欧州最新情報

パリ最新情報「今年はボジョレー・ヌーボーの当たり年!数は少なめ、しかし高品質のワインが完成」 Posted on 2022/11/24 Design Stories  

 
とれたての葡萄で生産される「ボジョレー・ヌーボー」が、11月17日(木)に世界中で解禁になった。
ボジョレー・ヌーボーとは、フランス・ボジョレー地区でその年に収穫した葡萄から生産される、新しいワイン。
質の悪いワインが出回るのを防ぐため、フランスでは毎年11月の第三木曜日に解禁と法律で定められている。
実は今年は、夏の猛暑・干ばつという異常気象により「昨年と同じ凶作になるのでは?」と多方面で心配されていた。
しかし、どうやらそれは単なる杞憂に終わったようだ。

2022年、夏のフランスは各地で過去最高気温を塗り替えた。
ただ直前の6月に例年以上の雨が降ったことで、葡萄は奇跡的にその後の干ばつに耐えることができた。
そのため一つ一つの肉付きも大変良く、味は普段よりぎゅっと濃縮され、想定以上にパワフルでクオリティの高いワインができあがったと報告されている。
 

パリ最新情報「今年はボジョレー・ヌーボーの当たり年!数は少なめ、しかし高品質のワインが完成」



 
ボジョレー地区は、ブルゴーニュ地方の最南端に位置するなだらかな丘陵地帯で、その名は「美しい高台」を意味するボージュ(Beaujeu)に由来している。
肥沃な土壌が有名で、花崗岩、火山岩、粘土など、その数はなんと300種以上にも及ぶ。
地質学的にも数億年の歴史を刻んでいるということで、ボジョレー地区の土壌は上質な葡萄作りに大変適しているとされている。
またこの地は標高が高い割には温暖で日当たりも良く、黒葡萄「ガメイ種」との相性が非常に良い。

ボジョレー地区では白ワインやロゼワインも作られているが、ボジョレー・ヌーヴォーとして名を冠せるのは赤ワインのみ。
古くは地元のワイン農家が実りを祝うためだけに作られていたそうで、フランスワインの中では最も熟成期間が短い。ということで収穫されたばかりの葡萄でできたボジョレー・ヌーヴォーは、渋みが少なくフレッシュでフルーティな味わい、というのが特徴だ。
 

パリ最新情報「今年はボジョレー・ヌーボーの当たり年!数は少なめ、しかし高品質のワインが完成」

地球カレッジ



 
仏各紙が報じた内容によると、「2022年のボジョレー・ヌーヴォーは、深い色調と豊かな香りを備えた、傑出したヴィンテージ」であるという。
また9月の時点で葡萄はしっかりと成熟しており、果皮は厚く、実は小さいながらも肉付きが良く、凝縮感のある果汁を有しているうえ、病害も特に発見されなかった。
同じく当たり年だった2018年に近い要素があり、その香りはブラックベリーや牡丹に似ていて、スミレや甘草のニュアンスも含んでいる。酸味は2021年の方が高かったが、その分みずみずしくエレガントな味わいだとし、「豊かなクオリティで傑出した年となった今年のボジョレー・ヌーヴォーは、世界のワイン愛好家を満足させるだろう」と報じられた。
ただ今夏の天候が複雑過ぎた関係で、出荷されるワインの量は過去5年の平均より2割ほど少なく、価格も約10%の上昇が見込まれている。

なお2021年の発表では、新たに生産されるボジョレー・ヌーヴォーの約48%は国外に輸出されており、主要相手国は日本の360万本(輸出の41%)で、米国、英国を抑えて圧倒的なメイン顧客であるということが明らかになっている。
 

パリ最新情報「今年はボジョレー・ヌーボーの当たり年!数は少なめ、しかし高品質のワインが完成」



 
今年の猛暑はフランスの農業に大きな爪痕を残したが、干ばつ直前に降ったまとまった雨が、奇跡的にも葡萄の発育に好条件を与えた。

昨年の霜・雹(ひょう)被害による凶作から一転したこともあって、仏ワイン農家の喜びはとても大きい。
解禁日の翌日にはブルゴーニュ地方で160年以上続くワイン祭り「栄光の3日間」(Les trois glorieuses)が盛大に開催され、現地のチャリティ・ワイン・オークションも過去最高の売り上げを記録したそうだ。なお集まった基金は、地域にあるいくつかの高齢者施設の改修費用・設備投資に当てられている。(内)
 

自分流×帝京大学