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ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」 Posted on 2022/05/15 辻 仁成 作家 パリ

みんな大好きまキッシュ・ロレーヌ。
うちの子も、子供の頃にこれを作ると、うほうほ、言いながら食べてくれたものです。
フランスの、田舎のおばあちゃんの味ですね。
今日は、再登場で、お届けします。ムッシュのキッシュ・ロレーヌ!!!

うちの子はちっちゃい頃から、このキッシュ・ロレーヌが大好きでした。
不思議なのは、卵はあまり好きじゃないくせに、日本の卵焼きとフランスのキッシュ・ロレーヌだけはよく食べてくれたのです。
ぼくと二人暮らしをするようになった10歳の頃、「キッシュが食べたい」とよくせがまれたものです。
ぼくはキッシュ作りの名人ではなかったけれど、工夫していろいろと作ることになりました。辻家ではキッシュと言えば、パパの味、だったのです。
あはは。



そして、フランスといえばキッシュなので、そして、キッシュというのは家庭の数だけ味が存在する自由な料理でもあるので、そして、焼きあがるまでの間に室内に広がる香りと温かみがまさにキッシュを作る醍醐味であって、そして、息子がキッシュ食べたいなという時はだいたい、どこか物寂しさを埋めたい時だったから、二人でオーブンの中でじわっと膨らんでいくキッシュ・ロレーヌを眺めながら、同時に、欠落した心を膨らませたものでした。はい。笑。



パパが作るキッシュ・ロレーヌは実にシンプルなものです。
気取らない、本当に家庭の味で、だから飽きないし、美味しいのです。
ロレーヌ地方はドイツに近いので、キッシュという料理はドイツの影響をもろに受けています。
見た目は大きな円形だから、ピザみたいなものかな、と最初は思いがちですが、ぜんぜん違って、どちらかというと元々はケーキのイメージで発想されて生まれた料理なのです。なんとなく、分かりますよね?
砂糖のかわりにサレ(塩味)な味わいのケーキだと思うとしっくりします。
だから、子供たちはキッシュが好きなのかもしれない。パイ生地を使いますし、あのサクサク感がまた、たまらないのです。



息子君を野菜好きな少年に育てるのに、パパはキッシュを結構利用しました。
彼がほうれん草を食べられるようになるのはキッシュのおかげでした。
パパはこのサクサクキッシュの中に、いろんな野菜を隠すようになるのです。
なんでも隠したけど、でも、やっぱり一番シンプルなキッシュ・ロレーヌが美味しいかなァ。
ロレーヌ地方で生まれた普通のキッシュ、これを日曜日の昼に焼いて、皿の上に載せ、よこにちょっと葉っぱを添えたりして、よく食べていましたっけ・・・。
辻家では、日曜日のランチの味の定番でした。
じゃあ、今日は、フランスの伝統料理、キッシュの作り方をお教えいたしましょう。
いいですかァ!!!!

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」



オーブンはいつものように予熱しておかないとなりません。
今日はちょっと高め、200度で予熱しておきましょう。
次に、ベーコンは7〜8mmの棒状に、玉ねぎは薄切りに切っておいてください。
これらの材料〈Aの材料〉で卵液を作らなきゃならないのです。
ピカール(冷凍食材店)で買ったパイ生地を使います。便利だよね、昔は手作りだったけど、もうこの冷凍のパオシートが便利過ぎちゃって、笑。
パイシートをタルト型より一回り大きく伸ばし、上に載せるような感じで、敷くのですが、隅のところも空気を抜く用にしっかりとおさえ、型からはみ出た分は指でつまんでねじるように形成してくださいね。
このはみ出た部分をねじ込むのが大事なポイントになります。ここがオーブンで焼かれて、カリカリの耳タブになるのだから・・・ふふふ。

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」



敷き込んだ生地の全体にフォークで穴を開け、12〜15分軽く焼き色がつくまで空焼きをすします。もしも、途中で、底が膨らんでくるようなら、フォークでつぶしておきましょう。いいですね、これで準備完了となります。

フライパンを火にかけ、ベーコンは油をひかずに炒めます。
十分、オイリーだから油なんか必要ないのです。ベーコンから脂が出てきたら、そこに玉ねぎを加えてしんなりするまで炒め合わせてください。
いい香りがする。ほら、これこそ、昔の辻家のキッチンの香りなのです。
タルト生地にこの香ばしく焼きあがったベーコンと玉ねぎを満遍なく敷いて、そこへ、卵液を流し込みます。
最後に、仕上げ用のチーズをかけたら再び200度のオーブンで約20分表面に焼き色がつくまで焼けば、完成です。
あの、キッシュが膨らんで、こんがりとしていく時間が愛おしい。それこそ、生活の醍醐味というものなのです。

美味しくできたね、さぁ、ボナペティ!

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」

材料(直径21〜22cmのタルト型1台分)
<A>
卵            2個
卵黄           2個
生クリーム        150ml
牛乳           75ml
チーズ          30g
ナツメグ         少々
塩            小さじ1/3
胡椒           少々
〈その他の材料〉
ベーコン(ブロックの物) 150g
玉ねぎ          小1個
冷凍パイシート      150〜180gのもの1枚
仕上げ用 チーズ     適量

ムッシュの料理教室「やっぱり、作りたい! みんな大好きキッシュ・ロレーヌ」

※ 「父ちゃんの料理教室」すでに6刷、決定しました。キッチンのおともに、ご常備ください。笑。

今日も、読んでくださり、ありがとうございます~。
日曜日に、キッシュロレーヌ、最高ですよね。
ちっとも難しくないので、ぜひ、お試しください。
うほうほ。

そして、お知らせ。
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