ノルマンディ、ツジ村便り

辻村相談窓口、「UFOとか幽霊とか」 Posted on 2026/05/13 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
なんだか、毎日のように、UFOの話題がネットでは賑わっていますが、今日は、そういう質問が一つ届いております。
さっそく、相談窓口を開店いたしましょうね。

匿名希望Wさん
「辻さんは、非現実的なものを信じていらっしゃいますよね? 昔、書かれていた第六感日記、読むのが怖かったけれど、好きでした。幽霊とか、UFOとかって、実在するのか、わかりませんが、別にどっちでもいいんですけれど、そういうものを辻さんがどういうものとして認識しているのか、知りたいな、と思い、問いかけております」

辻村相談窓口、「UFOとか幽霊とか」



おこたえしまーす。

「はい、昨日のことですが、ぼくは睡眠が浅いので、2時間置きくらいに毎晩起きるんです。それで、トイレに行って、戻ってきたら、ベッドに座っているぼくのような白い人間がいて、ちょっと\(◎o◎)/しました。でも、そういうことって、ぼくの周辺では日常茶飯事だったりしますから、怖い、というのはないんです。そりゃあ、幽霊もいるよな、といつも思っているから、そのまま、ベッドに戻り、そのぼくの残像のようなものと重なるように座り、それからほどなく寝ました。あれは、もしかしたら幽霊じゃなく、自分の抜け殻のようなものだったのかもしれません。でも、どっちでもいいんです。そこは重要じゃないし、幽霊なんか、普通だと思っています。そもそも、そういうエネルギーが近くにいるとですね、分かるんです。首筋の辺りとかに冷たい電流が走って、ぞわぞわとするから。間違いなく、自分にまとわりついている状態だって、わかりますが、相手にしないのが一番なんです。ほっとけば、たいてい消えてなくなります。亡くなる人のエネルギーの残滓がやって来ることもあるので、自分が何をその時思ったかで、その霊魂がどこから来たのかを見極めたりしています。怖い、というのがないのは、なんでか、わからないんですが、自分が生きているこの世界は仮のものだと幼い頃から思って生きてきたから、怖い、という区分けがそもそもないんですね。UFOのようなもの、未知の存在も同じで、そういうものもあってもおかしくない、と思っていますが、なぜ、世界はこれを隠すのか、というと、想像してみてください。もしも、人間という生き物を途方もない大昔、未知の生命体がこの地上にやって来て作ったとしましょう、そうだとしたら、この不完全な人間は彼らの意思の結果になってしまい、現在の戦争も、憎しみも、祈りも、神さえも、彼らが作った可能性まで出てくるわけで、そういう厄介なものを世界のリーダーたちが簡単に肯定したがらないのは、枠組みを維持するうえで、当然だろうな、と思います。これまで育まれてきた歴史や秩序が壊されるからですね。UFOの正体なんか、どうでもよくないですか・・・、ま、どちらにしても、ぼくは人間としてこの世界に生かされているので、その範囲内で、生存しているあいだ、ものごとを認識していくわけです。昔から、霊界というものを、人間界、つまり意識界と意識の外の世界とにわけて、ぼくは考えてきました。だから、現実界に霊界のようなものが重なっていてもおかしくなく、ぼくのベッドに座っている白い膜のようなぼくがそこにいて、トイレに行こうか悩んでいても、別段、不思議じゃない、と思うんです。人間関係で苦しんでいる自分から幽体離脱をして眺めるとその痛みを違う形でとらえることが出来ます。ぼくは幼い頃から、そうやって、地球生命体ごっこをやってきました。物語を生み出し、アートを想像するぼくには、ごく普通の考えだったと思います。話がそれましたが、幽霊とかUFOというキャッチ―なことばの裏に隠された真実があるということをうっすらと理解した上で、それでも、生きているぼくという人間は、その与えられた生の中で、自分を彫刻し続けるしかない「いきもの」ということ。恐れることはありませんが、扉が開かれた時に慌てないよう、心の準備をしておくのがいいかもしれません。ここで、またいつか、もう少し詳しく、お話をしましょうかね。どっこいしょ」

辻村相談窓口、「UFOとか幽霊とか」



近況のようなもの。
11月5日から、リヨン市の画廊で個展をやります。画廊はリヨンの古くからある画廊なんですが、今回は、ギャラリー48というプロデュース集団が主催する個展になるので、詳しい住所などはまた、改めてお知らせしますね。
10月22日から25日までは、コンコルド広場のアートフェア、モダン・アートフェアに参加、現在、その新作にとりかかっています。ものすごい人が来るイベントなので、楽しみです。シャンゼリゼ大通りで昔やっていたんですが、コンコルド広場にうつった、のだそうです。
そして、8月5日から11日まで、三越日本橋本店、6階、特選画廊で個展です。美術館のように改装をして、入り口と出口を作り、順路に沿ってみてもらうという画廊の個展とは思えない面白い試みでやります。

辻村相談窓口、「UFOとか幽霊とか」

辻仁成 Art Gallery

辻村相談窓口、「UFOとか幽霊とか」

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