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ロンドン最新情報「感染拡大阻止に成功しつつある英国、ロックダウン緩和が進む」 Posted on 2021/03/29 Design Stories  

イギリスのロンドンを含むイングランドでは、1月はじめから続いているロックダウンの緩和第二弾として、今日から屋外で同居人以外の人と会うことや、屋外でのスポーツ、小規模な結婚式などが許可される。
3月8日は緩和第一弾として、全児童・生徒の学校への登校が始まっていた。

ロンドン最新情報「感染拡大阻止に成功しつつある英国、ロックダウン緩和が進む」

イングランドでは今日から、6人以内、あるいは2世帯までが、屋外(自宅庭も含む)でソーシャルディスタンスを保ちながら会うことが許可される。
また、旅行は引き続き禁止されているが、「できるだけ在宅する」から「できるだけ地元にとどまる」という要請に変わった。
4月4日は復活祭で、昨年末のクリスマスに集えなかった家族や親戚がガーデンパーティーでなら集まれるようになったことが歓迎され、大手スーパー各社はイースターを祝うための食料品やワイン、デコレーションなどのパーティーグッズの売り出しに力を入れている。
このほかテニスコートやゴルフ場、屋外スイミングプールなど、屋外のスポーツ施設の営業、およびサッカー教室など屋外でのスポーツ活動が再開される。
1月から禁止されていた結婚式は、参加者6人までなら許可される。



政府は、今回を最後のロックダウンにするために、規制緩和は慎重に行う方針で「日付ではなくデータに従う」と強調している。
感染率、死亡率の低下やワクチン接種の進展などの条件が満たされているとして、今のところ、「最も早い日付」として2月に発表していた計画通りに緩和計画を進めている。
緩和にあたっては教育や心身の健康が優先されている。
3月8日からは、学校の再開に加えて老人ホームの入居者を外部の人一人までが訪問できるようになっていた。
次回の緩和第三弾では生活必需品以外の店やパブ・レストランの屋外席、ジムの営業が再開されるほか、図書館やコミュニティーセンターの開館が許可される計画で、早くて4月12日になる予定だ。
同時に政府はこれまでの手洗い、マスクの使用、ソーシャルディスタンス(2メートルの距離を置くこと)に加えて、「新鮮な空気」の大切さを訴えるキャンペーンを始めた。
屋外の方が屋内よりも安全で、屋内にいる場合も換気に務めることが感染防止のために大切だと訴えている。
 NHS(国家保健サービス)のスティーブン・パウイス医療ディレクターは28日付の「サンデー・テレグラフ」紙に寄稿し、「大きな進歩を果たしたからこそ、その成果を生かすべきで、無駄にしてはならない」と警告した。
 

ロンドン最新情報「感染拡大阻止に成功しつつある英国、ロックダウン緩和が進む」



イギリスでは、現在ファイザー社製とアストラゼネカ社製のワクチンの接種が50代以上の人など高リスクグループを対象に進められている。
2回の接種を12週間以内に行うよう定められ、少なくとも1回の接種を行った人が、この週末で3000万人を超えた。
昨年イギリス・ケント州で見つかり現在イギリスで主流になっているウイルス変異種に対しては、両者ともに効果があることが認められ、イギリスではコロナウイルスの感染率・死亡率ともに大幅に低下している。
ワクチンの他の変異種に対する有効性はわかっていないが、変異種に合わせてワクチンを調整することは可能だという。
4月からはアメリカのモデナ社製のワクチンの接種が開始される。
政府は4月半ばまでに50代以上の接種を完了し、7月末には成人全員への接種を完了できるとしている。
 



ワクチン担当大臣ナディム・ザハウィ氏は「デイリー・テレグラフ」紙の取材に対し、70代以上の高齢者は9月から第2期の接種が受けられるとの見通しを明らかにした。
また、若年層は接種への積極性が高齢者層よりも劣るとの懸念があることから、便宜性を増すためにドライブスルー方式での接種プログラムを実行する考えも示した。
これに先立ち24日付「デイリー・テレグラフ」紙は、オックスフォード大学で進められている治験の結果に基づき、早ければ8月には18歳未満の子どもたちへのワクチン接種が実行される可能性があると報じた。
イギリスの全人口の4分の1近くを子どもが占めていることから、長期的なウイルス抑制には子どもへの接種も重要視される。(清)

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