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GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」 Posted on 2020/08/11 辻 仁成 作家 パリ

オートルート(高速)の入り口にある大きなスーパーマーケットまで食材を買いに出かけました。日本と同じで、フランスの田舎町にも周辺の人が集まる巨大スーパーがあります。フランス人の中に混じって、ぼくら父子は買い物をしました。
「何が食べたい?」
「うん、なんでもいいよ」
この子はいつも、なんでもいい、なのです。レストランに行っても一応メニューは眺めるのだけど最後は、お任せでいいよ、と言います。
「本当になんでもいいんだな?」

ぼくは果物コーナーでパッションフルーツを数個買いました。暑い日にこれを食べるとひんやりする美味しい秘密兵器があります。父ちゃんが夏によく作るデザート風冷やしトマトです。猛暑に涼を届ける、おしゃれな前菜いかがですか? ということで、本日のGOTOキッチンは「夏のトマトの甘酸っぱいデザート風冷やしトマト」の登場です。

GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」

GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」



材料は、プティトマト(人数分)、ダシつゆ (めんつゆ)、パッションフルーツ一つ、生クリーム、オリーブオイル、岩塩、とか、かな。

まず、トマトは湯むきして、小さい保存用タッパーなどに並べ、麺つゆ(今回は二倍濃縮を使ったので水で割りました)に浸し、冷蔵庫でお浸しにします。そうですね、浸すのは、1時間とかで十分かな、時々ひっくり返し、味が万遍に染み渡るようにしましょう。たまたま、この民宿に可愛い器があったのでトマトを半分にカットし、すぽっと入れました。

GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」

GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」



こういう器は珍しいので普通はないですから、おちょことか、エスプレッソカップとかを利用してみてください。小鉢に盛り付ける場合は4分の1くらいにカットして普通に置いてもいいです。ボウルにパッションフルーツの中身を掬いだし、そこに適量の生クリームをかけ(写真のような感じ)、混ぜます。これをトマトの上に載せ、オリーブオイルを少し垂らし、最後にぼくはマスの卵をアクセントで載せました。

GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」

イクラだとちょっときついので、蕎麦の実を乾煎りしたものとかでもいいですね。カリカリッとした触感の、味を邪魔しない食材がいいですね。マスの卵はそれ自体にしつこい味がなくて、清涼感を持ってくるので、こういう時に便利です。(なかなか見つかりませんけれど…)蕎麦の実は炒ると胡桃を炒った時のような香ばしさが出て、しかも、意外におつまみにもあいます。ぼくは岩塩と炒った蕎麦の実を混ぜ、ビールのアテにしたりします。



さて、そんな蘊蓄語っているうちに完成です。どうです? これがめっちゃおいしいんです。
「どう? うまいだろ?」
「うん、いつも通り」
息子は相変わらず、ぼくを褒めませんが、もう少し食べたいというので、小鉢に残ったトマトをどさっといれて、残ったソースもどさっとかけて、オリーブオイルと岩塩を少々ふって、食べさせました。食後は、二人で、釣りに行く予定です。実はぼく、釣の名人なのです。昔、父さんに連れられてよく海釣りをしてました。近くに良さそうな岩場があるので、糸を垂らしに行きたいと思います。次回は、魚料理ですかね? 笑。

「キッチンは裏切らない」が合言葉です。ボナペティ

GOTOキッチン「猛暑に涼を届ける辻家の冷やしトマト」

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