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パリ最新情報「海外から日本に入る人への自主隔離をもう少し続けてほしい」 Posted on 2020/11/11 Design Stories  

※今回は辻仁成が担当します。

日本政府が海外から日本に入る方々へ続けてきた「自主隔離」対策がここに来て、オリンピックのこともあるのでしょうか、緩和されつつあるということですけど、この10月に自主隔離を経験した者として、ぼくはこの「自主隔離」が島国日本にとってコロナ水際対策として有効であると信じています。
もちろん、2週間の自主隔離は相当に辛かったので、無くしてほしい、という思いも心の片隅にあるのですが、法的拘束力がないながらも、この対策によって、一定の成果が出ていたのも事実です。
これがなくなり、大勢の外国人、在外日本人が一気に日本に入ってくれば、当然、感染者は増えるでしょう。
現在、パリはロックダウン中ですが、科学者や医師たちが第一波の時よりも感染力が強くなっている、と警告しています。
とくにとある医師が興味深いことを言いました。
「第一波の時は病院関係者60人のうち感染したのは1人か2人だった。しかし、今回の第二波ではすでに10人を超える感染者が出ている。理由がわからない。感染力がはるかに強くなっている」



日本は地政学的にも島国で、地続きの欧州よりも封鎖をしやすいわけです。
なので、空港や港での隔離対策は本当に有効だと思います。
最近、感染者が急に増えている日本ですけど、外国からの観光客をスルーで受け入れれば間違いなく、いっそう拡大します。
これを分かっていて、蛇口を緩めるのはリスクが高すぎないでしょうか。
そのしわ寄せは(一時的に潤っても)最終的には飲食業や観光業の皆さんに向かうんです。ぼくからの提案ですけど、

パリ最新情報「海外から日本に入る人への自主隔離をもう少し続けてほしい」



自分が経験して辛かった二週間を一週間程度に減らすのが得策だと思います。
というのは、フランスでもだんだんと感染の仕組みが分かって来て、感染者が出ても最初の数日の隔離が大事ということのようです。
フランスの企業や学校などでは、感染した者は一週間程度の自宅隔離でよいことに変更になってきています。理由は、長いと守れない人が続出するからだとか、…。
日本だと、空港で陰性となり、さらにホテルで2週間の隔離措置に入るわけですが、心理的に守らない人が出るのも理解できます。
1週間であれば人間何とか乗り越えられるものです。
フランスは「守らない2週間よりも、守れる1週間」に変えて成果を出しています。
自主隔離をやめないで、隔離期間を減らすのが落としどころとしてはいいような気もしますが、…。



フランスは先週、一日の感染者数が8万6千人を超えました。
しかし、夜間外出禁止令、ロックダウンの成果が徐々に出始め、昨日は2万人台にまで減少しています。
来週、政府がロックダウンの解除へ向けたなんらかの方針を出す予定ですので、注目が集まっていますが、おそらく、12月1日まではロックダウンは続きそうな気配です。
けれども、なんらかの措置をとれば数字は減少します。
日本もぜひ、もう暫く、自主隔離対策を続けてはどうか、というぼくの老婆心ならぬ老爺心ではあります。

それから、ファイザーのワクチンが話題になり、株価が急上昇していますが、フランスではエアバスの株が急騰しました。
ワクチンを超低温で輸送できる仕組みをエアバスが持っているからだそうで、このような話題がこれからも暫く続くのだろうな、と思います。
ワクチンの話題で一喜一憂している世界ですけど、知り合いのお医者さんは、「自分は暫く試さない。まだ、信頼できない」と言いきっています。
安全性に関して早計であるという科学者の指摘もあります。
ワクチンに大きな期待は出来ますが、もう少し、いろいろな意味で様子を見る必用があるのかもしれませんね。
ロックダウンや夜間外出禁止令が出続けたパリ、気の緩みも出始めています。
この冬、何が待っているのか、ある意味、緊張を持って、見守っている状態なのです。

パリ最新情報「海外から日本に入る人への自主隔離をもう少し続けてほしい」

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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
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