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リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」 Posted on 2023/05/11 辻 仁成 作家 パリ

ぼくは食品館の果物コーナーでパッションフルーツを数個買いました。初夏を感じる汗ばむ日にこれを食べるとひんやりする美味しい秘密兵器があります。父ちゃんが太陽を感じる季節によく作るデザート風冷やしトマトです。おしゃれな前菜、いかがですか? ということで、本日の父ちゃんの料理教室は「トマトの甘酸っぱいデザート風冷やしトマト」の登場です。

リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」

リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」



材料は、プティトマト(人数分)、ダシつゆ (めんつゆ)、パッションフルーツ一つ、生クリーム、オリーブオイル、岩塩、とか、かな。

まず、トマトは湯むきして、小さい保存用タッパーなどに並べ、麺つゆ(今回は二倍濃縮を使ったので水で割りました)に浸し、冷蔵庫でお浸しにします。そうですね、浸すのは、1時間とかで十分かな、時々ひっくり返し、味が万遍に染み渡るようにしましょう。たまたま、この民宿に可愛い器があったのでトマトを半分にカットし、すぽっと入れました。

リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」

リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」



こういう器は珍しいので普通はないですから、おちょことか、エスプレッソカップとかを利用してみてください。小鉢に盛り付ける場合は4分の1くらいにカットして普通に置いてもいいです。ボウルにパッションフルーツの中身を掬いだし、そこに適量の生クリームをかけ(写真のような感じ)、混ぜます。これをトマトの上に載せ、オリーブオイルを少し垂らし、最後にぼくはマスの卵をアクセントで載せました。

リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」

イクラだとちょっときついので、蕎麦の実を乾煎りしたものとかでもいいですね。カリカリッとした触感の、味を邪魔しない食材がいいですね。マスの卵はそれ自体にしつこい味がなくて、清涼感を持ってくるので、こういう時に便利です。(なかなか見つかりませんけれど…いくらだとちょっと強すぎるので、アクセントで使うか、無くても大丈夫です。煎った蕎麦の実だけでも。あ、あるいはキャビアとか、ええええ、高ぇ~ですね。冗談です)蕎麦の実は炒ると胡桃を炒った時のような香ばしさが出て、しかも、意外におつまみにもあいます。ぼくは岩塩と炒った蕎麦の実を混ぜ、ビールのアテにしたりします。



さて、そんな蘊蓄語っているうちに完成です。どうです? これがめっちゃおいしいんですよ。

リサイクル・キッチン「初夏を感じる辻家の冷やしデザート・トマト」

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