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「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」 Posted on 2020/02/10 辻 仁成 作家 パリ

毎回、東京滞在中にぼくは、食いしん坊の仲間たちから情報提供を得て、全国から美味しいものをかき集めパリに持って帰ることにしている。ということで今回トランクいっぱいの美味しいものの中から、選りすぐったベスト5の美味いものを紹介したい。



第五位。大阪府池田市の「とよす株式会社」作、かきたねポテト。実はこのかきたねポテトは前回の帰国時では堂々の一位だった。そして、今回も変わらぬうまさでぼくの寝酒を彩ってくれる、その塩加減に大感謝したい。

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」

第四位。千葉県香取市「青柳食品」さんの唐辛子佃煮。実はこれも一位でもおかしくないくらいの美味さで、ぼくは今回、おなじものを3つも買い込んでしまった。いとこがパリに来た時のお土産で出会ってからはまったこの唐辛子の佃煮だけれど、つくだ煮と言わなければペペロンチーノの具にすぎない。ぼくはこれを玄米の握り飯の中にいれて食する。時々はペペロンチーノにも使う。この胃が痛くなるような辛さがたまらない。青柳食品さん、ありがとう。

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」



第三位。新潟県長岡市、越後製菓株式会社さんの「ふんわり名人、きなこ餅」これは普通のコンビニなどでも手に入る。知っている人も多いと思うのだけど、ぼくは知らなかった。だまされたと思って口にした瞬間のふわっと溶けるようなこの絶妙なうまさ。やばい。和三盆使用、と書いてある。北海道大豆を使用し、国産もち米100パーセントと書かれてあり、なんかうまそうなイメージ満載なのだけど、でも、そんなことはどうでもいい。食べてみればわかる。完璧に裏切られる触感とうまさ。ずるいね。うまいよ。

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」

第二位。栃木県宇都宮市の「黒麺」栃木のイタリアン、クーリルージュさんの製品で、ぼくはずっと愛用させてもらっている。ぼくがたまにやる出張レストランでも必ず出す玄米のパスタなのだけど、これは比類なきうまさで、クーリさん、ありがとう。実は第四位の唐辛子佃煮とこれで作ったペペロンチーノはぶっちぎりの第一位になってしまう美味しさなので、ぜひ、試してもらいたい。黒麺は茹で時間3分と書かれてあるけど、2分と10秒くらいがベストかもしれない。オリーブオイルとの相性がこれまた抜群なんだよね。

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」

そして堂々の第一位。東京都世田谷区の株式会社キャメル珈琲さんの「いぶりがっこオカキ」。脱帽だ。これはずるい。ずるい、ずるすぎる。口に入れた瞬間、なんだよこれ、と叫んでしまった。なかなか手に入らないらしい。いぶりがっこは好きでたまに買うのだけど、オカキにするとこういうことになっちゃうの??? もち米感が半端ない。歯ごたえのあるカリっと感って、説明がとても難しいのだけど、あまり経験したことのない触感で、でも、どこかで食べたことのある触感でもあって、この硬めの、でも、口の中で砕けるといぶりがっこの香りが広がる感じとか、ウイスキーにあうこと請け合い。この新鮮なたくらみにそそのかされ、堂々の一位となったのだけど、正直、全部一位でもいいと思う5つの美味いものたちである。ありがとう、日本。今夜これを持って、行きつけのバーに行き、常連たちに与えたいと思う。彼らが唸るのが目に見える。開発者の皆さん、ありがとう。感動しました!

「今回の東京滞在で仕入れた美味しいものベスト5」



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。