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パリ最新情報「うまい、安い、早い、パリの大衆食堂がインフレで盛況に!」 Posted on 2023/05/20 Design Stories  

 
止まらない物価高で、外食や惣菜が贅沢なものになってしまったフランス。
節約のために自炊を…と思っても、毎食作り続けていればちょっと疲れてしまう。
とはいえ、パリのレストランは高い。
特にディナーは、お洒落な所に足を伸ばそうものなら一度で10日分の食費になるのでは、と思うほどだ。

しかしパリには、「インフレの救済策」となるレストランがある。
ブイヨン(Bouillon)と呼ばれる大衆食堂だ。
野菜や肉を使った出汁のことをフランス語で「ブイヨン」と言うが、もう一つ、ブイヨンには「大衆食堂」という意味がある。
美味しくて安くてお腹いっぱいになるブイヨンは、1860年頃のパリ・シャトレ地区でスタートした。
 

パリ最新情報「うまい、安い、早い、パリの大衆食堂がインフレで盛況に!」

※現在のパリ、シャトレ地区。ブイヨンに並ぶ長蛇の列。



 
この辺りには昔、大きな食市場があった。
そこである肉屋が、余った肉を使った出汁のスープと、肉料理だけを低価格で供する食堂に「ブイヨン」という店名をつけた。
これが当時のパリで大当たりする。
似たような食堂がどんどん増え、1900年頃にはパリに約200軒の大衆食堂があったという。
(この頃から大衆食堂のことを総じてブイヨンと呼ぶようになった)
その後は時代の流れで廃れていったブイヨンだが、2017年頃から徐々に息を吹き返す。
そして昨年からの急激なインフレが、ブイヨン人気を不動のものにした。
 

パリ最新情報「うまい、安い、早い、パリの大衆食堂がインフレで盛況に!」

※エスカルゴ、ウフ・マヨなど、王道フレンチの前菜が並ぶブイヨン。
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パリ9区にある「ブイヨン・シャルティエ」は、前時代からたった一つ生き残ったブイヨンだ。
毎日とてつもない行列で、ランチ時にもなれば100メートル、時には200メートルの列ができる。
それもそのはず、前菜の野菜スープはなんと1ユーロ(5月19日現在で149円)。
他の前菜メニューもほとんどが5ユーロ以下といった驚き価格だ。
※エスカルゴだけは例外。
 

地球カレッジ



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メインもまたフランス料理の代表格が並んでいる。
鴨のコンフィ、ステーキ&フリット、牛肉のタルタルなど、肉屋から派生したブイヨンの伝統を守るメニューが多い。
メインでも価格は7ユーロ(約1040円)〜と、パリにしては破格の値段である。
しかしブイヨンの価格帯は昔からほとんど変わっていない。
通常、肉類を長時間煮込むのは時間もかかるし、コストもかかる。
ブイヨンではこれを大量に行うことで、コストダウンが可能になったのだそうだ。
 



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※デザートは50ソンチーム(約75円)から。
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パリを歩いていて、凄い行列だな、と思って見ると、だいたいそこはブイヨンである。
近年では10件以上の大型ブイヨンが新規オープンを果たしていて、今後はさらに増える予定もあるそうだ。
またフランス料理界の巨匠、ティエリー・マルクス氏もブイヨンを来年にオープン予定なのだという。
 

パリ最新情報「うまい、安い、早い、パリの大衆食堂がインフレで盛況に!」

※モンマルトル地区、ピガールにあるブイヨン。こちらでは1日平均1,500食が提供されるという。



 
内装も「手つかず」といったレトロな雰囲気で、混んでいれば相席になることも。
しかし価格の安さは何にも代えがたい。
パリジャン・パリジェンヌはもちろん、旅行者も、「気軽なフレンチ」を食べようと、ブイヨンに吸い込まれるように集まっている。
なお、ブイヨンで扱うのはフレンチに限定しており、多国籍料理や創作料理は含まれないということだ。(大)
 

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