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パリ最新情報「秒読みのロックダウン解除と親を悩ませる学校再開」 Posted on 2020/05/08 Design Stories  

5月7日、フィリップ首相の発表で、フランスは予定通り5月11日より段階的にロックダウン解除が行われることになった。まだパリ近郊、フランス東部、海外県のマイヨットなど、感染が収まり切れていない地域は解除後も引き続き最大の注意が必要で、5月末の状況を見て、再びロックダウンに後戻りということにもなり得るとのことだった。

パリ最新情報「秒読みのロックダウン解除と親を悩ませる学校再開」

ロックダウン解除に向けて、人々の頭を一番悩ませているのは学校再開である。政府は子供たちを学校に返すことが何より大切だと考えているようで、マクロン大統領も「子供にとって2ヶ月も家にいるのはトラウマだ」と学校再開に精力的だ。しかし、では、学校はどのような対応をするのだろうか。義務ではないため、親の判断で子供を学校に戻さないこともできる(9月まで休校を決めた私立学校もある)。だけど、11日より国が再起動するため、仕事のために子供を学校に戻さざるを得ない親もたくさんいる。政府は学校再開に前向きだが、科学者たちは時期が早すぎると警戒している。本当に大丈夫なのだろうか。今のところ、子供を学校に行かせるか、行かせないかの選択は全て「親」に託されている。現実的に仕事をしなければ食べていけないという人も多いけれど、感染第二波も怖い。まだ一人で留守番ができない年齢の子を持つ親はとても難しい問題を抱えている。

パリ最新情報「秒読みのロックダウン解除と親を悩ませる学校再開」




感染状況がまだレッドゾーン(集中治療室の稼働が80%以上)のパリの公立幼稚園、小学校でも、5月14日より、親の職業や家庭環境などで優先される子供から段階的に学校に戻ることになっている(中学校以上は休校のまま)。
マークシート方式の簡単な事前調査が学校から送られてきたが、その内容は、両親の職業(医療従事者、介護施設勤務、警察、葬儀会社、教員、危機対応職員、その他)、シングルマザーまたはファザーか、14日から学校に戻らせるか、給食を食べさせるか、授業後の学童に入れるか、水曜午後の学童に入れるか。というもの。
実際に学校でどういった措置をとるかは、簡単なビデオにまとめられていた。

内容は、

遠隔授業を受ける子供はそのまま続ける。
みんなの健康を守るため、衛生観念を整える。
毎朝子供の熱を測る。
登校は集団を避けるため、時間差をつけて順番に行う。
学校に入ったらまず手洗い。
1日、2時間ごとに手洗い。
教員と中学生はマスクをつける。
症状がでた生徒にはマスクをつけさせ、両親が迎えに来るまで大人の監視の元、隔離。
廊下では進行方向を遵守する。
机は1m以上間隔をあける。
小学校、中学校は1クラス15人まで。
幼稚園は1クラス10人まで。
よって、生徒は毎日学校に来ることはない。
2日に1日、1週間に2日など各学校によって違う。
休み時間は各クラス順番に。みんなが触るおもちゃやボールは禁止。
給食は小さいグループ、もしくは冷たい食事(サンドイッチなど)を教室で。
予防処置を守る。
教室の空気の入れ替えを頻繁にする。
下校も時間差をつけて順番に行う。
最低1日に1回、校内の徹底的な洗浄を行う。
ビデオの最後は、”Yes, We can!”ならぬ、「みんなで力を合わせて成功させよう」で締め括られている。

これだけのことを子供たちがしっかり守れば学校で感染が広がることはないだろう。問題はこれらを実行できるかどうか、で、年齢によっても意識の違いが出てくる。小学生にずっとマスクをつけさせるのはまず難しそうだし、大人でさえ守れそうにないのに、久しぶりの学校生活で1日中1mの距離(子供たちには「大きく2歩」という目安を与えている)を保てるかも疑問が残る。教員や学校関係者の目が届く範囲にも限りがあるわけで・・・。じゃあ、心配だったら学校に来させなくてもいいですよ、ということなのだが、そんなあ!と言いたくなる。

パリ最新情報「秒読みのロックダウン解除と親を悩ませる学校再開」

ずっと学校を再開させないわけにはいかないので、未曾有のこの状況では、再開して様子を見ていくしか方法はないのだろう。ウイルスから確実に子供を守りたければ家に居させるしかない。だけど、そうすると次は、勉強のことや外に出ないことで精神面の心配が出てくる。このロックダウンで子供たちは2ヶ月近く遠隔授業を受けているため、毎日かなり長時間、画面の前にいることになるが、それもこれ以上続けば絶対にカラダに良くない。これまでも風邪や他の病気に晒されながら生きていたわけだから、感染の予防対策さえ徹底できれば、コロナウイルスをそこまで怖がる必要はないのかもしれない。ウイルスはコロナウイルスだけではないし、今後コロナウイルスを含めて全てのウイルスが地球からなくなることはないのだから。子供たちにしっかり言い聞かせて、賭けに出るしかないのか・・・。

今、子を持つ親の頭の中は、この答えのない学校再開問題がぐるぐると堂々巡りしている。何が子供にとって本当に良いのか、子供たちがどれくらいルールを守れるのか、1ヶ月後、どんな世界があるのか、見れるものならこの目で確かめてから判断したいものだ__。

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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
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