ノルマンディ、ツジ村便り
辻村相談窓口、「運気」 Posted on 2026/02/06 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
ノルマンディは今日も雨です。立春を過ぎましたが、たしかに、春は近づいているのを実感できます。
さて、窓口を開きましょうかね、今日も。
今日はこの相談コーナーを楽しみにしているという知り合いからのお悩みです。
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匿名希望Tさん
「運気とか信じますか? 辻さんだって日々、よくない日もあればいい日もあると思うんですけれど、どうやって運気をアップさせています?」
いい質問ですね。
はい、おこたえしまーす。

「運気ということばをよく使いますが、運気自体は別に普通なんですが、たとえば、季節が巡るように運気も巡って、上がったり下がったりするので、人間はふりまわされるわけです。よく使いますよね、運気が上がる、とか、運気が下がる、とか。つまり、人間が生きていく上で幸せになったり、不幸せを感じる流れのようなものを運気と呼んでいます。だから、運気ですから、人間は気を運んでいると思ってください。だけど、何かの瞬間に、ありゃ、運気が下がっとる、と思うことがありますよね。流れが悪い方に集中して流れる感じとか、ありませんか? それが「運気が下がる」という傾向を示しているわけです。逆を言えばですよ、ずっと運気をあげあげでいきましょう、というのは無理な話で、運気は、気を運んでいるのだから、ニュートラルな状態で、その中で、人間がなんとなく、幸福な気分がする、時に、運気は上がっている、ということになるわけです。
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だいたい、朝、起きた時から、この運気の流れがその日の人生に襲い掛かってきます。(夢の中ですでに、何かが起こる、ということもありますね)たとえば、ぼくは今日、朝、起きてすぐメールをみましたら、大変、がっかりするような内容のメールが2,3件入っておりましたので、午前中は、運気がぐんと下がった感じの中にありました。昨日は、何か月も連絡のなかった知り合いから、もうすっかり消えてなくなった、と諦めていたプロジェクトが、現在も前向きに進行中という連絡を受け、なんとなく、運気が上がった気持ちになったのです。ま、気を付けないとならないのは、上がりっぱなしというのはないでしょうから、次は下がる、とその時に気を付けることをぼくはしております。とりあえず、よかったじゃん、と自分を落ち着かせる感じで、昨日は一日、楽しく過ごすことが出来ました。今日は打って変わって、よくない朝の始まりでしたから、こういう時ですね、今日の質問のこたえに繋がるかと思いますが、運気が下がった気持ちになった時は、気を付けないと、もっともっと悪い気を運んで(連れて来て)しまうのが人間なので、運気を変えることは出来ませんから、気分を変えることをやるのがいいわけです。たとえば、ぼくはお風呂に入りました。なんでもいいんです。髪の毛を洗ったり、ギターを弾いたり、雨だから散歩が出来ませんでしたが、運気をアップさせられる何かをやるようにします。急に運気は上がらないんですが、気分が変われば、運気も変わります。自分が変われば出会う人も変わる、と一緒。なぜなら、その気を運んでいるのは自分だからです。今朝、入った知らせは人間関係の面倒くさいものをたくさん、運んできたので、そのメールごと、ゴミ箱に捨てちゃいました。笑。いいんですよ。そんなことで自分の大切な人生を不愉快にさせて悪い運勢にもっていかれる必要なんてあります? 他人の勝手で気分下げられているなら、自力であげたらいいわけです。お風呂に入り、ギターを弾いて、新しいキャンバスをひらいて、真っ白な画布に新しい色を落としました。午後には、運気は変化したと思います。ある種の残念は付きまといますが、自分に出来ることは限られているから、気にしたら負けです。欲を出したり、意地をはったり、すると、もっと運気が下がるので、そこを離脱することをお勧めします。そして、晴れているなら、散歩に出ましょう。気が淀んでいると思うなら、窓をいっぱい開けてください。お風呂につかって、顔でも洗ってみてください。少しずつ、気の流れを変えようと思うことが何より大事です。一生は、大きな気の流れの中に浮かぶ笹舟のようなものです。荒波が来ることもありますが、そういう人生はそれだけドラマティックなものを連れてきますから、一概に悪いとも言えません。ああ、今日はよくない日だな、と思ったら、あらゆる窓をあけて、気の流れを変えてください。深呼吸をしましょう。そして、明日もある、と自分に言い聞かせ、乗りきることです。最初に言いましたが、運気は上がり続けることも下がり続けることもありません。運気は、人間が気を運ぶ、ことなんです。だから、気は持ちようで、どうにでもなるということ。ちょっと嫌なことがあって、運気が下がったとしましょう。それは普通なんですよ。下がれば上がりますから、気分を変える努力をおすすめします。笑顔はその道具の一つです。笑顔で、さぁ、今日も乗り越えてください。えいえいおー」


ということで、運気のあがる、お知らせです。あはは。
パリにお越しの際は、3月7日まで日動画廊でグループ展に参加中です。
電子書籍「海峡の光」
パリのオランピア劇場ライブ盤、各配信サイトで配信中。
3月11日に、文庫「父ちゃんの料理教室」3月18日に、エッセイ集「キッチンとマルシェのあいだ」
8月5日から三越日本橋本店特選画廊A全面で「辻仁成展、鏡花水月」。
10月、パリ、アートフェア出展の予定
同時期、仏文学イベント、予定。決まり次第お知らせします。
11月、リヨンでの個展、予定。日本からのツアーを計画している男(しげちゃん)がいます。
同月、パリでのライブ、予定。
この頃、小説「泡」刊行予定。
他、予定多数・・・。あくまでも、予定ですが・・・。


