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パリ・アート情報「都市アートがプティパレ美術館と共演する、この夏無料の展覧会」 Posted on 2026/06/24 Design Stories
シャンゼリゼ大通りからも近く、無料で入場できる美術館「プティパレ(Petit Palais)」。向かいのグランパレ、奥に見えるアレクサンドル3世橋と、壮麗な光景が続くこの場所では、6月20日から興味深いエクスポジションが始まっている。
歴史的な美術作品と都市アート(ストリートアート)を、同じ空間で展示・対話させるという「WE ARE(still)HERE」展だ。

古代からポスト印象派まで、歴史的な作品が多く並んでいるプティパレ。そんな厳かな空間に現代のストリートアートが紛れ込んだ……という、パリならではのユニークな展覧会なのである。
この「WE ARE(still)HERE」展が開催されるのは、実は今回で2度目。初回は2024年開催で高い人気を集めたために、この夏に第2弾が開かれることになった。


展示されているのは、フランス国内外のストリートアーティストたちの作品、およそ200点。それらを常設コレクションに紛れ込ませながら紹介しているのが、まずはかなり印象に残る。
ストリートアートといえば、存在感ある作品でカラーもタッチも強め……というイメージだが、「WE ARE(still)HERE」展ではうっかり通り過ぎてしまうほど、プティパレの空間に綺麗に溶け込んでいた。豪華なベル・エポック建築と反骨精神を持つストリートアート。本来は対極にあるはずなのに、それらがぶつからずに調和している点がなんとも今のパリらしい。

※2017年の作品と1889年の作品を対に

※対象の作品は「WE ARE still HERE」というパネルが目印

ストリートアートの多くは、格差・人権・アイデンティティへの言及といった、声なき声を作品に映し出している。路上という“制度の外”で生まれた表現であるし、そのキャンバスは壁や道路わきであることがほとんどだと思う。ところが、「ストリートアートの聖地」 と呼ばれるパリ13区などは、長い年月をかけてそれを公共芸術にまで昇華させている。つまり、パリでは単に増えているというより、ストリートアートの位置づけが「都市文化の一翼」に変わってきた、という印象がとても強い。

※パリの都市アートの代表格、インベーダーも登場


※モーリス・ドニの『Baigneuses à Perros-Guirec』と対話する現代アート『été』
ちなみに今回は、若手作家によるアンダーグラウンドな展示ではなく、世界的なストリートアーティストたちの作品が集まっている。参加しているのは、パリの街角に出没するあのInvader(インベーダー)や、オバマ元大統領の「HOPE」ポスターで知られるShepard Faireyら。彼らの前衛的なアートが、こうしてプティパレの空間で古典美術と対話していることが、「WE ARE(still)HERE」展のいちばんの醍醐味だろう。 パリ市が、新と旧を共存させる街であるという象徴性もまた興味深い。

※最奥ではストリートアート作品が所狭しと展示されていた

「WE ARE(still)HERE」展は、ストリートアートが少し苦手な方にも間違いなく楽しめるエクスポジションだ。エレガントなプティパレと不思議なほどマッチしていて、かつて屋外の壁で生まれたアートが、美術館の壁にも居場所を見つけた、という印象を抱いた。
タイトルの「WE ARE(still)HERE(私たちはまだここにいる)」もキャッチーで、私たちは街から決して消えない、という強い意思が感じられる。(ち)

【WE ARE(still)HERE】
PETIT PALAIS
期間:2026年6月20日から9月20日まで、入場無料
住所:Avenue Winston Churchill, 75008
最寄り駅:Champs-Elysées-Clemenceau(メトロ1番線)
開館時間:火曜~日曜、10時~18時、月曜休館


