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パリ最新情報「石畳とラベンダーの村ゴルド、『世界で最も美しい村』に選ばれる」 Posted on 2023/03/21 Design Stories  

 
今年2月、南仏にある小さな村ゴルド(Gordes)が「世界一美しい村」に選ばれた。
これはアメリカの権威ある旅行誌、Travel + Leisureによって選出されたもので、「美しい世界の村23選、人気スポットから隠れた名所まで」という記事内で紹介された。
なお二位には日本の白川郷、三位には“オランダのヴェニス “と呼ばれるヒートホールン(Giethoorn)が選ばれている。
 



 
ゴルドとは、南仏プロヴァンス地方の佇まいを象徴するような村である。
またゴルドは丘の上にあり、南仏にいくつか存在する“鷲の巣村”としても有名だ。
丘の頂上へと向かう道には石畳の小道や教会、修道院、可愛らしいビストロなどが存在しており、眼下にはラベンダー畑も広がっている。
 

パリ最新情報「石畳とラベンダーの村ゴルド、『世界で最も美しい村』に選ばれる」

※1148年に創設された「セナンク修道院」のラベンダー畑。修道院ではラベンダー栽培も収益のひとつになっている。

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ゴルドは以前から「生涯に一度は行くべき場所」として、フランス国内でもよく紹介されていた。
実際にこの村は「フランスで最も美しい村」に指定されており、夏の間は多くの観光客が国内外から訪れていた。
ちなみにフランスで最も美しい村とは、フランスのコレーズ県で設立された協会による選出で、人口が2000人を超えないこと、遺産・遺跡を保護する政策が現地で行われていること、自治体内で同意が得られていること、が審査基準の3本柱となっている。

ゴルドの歴史も大変古い。
中世においてはアヴィニヨンの街を守る要塞の役割を担っており、侵略や宗教戦争から逃れる人々の避難場所でもあった。
そのため1148年設立のセナンク修道院をはじめとした歴史的建造物によって、ゴルドはプロヴァンス地方で強い影響力を保っていたという。
 

パリ最新情報「石畳とラベンダーの村ゴルド、『世界で最も美しい村』に選ばれる」



 
この度、米紙Travel + Leisureはゴルドの村を「絵本の世界から飛び出してきたような村」と紹介している。
またゴルドを訪れるベストシーズンとしては、フランス国内ではラベンダーの咲く5月〜7月上旬が良いとされている。
しかし旅慣れた人の間では、「雪の積もる冬もまた絶景」とのこと。近隣都市のアヴィニヨンやマルセイユからは車でしかアクセスできないが、これも“フランスで最も美しい村”に認定される場所の特徴となっている。

崖にへばりつくように広がる建造物は、遠くから見るとまるで宙に浮いているように見える。
こうした街並みは「鷲の巣村」という別名で呼ばれており、南仏や地中海沿岸特有の地形となっている。
これらは自然にできたわけではなく、住民たちが長い時間をかけ、住めるように石を削ってできたものだという。
丘の上には城や教会、修道院があるのが特徴で、オリーブの木やレモンの木といった緑の風景とも共存している。
このようにフランスの人々が大切に思うゴルドの村。
今回の結果には地元自治体も大変に喜んだようだ。(オ)
 

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