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リサイクル飯日記「トウモロコシご飯の思い出、ぼくの夏のご馳走だった」 Posted on 2022/06/26 辻 仁成 作家 パリ

ぼくは、北海道の帯広で小学校高学年と中学時代を過ごしたので、そのころ、特に、トウモロコシをよく食べていた。母さんが夏の時期、鍋でトウモロコシを茹でるのだけど、そのほのかに甘い香りが忘れられない。
トウモロコシは鮮度も命なので、というのは、冷凍庫で長く保存しているとぐんぐん鮮度と味が落ちていく。
なので、買ったらすぐに調理してほしい。
塩水で茹でたら、とっても美味しいトウモロコシが出来るので、皮をむいて髭を引き抜き、塩を振りかけてがぶりつく。
これが、うまいのだ。

トウモロコシご飯は辻家の夏のご馳走だった。ちょっとバターを入れて、最後に、ちょっと醤油をかける。ううう、たまらない。

リサイクル飯日記「トウモロコシご飯の思い出、ぼくの夏のご馳走だった」



話しは脱線するけど、高校生の頃は函館で過ごしていて、そこにカルフォルニアベイビーという柴田兄弟が経営するカフェがあった。
ここの名物がシスコライスなのだ。
炊飯器でご飯を炊く、その時、ミックスベジタブルもいれる。炊きあがるとバターを投入する。
それでピラフっぽくなる。その上に炒めたソーセージとミートソースをかける、かなりカロリーある食べ物なのだけど、これがコーン感がすごかった。
後日、ミックスベジタブルだと聞いて、へー、マジか、と思ったけど、ぼくが今日、紹介する土鍋コーンご飯、あの日の青春の味をも思い出させる、もちろん、土鍋だし、生のトウモロコシで作るので、比較にならないのだけど、若い時はそういうB級グルメが大好きだった。
ともかく、ぼくはコーンが大好き。食欲をそそるコーン感がたまらない。

さて、我が家で預かっている二コラ君に食べさせたくて作ったトウモロコシご飯。
これはまさに、夏の今が旬なのである。
バターを入れるので和風というよりも、ほのかに欧風な味わいもある最高においしい土鍋ご飯のレシピをご紹介したい。
簡単だし、びっくりするくらいに美味しいのでぜひ、やってもらいたい。
出来立てのトウモロコシご飯にちょっと醤油を垂らす、すると、バター醤油コーンラーメンならぬ、バター醤油コーンご飯になるのだ! 
うううう、美味すぎる!!!!

リサイクル飯日記「トウモロコシご飯の思い出、ぼくの夏のご馳走だった」



まずは、材料である。
とうもろこし1本、水400ml、酒大さじ1、塩小さじ1、バター15g、昆布10cm、醤油小さじ1、米2号

リサイクル飯日記「トウモロコシご飯の思い出、ぼくの夏のご馳走だった」

土鍋に洗った米と400mlの水を入れ、浸しておく。
とうもろこしを包丁でそぎ取り、芯と一緒に土鍋にいれ、昆布、酒、塩、醤油、バターを入れて炊く。
※この芯を入れるのが最も大事なコツである。ここからトウモロコシのうまみ成分が滲みだすのである。忘れずに!!!

土鍋が沸騰したら超弱火で13分。炊き上がったら10分ほど蒸らす。
食べるときにごま塩、または、分量外の醤油を少し垂らしても良い。

リサイクル飯日記「トウモロコシご飯の思い出、ぼくの夏のご馳走だった」



トウモロコシご飯は天ぷらとかと食べてもおいしいし、うどんと合わせるのも悪くない。
たとえば、残ったトウモロコシご飯は翌日tかに、油をニンニクで香りだし、小さくカットした人参とかハムとかソーセージなど好きな具材を加えて炒め直し、黒胡椒をたっぱり入れると、これがまた美味いのである。
でも、やっぱ、土鍋で炊き立てのトウモロコシご飯は最高。
ちょっと醤油を垂らす、これは病みつきになるので、皆さん、ぜひやってみて、笑。ボナペティ!!!

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