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パリ最新情報「フレンチの重鎮アラン・デュカス、パリにバーガーショップをオープン!」 Posted on 2022/04/15 Design Stories  

アラン・デュカスといえば、おそらく世界で最も有名なフランス料理の現役シェフだ。
世界中に20以上あるレストランのトップであり、パリ、モナコ、ロンドンでミシュランの三ツ星を獲得している。
その活動はシェフだけにとどまらず、料理本の出版、料理学校、ショコラティエ、アイスクリーム店の経営と、絶えず食の世界をリードする。

グルメ好きにいつも夢を与えてくれるデュカス氏だが、最近もまたびっくりするような話題をここパリにもたらした。
4月8日、パリ11区のバスティーユ広場にハンバーガーショップ「Burgal(ビュルガル)」をオープンさせたのである。

パリ最新情報「フレンチの重鎮アラン・デュカス、パリにバーガーショップをオープン!」



驚くのは、それがキオスクという形態をとっていること。
座席もなければ、アラン・デュカスのネームバリューもない。バスティーユ広場に堂々とショップを構えてはいるものの、本当にキオスクなのでうっかりしていると通り過ぎてしまう。

ところが、Burgalはそれが狙いのようだ。
テーマは、「内面美容」。100%ヴィーガンのハンバーガーを提供し、サイドメニューやデザートも身体と地球に優しい食材を用いている。

パリ最新情報「フレンチの重鎮アラン・デュカス、パリにバーガーショップをオープン!」

※サイドメニューはポテトの代わりに野菜チップスを。

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パリ最新情報「フレンチの重鎮アラン・デュカス、パリにバーガーショップをオープン!」

環境問題にも熱心に取り組んでいるデュカス氏は、ヴィーガンをただのトレンドとしては捉えていないようだ。
「資源は有限」をモットーとする同氏は、近年のパリで野菜や穀物を主役としたメニューを提案し続けている。
例えば、パリのパラスホテルの中でもひときわ格式高いプラザアテネ。
ここでは日本の精進料理にヒントを得た「肉を一切使わないメニュー」を発案し、グルメ界を驚かせた。

肉食大国のフランスにおいて、まして歴史あるパラスホテルの正真正銘のガストロノミーで、肉なしのメニューを披露するのはある種の挑戦だった。
しかしデュカス氏は、実は30年以上も前から野菜や穀物だけを使った料理を披露している。
時は経て、当時は数パーセントにすぎなかったヴィーガンメニューのオーダー率も、今では全店で3割を超えるようになった。

パリ最新情報「フレンチの重鎮アラン・デュカス、パリにバーガーショップをオープン!」

プラザアテネの肉を使わないメニューが終了してからは、パリ10区にヴィーガン・ビストロの「Sapid」をオープン。
「ヴィーガン料理では赤ワインが飲めない」「野菜や穀物が中心ではフランス料理は成立しない」といった固定概念を払拭し、よりサスティナブルな食生活を提案する。
ということで、Burgalの誕生は単なるトレンドではなく、デュカス氏にとってもパリにとってもごく自然な流れであったのである。

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100%ヴィーガンなので、バンズにはバター・卵・牛乳が使用されていない。
ソースはスパイシー、ハーブ、野菜ミックスの3つから選べて、自家製ピクルスも添えられる。そしてメインのパテは、ニンジン、ひよこ豆、レンズ豆、タマネギ、キヌアを練り込んだガレット風となっている。
フェイクミートは使わず、胡椒を除いたすべての食材がフランス産とのことだ。

ハンバーガーという食べ物は、罪悪感と背徳感に苛まされながらも食べた時の達成感がたまらない。
「肉なしじゃ物足りない」というヴィーガンのイメージであったが、Burgalのバーガーにはきちんとした達成感があり、デュカス氏が言うように固定概念が覆された。
どことなく中東料理のファラフェルを思わせる味で、健康志向とは程遠いのだがビールにも合う。

値段はチップス、ドリンク、バーガーのセットで12.5ユーロ(約1600円)、バーガー単品で7.5ユーロ(約970円)。
パリ価格ではあるものの、正午過ぎにはどんどん人が集まり始める。
ヴィーガン、エコ、サスティナブルと、今のパリに無くてはならないキーワードをすべて網羅したBurgalであった。(内)

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