JINSEI STORIES

滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」 Posted on 2022/12/05 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、今日はパリのダックスフンドが大集合し、ミラボー橋からエッフェル塔まで大行進をした。
ぼくが東京滞在中、三四郎の面倒をみていた仮弟子の長谷っちが、ぼくの名前で勝手に応募をしてしまっていたのだった。(ありがとう)
せっかく登録してくれたことだし、参加してみよう、ということになった。
ちょうどNHKBS番組「パリごはん」の収録中でもあり、スタッフさんらにカメラを回してもらい、出かけたのだが、(長谷っちは、用事があり、おやすみ)これが、想像していたものをはるかに上回るかなり大規模な行進なのであった。
まず、集まった飼い主は千人を超えるのじゃないか・・・。
主催者発表でも、最低で500匹のダックスが集結していたようだから、すごい。
もともと、パリのミニチュアダックスフンドは希少、それが一堂に会するというのだから、驚きを飛び越え、おったまげた~。

滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」

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滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」

※ 逃走した犬の捕獲作戦もあちこちで・・・。



集結場所のミラボー橋周辺はすでにパニック状態。
集合時間が近づくにつれ、どこからともなくダックスフンドが集まって来る。TGVに乗って地方から来たという人もいた。
集まったダックスたちが興奮をして吠えまくっているし、逃走する犬が続出、ちょっと悲しい別のドラマまで生まれていた。
ぼくの知る限り、少なくとも、二匹のダックスがそこから逃走し、それを追いかける人や、飼い主の叫び声など、タダならぬ雰囲気に包まれていた。(のちのニュースで、この二匹は無事保護。よかった。ホッ)

それでも、ダックス大行進はスタートした。しかも、しかも、ラッキーなことに、ぼくと三四郎がそのテープカットの最前列にいたのだ。
これは偶然で、主催者の人たちがいきなり、ぼくらの前でテープを引っ張った。ということでNHKさん的には大金星、カットの瞬間を撮影することに成功したのであーる。わんわん♪

滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」

※ 地味なテープカットでしたが、この地味さとは裏腹に、もの凄い数の参加者なのでした。まるで主催者のように、右端で手を振る、父ちゃん・・・。あはは

滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」

滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」



マラソン大会でいうところの、先頭集団に位置した三四郎であった。
どういうコースを歩いたかというと、セーヌ川沿いに、遊歩道が走っていて、ここは普段、市民のマラソンのコースになっている。
車も通らないし、人もそれほど多くない。
部分的に狭い道(パリ・ヨットクラブの敷地内)もあるが、川沿いにはヨットや大型船が停泊をしていて、絵ハガキのような世界が広がっており、そこをソーセージ犬たちが連なって歩いていくのだから、微笑ましい。
だいたいが、ミニチュアダックスフンドで、三四郎と瓜二つの顔を持つ黒い子もいる。その子の飼い主さんに、「この子たち、もしかしたら血が繋がっているかもね」と言われたり・・・。マジ、本当にそっくりなのである。
三四郎の兄弟が5匹いたので、生き別れた兄弟だったのかもしれない。
でも、住所交換などする余裕もない。とにかく大行進だからである。
茶色の子、毛の長い子、短い子、白い子、まだら模様の子、実に様々な色や形のミニチュアダックスフンドの群れであった。
「プードルの大行進とか、フレンチブルドックの大行進というのは聞かない。ミニチュアダックスフンドだから、こういうことになるんですよ」
と別の飼い主さんが豪語していた。
本当かどうかは知らないが、それくらい、ダックス愛がある人たちの集まりなのであったぁ。

滞仏日記「圧巻、パリ・ダックスフンド大行進に三四郎と参加!おお、すげー」

※「ソーセージウオーク」と名付けられているらしい・・・。そのままやんか! 手を振ってる父ちゃん。中央。どこでもスターになってしまう、元王子。

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ぼくらはエッフェル塔を目指して、セーヌ川沿いを歩き続けた。途中で、後ろはどうなっているのだろうと、気になり振り返ると、おおお、すげー、後方が見えない!!!
どこまで続くんだ、この大行進、というくらい膨れ上がっていた。これは実に壮観な眺めであった。
何が素晴らしかったかって、縁もゆかりもない人たちが、一堂に会するのだから・・・。
人種も国籍も主義も主張も異なる人たちなのだけれど、ダックス愛だけで、みんな寄り添い、支え合い、笑顔なのであった。
「おお、かわいい」
「ああ、なんて愛らしい」
すれ違う飼い主たちが口々に三四郎を褒めてくれるので、ぼくは自分のことのように嬉しくなるのだった。そして、誰にもわからない、日本語で、
「でも、うちの三四郎が一番かわいいです。すいませーん」
と叫んでしまった父ちゃんであった。親バカ。
そういえば、途中で、
「辻さーん。わたし、日本人でーす」
と声をかけられたっけ。振り返ると若い二人組の女性がミニチュアダックスを連れていた。
「ああ、その子が三四郎君ですね」
「そうです。ありがとう。またね」
でも、大行進の最中だから、それ以上の会話にはならなかったのである。(失礼しました。オランピア劇場でお待ちしておりまーす。えへへ)
そして、約一時間ほどで目的のイエナ橋の下に到着した父ちゃんと三四郎。誰が主催者で、誰がコントロールしているのか、もはや、ここまで膨らむともうわからない。振り返ると、最後部は見えない。いや、すごい大行進なのであった。
さんちゃん、お疲れ様でした。
楽しかったね。
それにしても、三四郎、一度も吠えることはなかったし、悪戯もしなかったのである。やっぱり、さんちゃん、君が一番だったね、あはは。

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※ ウオーリーを探せ!

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つづく。

今日も読んでくれてありがとうさまでした。
動画撮影もばっちりなので、来年公開される新作「パリごはん」でもしかしたら、今日の模様が、ちょっと流れるかもしれません。お楽しみに。
スタッフさんらと別れ、ぼくらはエッフェル塔の近くのカフェに行き、ちょっと休憩をしたのでした。何がなんだかわからず、大行進に参加させられた三四郎、果たして本人は楽しかったのでしょうか? ま、こんなにたくさんの仲間がいることが分かったのは、よかったかもしれませんね。ソーセージ犬の大行進、来年もまた・・・。
さて、今年のクリスマスは何かイベントありますか? 父ちゃんが父ちゃんの愛するカルチエ(街)を散歩するオンライン・ブラツジでも、いかがですか? 行きつけのカフェを覗いたり、好きなケーキ屋さんを紹介したり、マーシャルの八百屋で野菜を買ったり、ただの散策ですけど、そういうのが好きな皆さん、どうぞ、ご参加ください。クリスマス直前の、普通のパリを皆さんと歩きたいと思います。家族や友だちと集まって、ホットワインでも飲みながら、覗いてもらえれば、と思います。詳しくは、こちらの地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。

地球カレッジ

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