの脂肪分を調整し、そこにクリームを足します。それからパイプを通って殺菌され、水分であるホエーを全てフィルターで越してしまうのです。これを「ウルトラフィルター製法」といいます。
この方法は画期的で、今までのように型入れしたカイエの大きな塊からホエーを抜いて、小さなチーズそのものになる為の時間や工程、場所も熟成を待つ事など必要ない、型に入ったら、もうチーズが完成されると言う新しい作り方なのです。

当時、目を引いたのは小さな150gから200gのコンパクトなセンスある箱入り製品。アメリカや日本へ輸出されました。口溶けが良く、ミルクの味が濃厚で臭みもゼロ。チーズが苦手な人も「こんなチーズなら美味しく食べられる!」と納得してしまう新しい感覚のチーズの誕生となりました。
 

寒い冬に食べてほしい濃厚なチーズ「フロマージェ・ダフィノワ」あれこれ

その後も生産量は増え続け、今では大きな2kgサイズも存在します。大きな塊からのカットはより味も安定しています。
嬉しいことに、種類も豊富。豪華さでこれからの季節に大人気のトリュフ 、アイユ&エルブ(ガーリック&ハーブ)、ポワヴル(胡椒) 、カンパニエ(オレンジ色の外皮を持った香り豊かなチーズ)、もちろんプレーンもあります。

最近は、トリプルクリームタイプ(脂肪分70%)のブルーチーズやエクセランスと言うさらに濃厚な味に仕上げたものなど選ぶに事欠きません。以上は全て牛乳製ですが、フランスのスーパーにはやぎ乳、羊乳で作られたものもたくさん並んでいます。
これから年末にかけてのギフトシーズンにはどなたでも‟美味しく味わえるチーズ“を選んでみては如何でしょうか? カット販売の量り売り商品ですので、色々な味の詰め合わせも楽しくていいかもしれませんね。

一代でヒット作を築き上げた創立者は既に引退してのんびりとした生活を送っているそうです。これもフランス的で潔い生き方ですね。
 

寒い冬に食べてほしい濃厚なチーズ「フロマージェ・ダフィノワ」あれこれ

<チーズ豆知識>

牛のミルクは通常、乳脂肪が45%(季節や種類によって違いあり)なのですが、脂肪調整をします。ミルクから抜いた脂肪分でバターやクリームを作り、また反対に脱脂したミルクでチーズを作ります。
”ダブルクリーム”とはクリームを足して脂肪分を60%にしたもの、”トリプルクリーム”とはクリーム分を足して乳脂肪70%にしたものをそう呼びます。口当たりは濃厚で、アイスクリームのよう。口溶けも滑らかで、とっても贅沢感のある味に仕上がります。
柔らかい組織なので、パンやクラッカーなどとご一緒に召し上がって下さい。
 

寒い冬に食べてほしい濃厚なチーズ「フロマージェ・ダフィノワ」あれこれ

 
 

posted by 久田 早苗

久田 早苗

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Sanae Hisada
チーズ熟成士 株式会社 久田 取締役 副社長。1985年、東京立川市にチーズ専門小売店「チーズ王国」1号店を開店。2004年にはパリ16区に「Fromagerie HISADA」、2010年にはパリ1区に熟成チーズの販売とチーズカフェを併設したSalon du Fromage HISADAをオープンする。2008年、日本人で初めてのチーズ熟成士最高位の称号「Maitre Fromager」を受勲。2013年にはフランス共和国農事功労賞シュヴァリエ勲位、2015 年にはフランス共和国農事功労賞オフィシエ勲位を綬章。