JINSEI STORIES

退屈日記「素直に日本に戻れるとは限らない。出発前のPCRテストが怖い!」 Posted on 2022/06/24 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、パリに戻ってきた。
今、一番気を付けていることは「コロナに感染しないこと」である。
出発日の二日前までにラボラトリーでPCR検査を受けないとならない、日本政府が発行している書類にきちんと書いてくれる専門のラボじゃないとならず、その数は多くない。
そこに行き、検査を受け、陰性であれば、翌日、書類を取りに行き、さらにその翌日に飛行場で書類を見せ、飛行機に搭乗という段取りである。
結構、面倒くさいけれど、日本側での隔離はなくなったので、前回の地獄のような2週間隔離のようなことはなくなった。
しかし、である。



ぼくの知り合いで、ぜんぜん元気で、コロナに罹っていないのに、このPCRテストで、陽性になる人が多いのだ。
そういう人のほとんどは無症状で罹っている人だったりもするし、3週間前に罹って薬局の抗原検査では陰性となり、証明書を貰って安心をしていた人たちだったりした。
抗原検査はPCRに比べ、精度が弱いようなのだ。
もちろん、抗原検査で陰性が証明されれば人への感染はないようだけれど、よくはわからないが、身体の中に残ったかすかなウイルスが消え去るまでPCRだと出てしまうのだそうだ。その結果、抗原検査で陰性になってからも、陽性と出る人が続出しているのだとか。
知り合いで、罹っていたことがわからなず、陽性になり、日本行きが不意にキャンセルになった人がいる。
その後、薬局の抗原検査で陰性と出て、新しく飛行機をとったが、PCRではまだ陽性が出てしまった・・・。
で、まもなく、日本に向かわないとならないぼく、無症状で感染していたらもちろん、アウトだし、出発前にどこかでうつったら、これも完全にアウト。
PCRテストは厳格に出るし、なかなか陰性にならない、完全に体内からいなくなるまで陽性が続くというのだから、・・・ラボで、先日、おばあちゃんが、もう二か月も出続けている、と嘆いていた。不意に、行けなくなったら、コンサートはおじゃんになるかもしれない。
ぼくが田舎にいたのは、パリでうろちょろして感染するのを避ける狙いがあった。
それでも、日本出発前に誰とも会わないということも不可能だし、活動的な息子が外から持ち込んでくることもあるので、ぼくは今、真夏日が続くフランスで、強力なFFP2マスクをして誰とも会わないようにして過ごしている。
夕食の誘いやカフェの呑みの誘いは悉くお断りしている。
こんなことで日本に戻れなかったら、ぼくの責任だし、非難されても仕方がない。
日本での隔離措置はなくなったが、出発前隔離のような状況が今日から暫く続くことになる。息子の部屋には近づかないようにしているし、三四郎の散歩も炎天下の中、FFP2をつけて、汗流しながら、ぼくは歩いている…笑。
フランスの感染が陽気のせいでやや拡大傾向にある。(現在、一日の感染者数5万人前後・・・)
これも心配な材料の一つである。



日本での隔離はなくなったが、「MY SOS」という日本政府が作っているアプリをいれなければならない、らしい。(義務ではないみたいだが、これをいれてない人は物凄い時間がかかるみたいなのである。なので、日本に一時帰国される皆さんはやっているみたいだ)
ワクチン接種回数やPCRテスト結果、滞在先の住所などを入れておく新たなシステムが導入されたのだとか、(現在、それがどういうものか、調査中、笑)・・・で、ぼくもこれから、アプリを携帯に入れて、情報を入力しようと思っている。
ぼくが無事に、来月頭に日本に戻れるのかどうか、ここは気を抜けない。パリに戻ったぼく、日本にたどり着くまでの間、臨戦態勢が続くことになる。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ということで、お知らせです。
6月30日、マガジンハウスから「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」が発売となります。現在、予約受付中・・・。
明後日、26日の日曜日は、こんな父ちゃんのエッセイ教室、オンライン・文章教室が開催されます。もうちょっとエッセイと楽しく向き合ってみたい皆さま、ぜひ、覗いてみてください。72時間のアーカイブ付き。三四郎は聴講生で、参加予定です。あはは。
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