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パリ最新情報「ふらりと立ち寄る季節の店。パリで増えるポップアップストアの風景」 Posted on 2025/05/13 Design Stories  

 
特定の場所に、期間限定でオープンする「ポップアップストア」。ここ数年、そんなショップがパリの街かどに次々と姿を現し、たくさんの人で賑わっている。
ジャンルは、ファッションからコスメ、スキンケア、スイーツ、雑貨やお花にいたるまで本当にさまざま。日本でも数多く展開されるポップアップストアだが、パリでは“カフェ”や“アトリエ”が一緒になっていることも多く、「一緒に参加して楽しむ」スタイルが広がっている。
 

パリ最新情報「ふらりと立ち寄る季節の店。パリで増えるポップアップストアの風景」



 
たとえば5月現在では、発酵ドリンク「コンブチャ」や、シャンパン、レバノン風アイスクリームなど、個性豊かなポップアップストアが各所で開催されている。各ショップのデザインもインテリアも素敵なセンスであふれていて、通りがかりに覗いてみるだけでも楽しい。
ファッションブランド・コスメブランドが出店する場合でも、期間限定でカフェを併設していたりと、「この時期だけ」のユニークな経験が味わえたりする。
 

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※パリのデパート「BHV」で開催されているコンブチャのポップアップストア

 
さらに2025年5月は、ギンガムチェックのパッケージで有名なフランスのお菓子ブランド、「ボンヌママン」がポップアップで登場。開催期間は5月3日からフランスの母の日(今年は5月25日)までとのことで、やはり、母の日に合わせた特別な出店だったようだ。
 

パリ最新情報「ふらりと立ち寄る季節の店。パリで増えるポップアップストアの風景」

※パリ3区に現れた「ボンヌママン」のポップアップストア



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このように、季節に合わせた出店が多いパリのポップアップストア。クリスマスやバレンタインデー時期になれば、それぞれのイベントがさらに充実したりもする。とくにクリスマスはポップアップがもっとも盛り上がるシーズンで、最近はプレゼントをこうしたショップで選ぶ人も多いのだとか。
変わり種の例では、コインランドリーが会場になったアイスクリームのポップアップや、ワインとフランス各地のブドウ畑を巡る“VR体験”が楽しめるポップアップなども登場したことがある。
 

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※「ボンヌママン」のアトリエスペース



 
今回のボンヌママンではジャム作りのアトリエが用意されていて、“参加型”というスタイルがとくに印象的だった。お店と訪れる人との距離も、通常のショップより心なしか近い。内装デザインはスッキリとしながらも、人の集まりはにぎやかで、今のパリの空気感やトレンドをそのまま映しているように感じた。
 

パリ最新情報「ふらりと立ち寄る季節の店。パリで増えるポップアップストアの風景」

 
パリのポップアップストアはこうして、商品が置かれているだけでなく、イベントやアトリエに参加している人々を本当に多く見かける。数年前からは毎月どこかで3〜4カ所ほど開催されている印象で、いまやすっかりパリ・ブティックシーンの定番のような存在になった。
設置される場所としては、ほとんどがギャラリーラファイエット、ル・ボンマルシェといった大きなデパートだが、パリのマレ地区(3区)あたりでは路面店が大胆に登場することもある。
 

パリ最新情報「ふらりと立ち寄る季節の店。パリで増えるポップアップストアの風景」

 
爽やかな5月、パリにはますます人が集まり、街歩きが楽しい季節に。変化の早い時代のなかで、今だけ・ここだけの特別感が味わえるポップアップは、パリの人々にとってちょうどいい気分転換になっているようだ。(こ)
 

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