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自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」 Posted on 2020/10/12 辻 仁成 作家 パリ

本日、二つめの自主隔離日記である。
時間があるから、つい、書いちゃうんだよね、えへへ。

夕食の時間、普段なら一日で一番楽しい時間のはずだけど、隔離中はその逆、いったい何を食べるか、で迷うのである。
パリから持ち込んだ食材を見回してみた。
長期保存用バケットが目に留まった。これを食べよう!
実は日本へ旅立つ前日、ぼくはスーパーを回って、この長期保存用バゲットを見つけた。
今回はカルフール社の有機バゲットを試してみることにした。
見た目はまずそうだけど、これがまあまあいける。
日本でも輸入したらいいのに、と思う。
本場、フランスのパン屋の味(に似た味)を食べたい時に食べることが出来るのだから…。

自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」



これをパックから取り出し、全体を水で軽く濡らしてから、予め220度で温めておいたオーブンにぶち込み、10分。
皮パリ、中もちもちのバゲットが出来上がる。

自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」

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今日は食欲がないので、アンチョビとオリーブの缶詰をあけて、タプナードを作った。
(正統派のタプナードの作り方はDS編集部が主催する「フランス家庭料理の定番」シリーズの中にあるので参照されたし)
ぼくのは辻流「嘘ナード」である。
アンチョビとオリーブを包丁で叩く。
ナメロウを作る感じである。

自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」

自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」



レモンを絞り、マヨネーズと醤油をちょこっと入れる。
かなり邪道だけど、うまい。
まだ試したことはないけれど、もしかすると、味噌とか合うかもしれない。今、思いついた。
料理はお思い付きが大事!
唐辛子粉、胡椒と粗塩を少しいれて完成、焼きあがったパンに塗って食べる。
ああああああああああああ、しまった!

自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」

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※昨日の残りのツナをのっけてみたら、うまかった。



ワインがないじゃん! 
タプナードはワインにあうのだけど…。
人生でこんなにワインを我慢したのは生れて始めてかもしれない。
仕方がないからしげちゃん差しいれの高原ビールを飲んだ。
おお、高原ビール、最高!! 
嘘ナードにばっちりだ。
コロナ禍の時代、小さな幸せを大事にして生きていきたいものである。

自主隔離日記「フランスの大発明、長期保存用バゲット。これで乗り切れ隔離生活」

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