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パリ最新情報「2度目のロックダウンでまたも試練。あるレストランの挑戦」 Posted on 2020/10/31 Design Stories  

パリ・サンジェルマン地区、セーヌ川からもほど近い小道に、串揚げ専門店「修 -shu-」がある。
オーナー鵜飼さんはパリにまだ寿司、ラーメン、うどん、蕎麦など以外の日本料理店がなかった頃、あえて串揚げ専門店をオープンさせた。
それから12年、洞窟のような一風変わった都会の隠れ家的レストラン(30席)は、地元客をはじめ、ファッション関係者やハリウッドスターにも愛されている。

パリ最新情報「2度目のロックダウンでまたも試練。あるレストランの挑戦」

パリ最新情報「2度目のロックダウンでまたも試練。あるレストランの挑戦」



「串揚げは、衣で包み込んで中を蒸した状態なので、素材の旨みを堪能できる最高の料理だと思っている」と串揚げの魅力に目を輝かせる鵜飼さん。
料理はコースになっており、15本の串に前菜、ご飯もの、デザートがつく。
茶色い揚げ物だけでなく、目でも味わえるよう、小鉢の彩りや盛り付け、器も日本で買い付けるほど、細部にまでこだわりを持って続けてきたという。

しかし、2018年のパリ連続テロ、2019年は年金改革で黄色いベストデモが過激化しパリの観光客は激減。
極め付けは今年、2020年、コロナ出現で経営自体を禁止されるという前代未聞の状況となってしまった。

パリ最新情報「2度目のロックダウンでまたも試練。あるレストランの挑戦」

ーこのコロナ禍でパリのレストラン業界の経営状態は悪化する一方だと思いますが、いかがですか?

鵜飼 修さん(以下、敬称略「鵜飼」) レストランが閉鎖になると従業員には国から部分的失業手当が出るのですが、経営者は厳しいです。店の家賃、家の家賃、生活費・・・どうやって捻り出すか、一時期は夜も寝れない状態でした。

ー何か新しく工夫されたことなどありますか?

鵜飼 1度目のロックダウンをどうにか乗り越え、ポスト・コロナを生き抜く方法を手探りで整えているところでした。
そんな矢先、夜間外出禁止例が発令されて、うちはもともと夜のみの営業だったので、まず営業時間を早めて、収益を補うためにお弁当の販売を始めました。

ー「修 -shu-」さんの松花堂弁当はここがフランスであることを忘れるくらい、日本の美と味が詰まっています。

鵜飼 うちは串揚げ専門店なので、どんな料理をお弁当として出したらいいのか、また値段設定にも悩みました。見栄えも大切なので、松花堂はパッケージも日本から持ってきたものを使っています。構想を練りに練って完成させた自信作です。
前日までに予約を頂く形で販売していましたが、2度目のロックダウンに突入することになってしまったので・・・少しお休みして様子をみることにしました。
前回と同じく、政府の発表は唐突で、店と心の準備期間を与えられぬまま今に至っています。

パリ最新情報「2度目のロックダウンでまたも試練。あるレストランの挑戦」

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ーレストランは閉鎖ですが、テイクアウト、配達での営業は許可されているのですね。

鵜飼 はい、ロックダウン中も買い物に関しては距離と時間の制限はないようですが、わざわざ証明書を持って、どれだけの人がお弁当を買いに来てくれるのだろうか? という不安がありますし、配達というのもいろいろ課題があるんですよね。

ーフランスではUber Eatsやdelivelooなど料理宅配サービスが市民の生活にかなり浸透してきていますが、そういうサービスを使うのは?

鵜飼 店側がサービスを使用するには、高額の登録料(いろいろなパッケージがある)もかかれば、パーセンテージ(35%)を取られるなど、個人レストランにとってはなかなか壁が高いです。
しかも、配達の人がお弁当を綺麗な状態のままで配達してくれるかどうかも心配で。一度、ピザの宅配を頼んだことがあるのですが、ピザの箱を縦にして運んだようで、箱の底でピザがペチャっと丸まって潰れていました(笑)。
うちのお弁当をそんな風には運んで欲しくないので・・・、配達をするなら自分たち自身でするしかないと思っています。今、日本人向けの無料情報誌OVNIさんとお弁当注文サイトを作っていて、ロックダウン中は配達もできるよう進めているところです。

修-shu-のお弁当ご注文はこちらから➡️https://marketplace.ovninavi.com/shu/
(現在は持ち帰りのみでの販売です)

ー2回目のロックダウンでは会社経営者への新しい補償ができたようですが。

鵜飼 まず、前回同様、従業員には部分的失業手当が出ます。会社経営者に関しては、今回、新しい手当ができたようなのですが、まだ週明けの詳細発表を待っている段階です。
おそらく、レストランやホテル業界は売り上げが前年比の50%以下の場合、最大1万ユーロまでの補償が受けられるだろう、とのことです。とはいえ、最大が1万ユーロなので、最小はいくらなのか・・・?
今後どうなるか、不安な毎日であることに変わりありませんが、まずはロックダウン中のお弁当販売を頑張りたいと思っています。

パリ最新情報「2度目のロックダウンでまたも試練。あるレストランの挑戦」

*松花堂以外のお弁当もあり。

フランスのレストラン業界は2度のロックダウンで閉店に追い込まれる店も次々と出てきている。
どうにか、今年を乗り切り、来年、再来年と、この損失を取り返せるよう頑張ってもらいたい。

修 -shu-
8 rue de suger 75006 Paris
restaurant-shu.com



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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
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