PANORAMA STORIES

「ハズゴーンしちゃったゴーンさん、そして、ゆく年くる年」 Posted on 2019/12/31 辻 仁成 作家 パリ

今年も一年、デザインストーリーズに遊びに来て下さり、ありがとうございました。
フランスの首都、パリからぼくと時々息子も登場をして、毎日、記事やエッセイや小説を配信してきました。皆さんに読んでもらって、いろいろと感想を貰えて、楽しかったです。
シングルファザーのぼくの目を通して見て伝えてきた日仏の違いや、欧州や世界の空気感、異国から見た日本など、ずいぶんと書いてきましたね。雨の日も風の日も、健康な時も風邪の日も、まるで修行僧のように。2020年もさらにコツコツと思いや気持ちや僕なりの哲学や、パリの日々をお届けしたいと思いますので、よろしくです。

今日は、ゴーンさんがいきなりレバノンに逃亡のニュースからはじまりましたけど、パリも騒然となっています。スパイ映画みたいで、どうやって出国出来たのでしょうね? フランスの見解は「ゴーンさんは法律を越えることはで出来ない。(つまり、法律が適応される範囲で扱うということ)」、そして、レバノン政府はまだ見解を出してないみたいですけど、レバノン人は「僕らのフェニックス(永遠を生きる鳥)が日本の太陽に焼かれることはない」とレバノン人が思っていると、仏紙が報じています。そして、「Je n’ai pas fui la justice, je me suis libéré de l’injustice.」とゴーンさんは発言したのですけど、日本でもこれは報じられていましたが訳すと「私は正義から逃げたわけではない。自分自身を不正から解放してやった」となります。いずれにしても、ゴーンさん、ゴーンしちゃいましたね。

ともかく、毎日、朝、目が覚めるとこういうびっくりするようなニュースが届けられるのが世界で、2020年もびっくりの連続なのだろうな、と思います。もしかしたら、どこかで戦争がはじまるかもしれないし、不意に誰かが亡くなったり、オリンピックもはじまるし、誰かが金メダルをとったり、いいことや悪いことがいきなり世間を騒がすのでしょうね。そして、そういう激動の時代にあってもぼくらは生きて行くわけです。事故や病気もあれば宝くじが当たる人もいるでしょうね。それが人生というもので、ぼくらの一生は死ぬまで続く訳です。フランス語の「La vie continue(人生は続く)」ということになります。

年が明けても、自分を大事に生きてください。ぼくも自分にそう言い聞かせてがんばります。ご家族や友人を大切にしてください。ぼくも息子を大切に育てます。息子君、風邪で今寝込んでいて、看病中ですけど、若いから明日には元気を取り戻していることでしょう。さて、みなさん、今年一年、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。



「ハズゴーンしちゃったゴーンさん、そして、ゆく年くる年」

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。