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滞仏日記「坂口健太郎さん主演で、父ちゃんの原作が韓国でドラマ化される、らしい! 噂で知りました」 Posted on 2023/12/08   

某月某日、友だちの友だちがネットで見つけたという韓国ドラマの記事がラインで届いた。
ぼくが原作を書いた「愛のあとにくるもの」が映画化されるという記事だったが、ぼくは、その情報がこのタイミングで世に出ることを、聞かされていなかった。
もちろん、契約をしたし、絶対に、映画化になるまで口に出さないでください、と日本側のエージェントから口止めをされていた。
情報解禁になったら、真っ先に知らせてくれるものと信じていたが、もう、三日も前に世の中に情報が出回っており、ぼくのもとに、その後、数人から、「ドラマ化おめでとう」という知らせがあった。
この作品は、「冷静と情熱のあいだ」のように、韓国作家のゴン・ジーヨン氏(友だちです。とっても芯の強い作家さん)と、それぞれの視点で書かれた作品で、2005年だったか、発売時に韓国でベストセラー1位を記録した話題作であった。
実はこの作品、出版当時、複数の映画会社から映画化の依頼を受けていたのだけれど、日韓の関係が非常に悪い時期が続き、すべてが潰れてしまった。
契約をしたのに、撮影に至らなかった残念なプロジェクトもあった。
日韓の関係はあと100年くらい無理だろうな、とその時、思った。
で、このドラマ化の話が来た時も、眉唾というか、難しいんじゃないの、まだ、と正直思っていた。ゴン氏がサインをする、というので、ぼくも同意をしたのだ。
でも、三日前に出ている記事は日本から発信されているもののようで、ナタリーとかヤフーニュースで確認できたから、実際に、動き出したということのようだ。
今、「愛のあとにくるもの」と入れると、ネットで一番に検索できる。

滞仏日記「坂口健太郎さん主演で、父ちゃんの原作が韓国でドラマ化される、らしい! 噂で知りました」

※ ぼくのもとに届いたのは、こういうラインでした。あはは。美男美女のキャスティングで、納得ですね。坂口健太郎さんと、イ・セヨンさんにエールを送ります!!!



ぼくは契約時に、監督さんあてにエージェントを介して、メッセージをおくったが、その返事はなかった。
この映画は日韓の実にデリケートな問題を含んでいるので、韓国で制作をするならば、日本側の原作者であるぼくが納得できるよう、とくにラストシーンは両国の未来においてとっても大事な部分なので、原作の本意から反れないよう撮影をしていただきたい、という依頼をしておいた。
日本からの制作が参加していないみたいなので、ぼくも確認ができないから、韓国側を信頼し、そこを契約でも盛り込んでもらっている。☜ここは重要なこと。
でも、こういう形で制作発表がなされるのはひじょうに残念なことで、なんとなく、先行きが暗い感じもするし、エージェントからはまだ連絡がない。
昨日、軽い抗議のメールを送ったので、明日あたり、慌てて、来るかもしれないが、これでは、遅すぎる。
事後報告をするならば、エージェントは必要ない。
うちの事務所のスタッフも「失礼ですよね」といちおう、憤慨している。
しかし、主演の二人をヤフーニュースで知り、(ぼくはアジアの芸能事から疎く、すいません)写真で見る限りでしかわからないが、とっても素敵なキャスティングだな、と思った。

滞仏日記「坂口健太郎さん主演で、父ちゃんの原作が韓国でドラマ化される、らしい! 噂で知りました」

※ 韓国版の「愛のあとにくるもの」単行本。

滞仏日記「坂口健太郎さん主演で、父ちゃんの原作が韓国でドラマ化される、らしい! 噂で知りました」

※ 日本版の「愛のあとにくるもの」単行本。



潤吾役の坂口さんがやるかも、という噂は一度、韓国でニュースになったらしいので、その時も、知り合いの韓国の映画関係者から、連絡があって、蚊帳の外だった、ということで、がっかりしていた。その件も、ぼくは知らされていなかったのだ。
この潤吾という名前、実は、ぼくの父さんの若くして亡くなった弟さんの名前なのである。ぼくが好きだった優しくハンサムなおじさんだった。
だから、潤吾を演じてくれる人が、誰か気になっていたので、坂口健太郎さんで、よかった、と思っている。
潤吾さんは、ピュアでまじめで嘘のない男性だった。
イ・セヨンさんはゴン氏の方の小説の主人公だけれど、そういうイメージだった。
なので、韓国の制作側やエージェントには不信感があるが、演じる二人には全く関係ないことだから、精一杯演技をして、納得いく演技をしてもらえたらいいなァ、と思っている。
ぼくの小説は舞台が吉祥寺だった。ぼくが住んでいた場所(吉祥寺の公園の淵に住んでいました。きれいな池があり、美しい場所です)をそのまま小説化したのだけれど、もちろん、脚本も読んでいないし、そもそもドラマなので、全然違う場所が撮影地かもしれない。わからない。
作家なんて、契約をしたら、そこまでなのだ。笑。しかも、制作が韓国なので、手の出しようがない。
坂口健太郎さんが、納得でき、彼が喜んでくれる作品に仕上がればいいのだが、と父ちゃんは遠くパリから祈っておきたい。
ということで、この話題は、もう、しない予定である。
日本で公開されるかどうかもわからないので、とにかく、本当になんにもわからないので、作品と小説は別物だし、今頃は芸能界が騒然と動いている時期であろうから、何かあっても、ぼくに聞かないでください、とだけ、ここに記しておきたい。
作品はつねに世に出たら作家のもとを離れるものである。作家はそれを承知しているので、これはしょうがないことでもあるのです。

この件、以上。

今日も読んでくれてありがとうございます。
どちらにしても、坂口健太郎さんのファンの皆さんも納得できる、みんなが楽しんでもらえる作品になればいいと思います。こう書きましたが、成功を祈っております。監督さんも、きっと、それどころじゃない気持ちもよくわかります。春が待ち遠しいですね。
さて、そんな今日この頃の父ちゃんからお知らせは、ありましぇーん!!!!

TSUJI VILLE
自分流×帝京大学

滞仏日記「坂口健太郎さん主演で、父ちゃんの原作が韓国でドラマ化される、らしい! 噂で知りました」