JINSEI STORIES

滞仏日記「マンツーマンで小説を教えている、父ちゃん先生の個人レッスン」 Posted on 2022/12/14   

某月某日、午後、NHK・BSの「パリごはん」秋冬編の撮影をした。まだ、この番組、続いているのであーる。謎だぁ。
クリスマスから年末年始にかけてのパリの風物詩などをちょこちょこっと撮影しないとならない。
今日は冬晴れだったから、左岸からサンルイ島あたりまで、撮影のIさん(長谷っちではない。彼は事務作業中)とカメラをぶん回しながら、歩いたのだった。あはは。
さんちゃん、落ち葉の中、パリパリ言わせながら、(パリだけに)、落ち葉を踏んづけ、喜んでいた。かわいいねー。
9月から撮影しているのだけど、東京最後の夜に、おなじみディレクターの義和氏から「まだ半分も撮影出来ていませんよ。パリに戻ったらもうひと踏ん張りしてくださいね」とダメだしをくらっていた。
チキンのシャンピニオン炒め、タルティーヤ風卵焼き、タルティフレット、三四郎の誕生日ケーキ、レコーディング、地元の仲間たちとの送別会、パリの引っ越し、などなど、結構撮影したんだけどなぁ・・・。
この後、修理中の新居のキッチンが直ったら、もう一品は作る予定だけど、それで許しては貰えないでしょうか、義和お代官さまぁ。あはは。おでん好きな義和のために、パリ風おでん、とかどうでしょう???
ああ、それにしても、パリがもっとも美しい季節になったのであった。

滞仏日記「マンツーマンで小説を教えている、父ちゃん先生の個人レッスン」

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すると、三四郎が一軒の土産物屋の中へと入っていった。
おいおいおい、とリードをひっぱった父ちゃんの目に、超カラフルな「エッフェル塔」のキーホルダーが、とまったのであったぁ・・・。
「おお、可愛い」
Iさんが、これ、地球カレッジでプレゼントしたらどうですか、と言い出して、目からうろこ・・・。(Iさん、地球カレッジでもカメラ担当)お、それは、思いつかなかった。
「間に合うかね」
「辻さん、まだ、一週間ちょっとあるから速達で送れば間に合いますよ」
「そうかぁ、でも、申し訳ないけど、全員には無理だから、抽選になるね」
「クイズとかやったら、盛り上がると思いますけど」
ということで、20個、カラフルなエッフェル塔をゲット~。
なんか、ブランドのバッグにつけたら、おしゃれ、かもしれないなぁ、え???、えへへ。いや、マジ、イイと思う。こういうキーホルダーなんだもの!!!

滞仏日記「マンツーマンで小説を教えている、父ちゃん先生の個人レッスン」

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パリの街はどこもかしこもクリスマスムード満点。
まるでぼくの歌の「シティライツ」みたいな綺麗な世界が広がっている。
歩きの撮影&実景撮影が終わったので、ぼくはIさんと別れ、ぼくと三四郎は次の目的地へと向かったのであった。
長谷川さん以外に、小説を指導している人がいて、家庭教師みたいにカフェで落ち合い、小説の個人レッスンをしている。
(長谷っちが、ちょっとライバル意識をしている人物)Fさんは40代の奥さんだけれど、どうしても小説家になりたい、新人賞を突破したい、という高めの目標がある。
DSで時々記事を書いてくださっている関係で、出来る範囲で指導をすることになった。あはは。
長谷っちは弟子志望だけど、Fさんはそういうのじゃなく、今すぐプロになりたい人。作品をいくつか読んだけれど、惜しいなぁ、と思うところもあり、一肌脱ぐことにした。それに、父ちゃん、子育ても終わり、ある意味、暇だからねぇ・・・。
「たとえば、そういう構造じゃなくて、いきなり冒頭にね、最後に予定しているこの結末の大事件からはじまったらどうです? 構造を逆転させる?」
「あ、面白いです」
「そうなると、読者への掴みが強くなりますし、最初の衝撃から、創作側も予定調和に陥らないで、書くことに広がりを持つことが出来るでしょ?」
こういう話を小一時間して、ぼくらは別れたのだった。日本語に飢えているというので、ぼくの文庫本を二冊、貸してあげて・・・。あはは。

滞仏日記「マンツーマンで小説を教えている、父ちゃん先生の個人レッスン」



事務所に戻ると、長谷っちが、領収書の整理をやっていた。最近は、なんでもやってくれるのでありがたい。
「あ、先生、お帰りなさい。どうでした?」
「ああ。いい実景が撮れたんじゃないかな?」
「いえ、それじゃなく、Fさんの方ですよ」
「え? ああ、うん。新作に着手されていて、内容に関して細かく、アドバイスしておいた」
長谷っち、顔が曇ったぁ・・・・。あちゃ、ライバル意識であろうか。
「先生、ぼくも書いているので、読んで貰えますよね?」
こわ、
「もちろんだよ、君。読まさせてもらいますよ、長谷っちだもの」
「先生、ぼくにもアドバイスください」
こわ、
「もちろんだよ。長谷川さん、頑張ってください。あのね、こればっかりは、作品次第なんだから、他人と比べちゃだめ、マイペースで楽しんで書くのが一番なんですよ。長谷っちには長谷っちの速度があるでしょ? 大切にしましょう」
「はい・・・」
暗っ、
とりあえず、長谷川さんを励まし、送り出した父ちゃんであった。
ぼくは、帰りに買ったマグロを漬けにした。今夜は、マグロ定食にします。

滞仏日記「マンツーマンで小説を教えている、父ちゃん先生の個人レッスン」



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つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
小説はね、本当に人によってその幅が違うので、教え方が難しいのです。長谷川さんには長谷川さんの良さがあるし、FさんにはFさんの良さがあるので、比較できない~。新人賞を目指すのはいいことだけど、長く書き続けることのできる作家を目指してほしい。長谷っち、君は、ぜひ、無理しないで、マイペースで書いてね、ファイト。
さて、その地球カレッジのオンライン散歩は22日です。本当におもいつきでエッフェル塔のカラフルキーホルダー買ったのはいいけど、大したものじゃなくて、ごめんなさい。地球カレッジ運営の山下さん、天野さんも何か出してね・・・。あはは。ぼくの街の近所をただブラタモリならぬブラツジする、パリの冬の散歩道オンライン・ツアー、ご興味ある皆さん、下の地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。晴れるといいけど、雨天でも、結構。けっこう毛だらけ猫はいだらけ、はい・・・。

地球カレッジ

滞仏日記「マンツーマンで小説を教えている、父ちゃん先生の個人レッスン」

父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。


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それから、パリ・オランピア劇場公演のチケット発売中でーす。
直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。

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フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、

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自分流×帝京大学