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パリ最新情報「買うより、つくる。パリの女性に広がる手作りブーム」 Posted on 2025/05/08 Design Stories  

 
家のリノベーションを自分でこなし、ちょっとした家具ならサッと手作りしてしまう。フランスの人々は、そんな「DIY」が本当に上手い。リノベーションに限らず、ハンドメイドのものづくり自体を趣味とする人も、大勢いるイメージだ。

近年のパリでは、こうしたものづくりのワークショップがあちこちで開かれている。刺繍や陶芸は以前から人気のある定番だったが、先日はカフェのテラスで“編みもの教室”が開かれている光景を目にして、そんな様子も今ではすっかり生活の一部になりつつあるのだと感じた。
 

パリ最新情報「買うより、つくる。パリの女性に広がる手作りブーム」

 
そしてもう一つ、パリの女性たちがとても楽しげに取り組んでいるものがある。ハンドメイドで1からつくる、自分だけのオリジナルアクセサリーだ。たとえば、パリのマレ地区(4区)あたりを歩いていると、女性たちが列をなして待っている小さなショップを見かけることがある。
 



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※アクセサリーパーツ専門店「The Perlerie 22」

 
そこはビーズやチャーム、チェーンなど、アクセサリー作りに必要なパーツを扱う専門店。手作りアクセサリーの文化自体は決して目新しいものではないが、近年ではその人気がさらに高まりつつあるという。ちょうど今の時期は、フランスで母の日(5月の最終日曜日)が近づいていることもあり、プレゼントとして手作りアクセサリーを贈る人も多いそうだ。
 

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※パーツの数々

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小さなパーツがびっしりと立ち並ぶ店内。選ぶ女性たちの表情は真剣そのもので、普段のショップではあまり感じられないような、ものづくり特有の熱気が感じられた。
手作りアクセサリーは素材を選び、デザインを考え、ひとつひとつ形にしていく過程で意識が“今この瞬間”に集中するような没入感を抱く。パーツを組み立てていれば、不思議とリラックスした気持ちにもなる。それがまた、忙しいパリの女性たちを惹きつけている理由なのかもしれない。
 

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※パリらしいチャームも発見



 
実際に、周囲でも何らかの「手作りワークショップ」に通う女性は多い。内容はさまざまだが、現在ではアイテムを扱う専門店だけでなく、ワークショップを開催するアトリエ兼カフェ・ブティックのような複合型の空間も、パリのあちこちで増えてきた。

背景にあるのは、“対面で手を動かす時間”の価値が見直されていること、なのだそう。たしかに一時期はオンラインレッスンが主流だったが、今では人々が再びアトリエに足を運ぶようになっている。友人同士や母娘、カップルで訪れる人も多く、パリではちょっとしたブームとして広がりを見せている。
 

パリ最新情報「買うより、つくる。パリの女性に広がる手作りブーム」



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刺繍、編みものといった手芸から、手作りアクセサリー、手作りキャンドル、さらにはお菓子作りまで。今のパリではジャンルを超え、手を動かすことが女性たちの日常の楽しみになっている。今回のアクセサリー作りもその一つで、新品の素材だけでなく、アップサイクルアクセサリーの人気も高まっているという。(オ)
 

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