JINSEI STORIES
滞仏日記「まもなく日本へ、さて、お土産どうする? 喜ばれるお土産ベスト3」 Posted on 2022/10/15 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、不意に、日本行きが近づいてきた。
というか、週明けにはまたいつのまにやら日本にいる。
まだ、なーんにも準備が終わってない。もってく服とか、どうする気?
今回は映画の最終撮影と仕上げのための日本滞在となる。
コロナ禍で中断していた映画がこれでやっと終わる、と思うとホッとするじゃないの~。
いや、まだわかない。構想から今日までいったい何年かかったというのだ!!! 6,7年???
この映画は一生完成しないのじゃないか、と思うこともある。それに、10月だから、台風とぶつかる可能性も。とにかく、完成するまで安心はできないのだ。
いや、待て。
その前に、ニューアルバムの歌入れを終わらせないとならない。
気管支炎明けだけど、喉の調子はすこぶるいい。
今日も、プロデューサーのロブソンに褒められた。
あと4曲だ、がんばろう!!!
さて、そんな父ちゃんが今、もっとも悩んでいるのが、日本に持っていくべき、お土産であーる。
友だちは、別に皆さん、「元気で戻ってきてくれたらいいよ」と言ってくださるが、・・・。
最低でも、母さんとか、お世話になっている人には何か持って行かないとならない。
毎回、このお土産、悩むのである。悩む、悩む・・・。
夏の帰国時には、映画のスタッフさんたちには、田舎で買ったサーディンのミレジメ(年代物)の缶詰めをギフトした。笑。
人数が多いので、日本では手に入らない缶詰めにした・・・。
若い子たちが多かったので、便利だった。
ちょっと年配のバンドのメンバーの皆さんにはチョコレートをさしあげた。
パリからチョコレートって、めっちゃ、当たり前だけど、喜んでもらえた。あはは。
夏は音楽、映画、出版関係の方々との仕事がてんこもりだったので、トランクが重かった。
今回は映画だけだから、ま、もう、いらないね。
でも、母さんには会いに行くから何か気の利いたものを買って届けないとならない。
あの人は甘いものが好きだから、ジャック・ジュナンのフルーツのジェリー(パット・ド・フルイ)とか、かな。
弟には、ワインオープナーを・・・。
ぼくが普段使っているやつで、そんなに高くはないけど、デザインが可愛い、オウムのカタチをしたワインの栓抜きなのである。机の上にポンと置いといても、可愛い。ま、これかな・・・。でも、あいつ、焼酎しか飲まない人間だからなぁ、あはは。
誰にいつどこで会うかわからないので、ぼくは毎回、日本行き直前にスーパーに駆け込む。え?
スーパーと、侮ることなかれ、高価じゃなくて、小さくって、持ち運びが楽な優れものがスーパーにはいっぱいあるのだ。
フランスだから、デザインも可愛いし、日本では手に入りにくいものもたくさん、実はお土産を探すのに最適なのである。
たとえば、フランスのスーパーなら、どこでだって買えるエシレバター、300円くらいだけど、日本だと3000円前後もする。
なので、エシレバターは喜ばれる。しかし、エシレバターだけじゃなく、負けないくらい美味しいバターがいっぱいあるので、バターは外せない。
「ちょっと、パリから持ってきたよ」
と言って渡すと、だいたい、笑顔になる。
長年の経験から、以下は必ず持って帰る父ちゃんセレクションになる。
1、 美味しい塩(フラー・ド・セル、トリュフ塩など)
2、 バター&チーズ(冬限定だけどね、笑)
3、 ピーモン・デスプレット(フランスの優しい唐辛子のスパイス)
この辺は、さりげなく買っとくと、ばらまくのに便利であーる。
逆に、日本からフランスに戻る時は、トランクが全国津々浦々の和食材でいっぱいになる。
日本出張の目的の一つに、美味しい和食材探しがある。
(※食材は持ち込めないものが増えているので飛行機に乗る前に調べましょう)
ということで、明日あたりはお土産を買いに、大手スーパーなどをはしごする予定の父ちゃんなのであった。えへへ。
つづく。
今日も読んでくだり、ありがとうございます。
三四郎のおやつは、ちょっと真剣に探そうかなと思っています。それから、塩昆布とか、和だしとか、日常用品とかですね。なんでもいいというのではなく、いつも、こだわって探すので、それも楽しいのです。あ、梅干しは必需品やね・・・えへへ。