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秋ですね。ラングルチーズはいかがですか? Posted on 2017/10/07 久田 早苗 チーズ熟成士 パリ

あたりはすっかり秋めいてきました。朝晩の冷え込みには、ちょっとストーヴを入れて暖まりたい気分です。
そして、いよいよ食欲の秋、真っ最中です!

人のカラダは正直なもので、カラダが冷え込む季節になるとだんだん温かくエネルギー源となる食べ物が欲しくなります。いよいよ、チーズを美味しく食する本格的な季節になってきました。

今回は、目にも暖かいオレンジ色の「ラングル(Langres)」というチーズをご紹介します。
 

秋ですね。ラングルチーズはいかがですか?

ラングルはシャンパーニュ地方、オート・マルヌ圏で18世紀から作られる、上部に窪みのある優しいウォッシュタイプのチーズ(AOP 1991年)です。春から秋にかけてとっても美味しい時期を迎えます!

酸凝固で作られるため初期は硬めで酸っぱさを感じますが、熟成に伴い、柔らかく濃厚なミルクの香りを醸しだします。また、ラングルはウォッシュチーズの仲間ですので、外皮を丁寧に洗います。
最後まで塩水洗いをする正規のラングルの他に、可愛くパニエに入った小さい「シャンプノア」という名前のラングルもあります。なんとこちらは、シャンパーニュで最後の洗いを施したもの。贅沢ですね。

どちらのラングルも、「オレンジ一色から、だんだん白い粉がふきはじめ、うっすら茶色くなる」というわかりやすい熟成段階を経過します。どちらかというと、ウォッシュチーズの入門編。決して強くないリナンス菌の爽やかな香りとノアゼットの味がする食べやすいタイプのチーズです。

同郷のシャンパーニュとは非常に相性がよく、祝いの席では窪みにシャンパーニュを注いで、フランベするという儀式もあるそうです。

150g~350gほどの小さいサイズと、800g~1300gほどの大きいサイズがありますので、家庭では人数に合わせて小さいサイズを、結婚式等、たくさんのお仲間がいるときには大きいサイズを選び、アルコールで ”幸せの光(フランベした時の火)”を燃やして盛り上がるのもいいですね。
 

秋ですね。ラングルチーズはいかがですか?

☆ グルメの提案 ☆

未だ少し芯が残る若々しいオレンジ色のラングルには、絶対的にシャンパーニュがお勧め。
程よい酸と甘味を感じます。

白い粉が吹き、茶色がかった頃のラングルにはブルゴーニュのニュイサンジョルジュメドックメルキュレなどの調和のとれたワインがお勧めです。香りが長く、心地よいアロマが味わえます。

果物は、ミラベルやプルーン。パンは、ブリオッシュなど少し甘めのものを合わせてみてください。
もし、ワインやチーズが残ったら、マリアージュしてソースを作り鶏肉や豚肉などのソテーに合わせると食が進みます。
 
 

posted by 久田 早苗

久田 早苗

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Sanae Hisada
チーズ熟成士 株式会社 久田 取締役 副社長。1985年、東京立川市にチーズ専門小売店「チーズ王国」1号店を開店。2004年にはパリ16区に「Fromagerie HISADA」、2010年にはパリ1区に熟成チーズの販売とチーズカフェを併設したSalon du Fromage HISADAをオープンする。2008年、日本人で初めてのチーズ熟成士最高位の称号「Maitre Fromager」を受勲。2013年にはフランス共和国農事功労賞シュヴァリエ勲位、2015 年にはフランス共和国農事功労賞オフィシエ勲位を綬章。