THE INTERVIEWS

ザ・インタビュー 「布袋寅泰の新たなる挑戦、家族と生きる道」 Posted on 2017/04/09 辻 仁成 作家 パリ

80年代、日本はビートバンドが音楽シーンを変えようとしていた。バンドブームの前夜、僕は布袋寅泰を知った。
ロック界周辺はどこもまだモノトーンの世界だった。渋谷のライブハウス屋根裏の壁にBOØWYの張り紙を見たのが彼らを知った最初だった。ライブハウスの楽屋では喧嘩が日常茶飯事。殴ったり殴られたり。
そんな尖がっていた80年代初頭に布袋寅泰もいた。

30年の時が流れ、僕らはケンジントンの老舗ロックバー、トレバドールで向かい合った。ディランやツェッペリンが演奏をした由緒ある場所。50歳を超えたこの男が語る言葉に時の永遠が重なった。
ユーロツアーを目前にした布袋寅泰の今の声に耳を傾けよう。
 

ザ・インタビュー 「布袋寅泰の新たなる挑戦、家族と生きる道」

 布袋さん、ずっとロンドンにいるつもり?

布袋 寅泰さん(以下、敬称略) 僕はね。

 ご家族は?

布袋 美樹さんもね、イギリスに移った当時は英語も得意じゃないし、外国で暮らすことも初めてだし、母として娘を現地の学校に入れるというのも初めての経験で、初めてづくしで渡英して2年ぐらいは本当に大変だったと思いますよ。最近は、日本に帰っても「早くロンドンに帰りたい」ってポツリと言う。ロンドンはロンドンでまた独特の魅力がありますよね。東京に比べると田舎だけどね。

 パリなんてもっと田舎ですよ(笑)。

布袋 とにかく、東京の常識がすべて当たり前だと思ったら大間違いだよね。何もかも。Wi-Fiなんてスローもいいとこだし、重いファイルのやり取りなんてできないからね。何がジェームスボンドの国だよ! とか思っちゃう(笑)。冬は重々しいグレイの空に覆われ、キツネが庭に現れたり、僕は群馬の生まれだからこういった原風景は心に残ってるけど。東京での暮らしが長くなると、ちょっと狂っちゃいますよね、感覚が。正直言って、こっちに移る前はちょっと自分の中からモチベーションというか、創作意欲が無くなっていて、初めて「スランプ」に近い状態を自覚した。自分の中から何も出てこないっていうか。何もかも東京や、環境のせいにするつもりはないけど、このままここにいると僕はダメになるなって思った。何も無くなってしまう、変えなければいけないっていう危機感がありましたね。

 そうなんだ。そのスランプはこっちに来てどうやって乗り越えていったんですか。

布袋 乗り越えられていないんですよ、まだ。ただ、頭をスイッチできたかな。

 英国で完成させた新作の『STRANGERS』だけどね。時に現代アートであり、中東風のサウンドが重層的に背景に加えられていたり、「Move it」という曲なんかも裏でずっとギターのリフが入ってるわけだけど、通常のスケールを逸脱するような実験的なリフで、これまでのザ・布袋のリフじゃなくて、非常に計算された、一種のプログレみたいな・・・。やられたという感じだった。このよう完成度の高い音作りが、スランプの中から出てきたの?

布袋 1回こう、まな板の上に乗って「好きにしてくれ」って開き直ったのが良かったのかもしれない。でも、まな板の鯉でいても料理人たちは「そこじゃない」ってとこばかりを狙ってくるわけよ。

 料理人とは今回手を組んだイギリスのプロデューサーたちだね?

布袋 だからレコーディングの後半は、まな板に寝ているフリをしながら、ちょっとずつ自分で「ここ切って、そこ切って」と、美味しいところ調理しやすいように動いていきましたよ。

 なるほど、最終編集権は自分で持ってたのか。

布袋 最初は正直自信がなかったんだろうな、世界に切り込む。でも、あの中には何曲か自分でやったものもあるんですよ。イギー・ポップとの曲は自分で作って自分でプロデュースした。結果的にはあの2曲はアルバムの中でも際立っていると思う。イギー本人が「モダンでシンプルでよく計算された最高のロックンロールだ」って言ってくれた時、自分のサウンドもイケるな、と確信できた。他のプロデューサーに自分を委ねながら、自分のやり方とコンペアできたのは良かった。やっぱり自分だけの尺で自分はいけないな、と。人と交わることは大事だなと思った。

 うんうん。

布袋 普通、夢の扉開けたらその先に道が、光の中にまっすぐ伸びる道が待っていると思うじゃない? だけど、そうじゃなかった。重たい扉を開いたら何もない。無限の水平線のような果てしない景色がただ広がっているっていう感覚。でもやっぱり、ゴールっていうのは、スタートしなきゃ目指せないわけだから。
 

ザ・インタビュー 「布袋寅泰の新たなる挑戦、家族と生きる道」

 おお、50歳でのスタート。かっこいいね。

布袋 スタートしてしまった! って感じだけどだね(笑)。

 もう戻れないね。あれだけの世界を作っちゃって、外洋に出たわけだから、次はさらに難しくなるし、昔には暫く戻れないよね。もちろん戻ろうと思えば戻れるんだけど、1度、世界の天井を見てしまったわけだから、気持ちが許さないよね。もっと先に何かあるんじゃないかって、パンドラの扉を開けてしまった人間の宿命だ。

布袋 ギタリストならではの挑戦ができるといいな。今年のユーロツアーは小さなライブハウスを切り詰めたギリギリのバジェットで回るバスツアー。そりゃ、日本から資金を持ってきてビジネスクラスで飛ぶこともできるかもしれないけど、それやっちゃうとチャレンジじゃなくって、趣味や道楽になっちゃうでしょ? そこは結構はっきりしておきたいんです。

 日本からのお金をどんとつぎ込んで、赤字になってもいいじゃん、というわけにはいかないね。

布袋 少なくても今やっとスタートしたわけだから。そこから積み重ねていくって自分にとってはもちろん、マネージメントや、やっと巡り合ったスタッフにとっても、経験を共にすることは大切じゃない? 彼らと喜びも悔しさも一緒に味わいたい。それを飛び越えちゃうとつまらないから。と同時に、『STRANGERS』をリリースできたからといって次の世界に向けたリリースが決まっているわけじゃない。今レコーディングしてるのは、ワールドワイドリリースを目指してはいるけど、まずは日本で先行リリースされることになるね。

 今作っているアルバム、リリースはいつ頃ですか? 『STRANGERS』とはまたちょっとテイストが違ってくるのかな?

布袋 年内の発売予定です。去年は35周年で、懐かしい曲と共に日本全国を回ったり、東北ツアーやったり、アメリカでもやりました。イタリアを代表するシンガーZucchero(ズッケロ)とコラボレーションがあったりとても充実した1年だった。『STRANGERS』をリリースしてからのこの2年間にはストーンズと共演など、信じられないような経験もしたし、そんな刺激からどんなものが出てくるか自分でも楽しみだよ。

 今度のアルバム、こっちでも出す予定?

布袋 狙ってはいますけど。何も約束されていません。

 そこが素敵だな。ちなみに、また誰かプロデューサーがいるの? それとも自分で?

布袋 今回は自分でやってる。ある程度のピースが固まったら世界観に合わせて誰かにお願いするかもしれない。

 さっきから話にあがっている4人の英国のプロデューサーって、サウンドプロデューサーってこと?

布袋 いや、すべてを委ねるプロデューサー。だから「イントロのギターが長い」「ギターソロを半分にカットしよう」そんなことを平気でよく言われたよ(笑)。その時は「え、このギターソロ大事なんだけど」とか思ってショックを受けたけど、短くエディットしたバージョンに耳慣れてくると「これで充分だったな」と素直に思えたし、やっぱ自分だけの目線に頼るのは危ないってことに気づかされました。日本ではディレクターさんが「布袋さん、ちょっとギターソロ長いからカットしましょう」ってなかなか言いづらいものね(笑)。キャリアって時に邪魔ですね。

 日本では布袋寅泰って人がデカすぎちゃう。でもこっちの人たちのいいところは、年齢とか、先輩後輩とか年功序列とか一切ないよね? 僕も実は布袋さんより2歳か3歳か年上だけど、偉そうにしたことないしね? めちゃ布袋寅泰のこと尊敬しているもんね(笑)。

布袋 いやぁ、先輩! そんなぁ(笑)。

スタッフ一同 大爆笑。

布袋 ほんと、こちらでインタビューを受けたりすると「50歳からの挑戦」とか、「ジャパニーズギタリストだ」とか、そういう部分を強調したりすると、むしろ、そういうこと言わない方がいいですよって言われますね。そういった意味では本当に楽です。

 渡英後の心境の変化とか、精神的な変化ってありますか? ここから少し家族のことなんかも訊きたいな。まず、自分自身がこの5年間で一番変わったとこってどこですか?

布袋 辛抱強くなりましたね(笑)。自分らしく戻れたかな。自分に戻れた感じがする。

 BOØWYを背負っていたり、ギタリスト布袋寅泰を背負ってたり、ある意味大変だったんだろうね。それだけ影響力があるから。

布袋 自分が何を背負っているのかわからないけど。今まで自分で作ってきた道を誇らしく思っているし、多くの人々やチャンスとの巡り合いと共に重ねた月日を否定するつもりはない。ただ、なんかこう、そのスピード感なのかなぁ、ちょっと自分を見失ってた時期もあるかな。

 今、日々は、どんな日常? 朝、子供を学校に送ったりとか?

布袋 そうね。朝起きて・・・。

 まさか、辻仁成みたいに、お弁当なんか作ったりしてないよね(笑)?

布袋 はい、やってましたよ。料理も得意です。

  ええええ? 意外! しかし、逆にめちゃ親近感(笑)!

布袋 盛り付け上手です(笑)!

 盛り付け上手! 素晴らしい。そういう家族との密な時間を持ちながら、どこでミュージシャンとしての切り分けをしてるんですか?

布袋 仕事場を借りてる。本当にちっちゃい10畳ぐらいのスタジオだけど、そこがあることで自分を切り替えられるね。でも、誰かが待っているわけじゃないから孤独ですよ(笑)。扉の鍵を開けて、PCの電源を入れて、楽器の電源を入れて、ギターのチューニングをして、必要であればギターの弦を替えて、メールチェックをしながらソフトウェアを立ち上げて、自分のミュージシャンとしての電源も入れる。大切な場所ですね。

 スタジオには1日何時間くらい籠るの?

布袋 長い時は夢中になって、11時から入って、気づいたら夜の23時とか。こっちは東京みたいに深夜までレストラン開いてたり、24時間営業のコンビニなんてないから、ふと気づくと夕食を食べる機会を失って唯一遅くまでやってるガソリンスタンドでサンドイッチ買って夕食にしたり。日本もなかなか一人でフラッとラーメン屋さんに行ったりできないですけどね。目立つんですよ、なんだか(笑)。ロンドンではバスや地下鉄に乗って、自由に動けるのは楽しい。
 

ザ・インタビュー 「布袋寅泰の新たなる挑戦、家族と生きる道」

 公共交通機関を使うことも多くなったんですね。

布袋 そうですね。オイスターカード毎日使ってます!

 カード持ってる布袋寅泰って(笑)。BOØWYが国民的バンドになってから今日まで、普通の日常を掴めなかったわけでしょうけど、こっちに居ると奥さんもそうだけど、日常を周囲を気にせず生きられるってことはない?

布袋 うん。だから、取り戻してるのかも知れないね、そういう当たり前のことを。自分に戻れてる感じです。今までが当たり前ではなかったかというと、それはそれで、自分の目指したものだから否定はしないけど。

 でも、一度ロック界に君臨してしまった自分を1回バラして、もう1回ユーロツアー、バスツアーからやろうって思うことって実際できない。すごいよ。言葉にするとなんか簡単かもしれないけど、なかなかできることじゃない。

布袋 もし否定的に捉えられたとしたら、「じゃあお前やってみろよっ」て言いたくなるけど、それを言っちゃおしまいですね(笑)。

 ところで家でもギター弾くの?

布袋 僕は自慢じゃないけど自宅でギターを弾かないんですよ(笑)。ずっと家にギターを置かない主義だった。いつも弾いているより、少しギターとの距離をとって、抱いた瞬間のインスピレーションを大切にしたいタイプなのね。最近さすがにマズイなと思って自分の部屋に何本か持ってきたけど。娘には「お父さん本当にギタリストなの?」って不思議に思われていたかもね。家で弾いてるところ見たことないんだから。でも最近はライブにもよく来てくれるし、僕が雨の中ソフトケースを背中に担いで、バスや地下鉄でスタジオに出かける姿をずっと見てくれてるので、「パパの世界へのチャレンジ」というイギリスへの移住への理由に対し、「パパは口だけじゃなくてよく頑張ってんなー!」と思ってくれてると思いますよ。

 『STRANGERS』娘さんの反応は?

布袋 意外とコマーシャルじゃない曲が好きみたいです。嬉しいよね、そういう反応。ひょっとしたら作り手が勝手に聴く側の反応を決めて思い込んじゃってることってあるんだろうね。

 昔は、メジャーとはこうだ、ヒット曲のコード進行はこうだ、とか思っていたけど、今の時代はないよね、そういうヒットの黄金律。何がヒットするか、本当にわからない。時代が生んでる印象。

布袋 だから先ほども言った東京にいてこのままじゃダメだって言ったスランプって、ひょっとしたらそんなことなのかもしれない。自分が自分に縛られちゃってるってことに気づいたっていうか。やはりこのままだとずっとこれしか作れないんじゃないかって。

 ずっとルーティーンの中で生きていかなきゃいけないっていう。でも、それは昔ながらのファンの方々こそ一番理解されていますね。

布袋 音の出方がシャープで、ビートもタイトで、聴けば血が沸き立つような音楽、それが僕のスタイルだしね。ディープな音楽ファンであろうが、普段はあまり音楽を聴かない野郎たちであろうが、ライブで僕の音を聴いた時の「布袋の音って気持ちいいんだよ!」という開放感に理由はいらない、とね。でも、その僕の音の中にいろんな表現が詰まっていることも、彼らはきっと感じ取ってくれていると思う。

 ユーロツアー、まもなく始まりますね。楽しみだなぁ。

布袋 チャンスを見つけて、そのチャンスを掴まないとダメですよね。待っててもダメ。体は1つしかないけど自分に集中して、音楽作りもライブ活動もしていきたい。ユーロツアーの会場はキャパ200〜300くらい。ユーロ圏はできれば年に1度のペースで続けていきたいね。パリは残念ながら今回は入れられなかった。ユーロツアーの後はZuccheroに誘われてヴェローナのアレーナ・ディ・ヴェローナという歴史的な円形コロシアムにゲスト出演します。先日はイタリアで視聴率70%とも言われるサンレモ音楽祭にも招かれて演奏しました。彼のお陰で僕のことを知ってくれた人も多いと思います。そしてその後はアジアツアー。初めての台湾と香港での公演です。アジア諸国は近くて遠いですよね、日本にいても。やりたくてもやれなかったことを少しずつ叶えていきたい。そんなことやってるとあっという間に今年も半分終わっちゃう。作品も集中していいもの作りたいし。とにかく時間がないんですよ!
 

ザ・インタビュー 「布袋寅泰の新たなる挑戦、家族と生きる道」

 ユーロツアーも満席になったってまだ赤字だね。

布袋 まだね。とにかく、切り詰めるとこ切り詰めながらやるしかない。

 いいなぁ。布袋寅泰から「切り詰める」って言葉がきけて。あ、今、バンドはドラム、ベース、ギターの3ピースなんですか? 今回のユーロツアーはどんなメンバー?

布袋 前回はイギリスのドラムとベースの3ピースだったけど。今回は前後のツアーがあるので、アメリカから元デヴィッド・ボウイ・バンドのドラマーのザッカリー・アルフォードと、『STRANGERS』のプロデューサーの一人であるもNOKOというベーシストと、そして日本から奥野真哉くんというキーボードが参加する4人編成です。打ち込みをなるべく使わず、生々しいバンドサウンドを聴かせたい。僕のセッテイングもミニマルなセットアップの中でどれだけ自分の音が出せるかってこと、新しいシステム導入して、毎日マニュアルとにらめっこしながらスタジオで音作りしてます。こう見えて機械が苦手で(笑)。もう、大変!

 アメリカや日本からメンバーが集まるってことは、練習も大変だね。

布袋 リハはロンドンで3日間。彼らも大変だよ! ロンドンに着いて翌日からリハーサル3日やって、すぐツアーに出る。時差もキツイしね。でも、こっちのアーティストでもみんなそうですよね。僕はこんなに小さなクラブで演る機会もなかなかないので、楽しみだし、ちょっと緊張しています。お客さんが目の前だからちょっと照れ臭いし(笑)。大変だけど楽しいですよ!

 どんなツアーになるんだろう!!!

布袋 とにかく皆さんに楽しんでもらえることが一番大切だと思っています。一瞬一瞬を観客と一緒にクリエイトするのがライブの醍醐味だし、これだけ近い距離感でどんなライブを作れるか、考えただけでワクワクする。昨年の初めてのLAライブには日本人の方がたくさん見に来てくれました。半分以上日本人だったかな。スタッフが観客の様子を見て嬉しそうに言っていたけど、終演後、外国人のオーディエンスに対して日本人がとても誇らしそうな顔をしていたって。「見たか? 日本にもこんなスゲエ奴がいるんだぜ!」って感じで。日本人ミュージシャンが海外でライブやって、音が届かずに終わってしまうパターンって結構あると思う。こっちの人の音って無骨だけどすごくハートがあるじゃないですか。日本人はテクニックやルックスを武器にしても、音の太さで勝てない。同じ日本人として誇らしく思ってほしいよね。いい音出してる、って。ライブを見てくれれば必ず伝わるという自信があるんだ。

 デビューしたての頃の観客を10人から20人にしたいという気持ちが今あるということですね。

布袋 僕は世界では無名だけど映画『Kill Bill』のテーマ「Battle without honor or humanity」は誰もが必ず耳にしたことのある曲だと思う。先日もスーパーボウルの決勝やグラミー賞授賞式のエンディグでも使われたしね。だけどあの曲を海外のフェスやライブでプレイすると、それを見た外国人の観客が終演後「Kill Billのカバーが一番良かったですよ!」ってよく言われる(笑)。最近はやる前に「これから世界最高のKill Billのカバーを演ります!」って自分から言っちゃう(笑)。

 それは悔しいですか?

布袋 いや、こんなありがたいことはないと思っています。アーティスト活動を一生続けても手に入らないかも知れないじゃない? 切り札って。そういう意味では、金の名刺は持ってる。だけど、金の名刺だけじゃ人は集まらないけどね。

 でもそれがあるとないとじゃ大きな違いだよね。あの、イギリスではライブあるんですか?

布袋 今年の年末にどうにか入れたいな。しかし次のワールドワイドのアルバムのリリースは全く目処がたってないですからね。

 いいなぁ。そういう予定調和のない活動こそ、ロックだ。予定が全く決まってないというのがかっこいい。

布袋 日本はなんでも締め切りから決めますからね。

 締め切りのない生活がロンドンにあったんですね? なんだろう、僕が若い頃に原宿のアパートで会った、あの布袋寅泰がまたここにいる感じがして嬉しいな。今度またパリでやってくださいよ!

布袋 うん。しかし大変ですよ。チケット売るのが。

 日本だったら一瞬で売り切れるのにね?

布袋 いやいやそんなことないけど。どこでも大変だけど、この10枚単位で四苦八苦するのは初めての経験かもしれない(笑)。

 何十枚のチケット売りに真剣に挑んでいる今の布袋寅泰ってすごい素敵だよね。

布袋 でも、そんな苦労があるからこそ、来てくれる人ひとりひとりが愛おしいですよ。だから日本に帰って1万人、2万人とか大観衆の前で演れることも、本当にありがとう! っていう感謝の思いでいっぱいです。ここで人生をリセットしたからこそ気づいたことって大きい。何事も当たり前だと思っちゃいけないってね。

 それに気がつくだけでもヨーロッパツアーの意味があるだろうし、ここでまた出会った人たちが次へと繋がっていく感じがしますね。

布袋 うん、そうだね。そう信じています。

Photography by Takeshi Miyamoto

 

【布袋寅泰 ユーロツアースケジュール】

11th April 2017 Euro Tour: Frankfurt, Zoom
12th April 2017 Euro Tour: Cologne, Clubbahnof Ehrenfeld
14th April 2017 Euro Tour: Amsterdam, Paradiso
15th April 2017 Euro Tour: Paaspop Festival, Netherlands
17th April 2017 Euro Tour: Hamburg, Indra Club
18th April 2017 Euro Tour: Berlin, Musik + Frieden
21st April 2017 Euro Tour: Zurich, Papiersaal
22nd April 2017 Euro Tour: Brussels, Rotonde Botanique

ザ・インタビュー 「布袋寅泰の新たなる挑戦、家族と生きる道」

<ユーロツアー2016>

posted by 辻 仁成