PANORAMA STORIES

ミラノつまみ食いの旅 Posted on 2020/08/16 佐伯 幸太郎 ライター パリ

こんにちは、「欧州美味しいもの研究家」の佐伯幸太郎です。海外旅行が出来ない昨今ですが、今日は、ミラノの美味しいものを改めてご紹介させていただきたいと思います。紙上の食いしん坊旅行をお愉しみください。

さて、ミラノはファッションの街で、日本人にも大変人気がありますね。でも、もちろん、イタリアですから、食べるものも最高なのです。日本のイタリアンはもちろんとっても美味しいのですけど、比較をしちゃいけません。たまに、「イタリアで食べるパスタは美味しくない」という方に出会いますが、スパゲティ発祥の地、イタリアが日本より美味しくないわけがないのです。たしかに観光客相手のレストランは、いけません。どこで食べたかによるのは確かです。ちゃんと地元の人が愛する店を調べ、観光ガイドなんかに騙されないで、地元民に愛される店を探して、食べてみてください。それこそまさに本場の味ということになります。イタリア料理の本場の味はフレンチを凌ぐものもあるんですよ。日本のイタリアンは日本のイタリアン、ぜんぜん別物だということです。
 

ミラノつまみ食いの旅

ミラノの代表的な料理といえば、サフランのリゾットに、オッソブッコ、ミラノ風カツレツといったところでしょうか。ミラノはファッション街ですし、大金持ちが暮らすイタリアの中でも裕福な街ですから、お金を出せば、天井知らずで美味しいレストランに行くことは可能です。しかし、私はそういう料理を好みません。あくまでも地元民に愛される、伝統と歴史を守り抜いた庶民の味が好みなのです。ひたすら歩き続けて見つけた、ミラノっ子が普段よく食べる味を今回は特別にご紹介しましょう。 

ミラノつまみ食いの旅

まずは一軒目、「Trattoria del pescatore」。
ミラノは内陸ですが、ミラノの魚市場にはイタリア全土で獲れた新鮮な魚介類が集結するので有名です。オマールの前菜に、ペスカトーレのホイル包みパスタ、ボンゴレとカラスミのパスタ……。美味いイタリア料理というのは、どれだけ新鮮な食材をどれだけシンプルに最高の状態で料理できたか、に尽きます。イタリア料理がもたらす感動はいつもそのことを再認識させてくれるのです。逆を言えば、料理とは何か、ということを深く考えさせられるものばかりなのです。トリュフが高級品というのはわかっていますが、毎日、トリュフのリゾットを私は食べることができません。母が一生懸命握ってくれた塩握りなら毎日食べることが出来るように、イタリアの庶民料理というのは毎日、心と胃袋をし早生にさせてくれるものばかりなのです。そこ、大切です。


ミラノつまみ食いの旅

ミラノつまみ食いの旅

ミラノつまみ食いの旅



さて、歩くのに疲れたら、甘いカンノンチーノで疲れを癒すのはいかがでしょうか。パイ生地の中にカスタードクリームが詰まった、日本のコロネのようなお菓子のこと。グラム売りのカンノンチーノは1つ1.5ユーロ。老舗「Pananello」のカウンターでエスプレッソと共にカンノンチーノを頬張れば、疲れが吹っ飛ぶこと間違いなしなのです。ジェラート好きならば、「chocolatitaliani」のチョコレート味とヨーグルト味のジェラートもおススメです。うちの娘はこれが大好物!


ミラノつまみ食いの旅

素早く食事を済ませたい時はミラノを拠点に展開するベーカリー「Princi」へ。
焼きたての切り売りピザやパティスリー、パンがずらっと並んでいます。カリカリふわふわもちもちのフォカッチャ生地が絶大な人気です。ええ、今や大人気のチェーン店ではありますが、創業当時から変わらず厳選した食材と職人さんが奥の窯で焼いているもののみを提供してる名店でもあります。朝、昼、晩と絶えず焼きたてのパンやピザ、お菓子が出てくるので、買い物に疲れたら立ち寄って、胃袋を癒してみてください。イタリアはこの食べ歩きのつまみ食いが最高なんです。大変失礼な言い方ですが、イタリアのご婦人が健康的な体形をなさっているのもうなずけますね。


ミラノつまみ食いの旅

ミラノつまみ食いの旅

お土産にイタリア食材を調達したいなら食のデパート「EATALY」へ。
そこでイタリア食材を買い込んだら併設レストランで食事するのも悪くありません。下手なレストランに行くより、意外と美味しいイタリア料理に出会えたりするんです。イタリアに行くと必ず食べたいイノシシのラグーはトスカーナ地方の郷土料理ですが、イタリアの伝統と底力を感じる味わい深い一品でもあります。ミラノからはちょっと離れていますが、イノシシのラグーをトスカーナじゃなくて、ミラノで食べるというのもなかなかオツなものです。ここのラグーは笑いが起こるほどの美味しかったですよ。
 

ミラノつまみ食いの旅

食後には濃いイタリアン・エスプレッソをキュッと流し込んでみてください。個人的にはマロッキーノがお薦めです。マロッキーノは小さめのカップの底にカカオ、もしくはチョコレートシロップが入り、その上にエスプレッソとミルクを注いだものなんですが、これ、パリにはありません。イタリアならではの一杯なんですよ。
コーヒーはどこのカフェで飲もうが、パリのコーヒーより間違いなく美味いこと請け合いです。ちなみに、ミラノでカプチーノやマロッキーノは1杯だいたい1.5ユーロ。パリでカプチーノを飲むと1杯5ユーロがあたり前なのです。美味しいものを安く、好きなだけ食べて飲むことが出来るのも有難いですね。家族持ちには都合がいい。

ミラノつまみ食いの旅

夕方には「アペリティーボ(アペリティフ)」も外せません。アペリティーボはハッピーアワーのようなものですが、実はパリのアペロとの大きな違いは、食前酒を注文すればそれを飲みながらカウンターに並ぶ軽食までも楽しめるという一石二鳥。これは、実に素晴らしいシステムです。ミラノで発祥した新しい食文化と言えるでしょうね。ま、スペインのタパスの影響もあるかもしれませんね。ただ、お酒を飲んで軽食がタダという、極楽のような街がミラノなのです。

ミラノつまみ食いの旅

イタリアはやっぱりマンジャーレ(食べる)の国。伝統を守りつつ進化し続けるイタリアの「今」を駆け抜ける食の旅は楽しいですよ。ぜひ、次回の欧州旅行はミラノを選んでください。パリだけが欧州の都ではありません。ミラノで食とファッション、もう最高です。しかし、娘さんたちは高級ファッション街のモンテナポリオーネ通りに行きたがるので、ご注意ください。ミラノは美味しいけど、財布が薄くなる街でもあります。

いかがでしたか、なんか、幸福な感じになれましたでしょ? 早く再び世界旅行が出来る日が来るといいですね。その節はぜひ、イタリアのミラノに足を延ばしてみてください。佐伯幸太郎でした。次回もお楽しみに!


ミラノつまみ食いの旅

 
 

Posted by 佐伯 幸太郎

佐伯 幸太郎

▷記事一覧

Kotaro Saeki
ライター。渡欧25年のベテラン異邦人。ワインの輸入業からはじまり、旅行代理店勤務、某有名ホテルの広報を得て、現在はフリーランスのライター。妻子持ちだが、美しい女性と冒険には目がない。モットー、滅びゆくその瞬間まで欲深く。