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パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」 Posted on 2026/06/21 Design Stories  

 
パリの花市場には、予定していたわけではなくとも足を止めたくなる、素朴で可愛らしい雰囲気がある。とくに、アジサイの鉢植えが綺麗に並んでいる今の季節は、色があざやかで見ているだけでも楽しい。
そんな花市場の数は、パリ市内に3つ。本日は、市が公式に運営しているというその花市場、初夏の様子をお届けしたい。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

※エリザベス2世花市場(Marché aux fleurs Reine Elizabeth II)



 
パリでもっとも有名な花市場といえば、中心部の「エリザベス2世花市場」で間違いない。場所は、ノートルダム大聖堂やサン・シャペルがあるシテ島。ノートルダム大聖堂を訪れる日とセットで、ぜひ立ち寄りたいスポットだ。

エリザベス2世花市場の誕生は1809年と、かなり古い。200周年をゆうに超えているが、2023年からは小鳥類の販売を禁止するなど、時代に沿った姿へと進化しながら続いている。※かつては毎週日曜に、インコといった小鳥たちが販売されていた。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

 
個人的にエリザベス2世花市場は、いつ何時訪れても気持ちが上がる場所。朝8時からオープンしているので、午前中の早い時間に訪れると、早朝の爽やかな匂いと花々の香りが相まって、スッキリとした気分になる。
パリを象徴するカラーである、深緑色の建物も素晴らしい。花と植物と一体化していて、周囲の景観にもすっかり溶け込んでいる。パリのベンチや街灯と同じ、あの深緑のカラーだ。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」



 
軒先では、少し前まではバラやピオニーが中心だったが、6月現在ではアジサイとハイビスカスの姿が大変多く見られるようになった。
また、同じ敷地内に置かれている雑貨も見逃せない。そこには花器や石けん、香水などがたくさん並んでいて、センスの良いアイテムに目移りしてしまう。※ほか、立派な蘭の売り場にもご注目!
こうしてエリザベス2世花市場では、パリ中心部にいるのが嘘のように、静かで穏やかな時間が流れている。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

 
【エリザベス2世花市場(Marché aux fleurs Reine Elizabeth II)】
営業:月曜~土曜、8時~19時30分(日曜定休)
住所:Place Louis Lépine, All. Célestin Hennion, 75004 Paris
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

 
もう一つ、パリ8区にあるマドレーヌ広場にも、花市場が存在するのをご存じだろうか。マドレーヌ寺院に向かって右隣にあるこの市場は、エリザベス2世花市場に比べて規模は小さめ。とはいえ歴史は古く、1872年にはすでに「マドレーヌ花市場(Marché aux fleurs de la Madeleine)」という名前で知られていたことが分かっている。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

※マドレーヌ花市場(Marché aux fleurs de la Madeleine)

 
現在開いている店舗は少なく、私が訪れた日は2店舗のみだった。ただ、「マドレーヌ寺院の隣」という立地条件は大きな強みなのだとか。教会へ献花する人や、花束・鉢植えの贈り物として求める人の需要があるという。周辺には高級ブティックやレストランが集まっているため、ギフトやレセプションパーティ用の花としての需要があるそうだ。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

 
そのためマドレーヌ花市場では、鉢植えよりもブーケ・切り花が目立つように感じられた。ブーケの中では、「長く楽しめる花」「サステナブルなブーケ」 として、ドライフラワーがトレンドなのだそう。たしかに、ここ数年のパリでは花屋以外でも、インテリアショップや雑貨店でドライフラワーを見かける機会がとても増えている。

【マドレーヌ花市場(Marché aux fleurs de la Madeleine)】
営業:月曜~土曜、9時~20時30分(日曜定休)
住所:Pl. de la Madeleine, 75008 Paris
 



パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

※テルヌの花市場(Marché aux fleurs Ternes)

 
最後にご紹介するのは、3つの中でもっとも存在がひっそりしている「テルヌの花市場(Marché aux fleurs Ternes)」。こちらは他の2つにあるような歴史資料が、非常に乏しいのだとか。創設の経緯など、その歩みには不明な点も多いという。
ちなみにテルヌの花市場は、凱旋門近くにあるテルヌ広場の中央分離帯(terre-plein)に位置している。ひっそりと存在しているものの、花市場に共通するあの緑色の小屋がトレードマークになっている。
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

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※ここでもドライフラワーのブーケが見られた

 
実はここは、かつてテルヌ村という小さな村があった場所だ。18世紀末まではパリ郊外という扱いで、市境の税関が置かれるなど、パリ市の玄関口のひとつだった。結果、人々が集まる広場に花屋も出店するようになり、現在に至ると考えられている。
周辺にはアパルトマンが広がっているため、3つの中ではいちばん暮らしに溶け込んだ花市場、といえるかもしれない。

【テルヌの花市場(Marché aux fleurs Ternes)】
営業:火曜~日曜、10時~20時(月曜定休)
住所:8 Pl. des Ternes, 75017 Paris
 

パリ・カルチャー情報「パリ市公式の花市場へ。街かどに受け継がれる花文化 」

 
このように歴史が古く、印象的な“緑の小屋”がトレードマークになっているパリの花市場。街の花屋とは少し違い、歴史的建造物ちかくにあるという共通点も特徴的だ。
教会のそば、歴史的な広場……と、数々のドラマを目の当たりにしてきたパリの花市場だが、現在ではそこに住む人々の暮らしに“癒し”をもたらす存在となっている。(こ)
 

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