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パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」 Posted on 2023/05/07 Design Stories  

 
実は、ラーメン、寿司、餃子のほかに、フランスに浸透している和食がもう一つある。
たまに食べたくなる、見た目華やかなあの「ちらし寿司」だ。
広まったきっかけは、フランスにある数々の日本料理店だった。
(そのほとんどは日本人以外の経営によるもの。)
にぎり寿司のほか、刺身、焼き鳥、餃子、丼ものなどをメニューに載せているのが特徴だ。
 

パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」

※フランス全国、いろいろな場所にある日本料理店。



 
ということでちらし寿司は、日本ファンにはもちろんのこと、そうでないという人にもよく知られた和食の一つだった。
フランスでは「zushi」を取って「chirashi(ちらし)」とカジュアルに呼ばれているのだが、ここ最近のポケボウル・フィーバーに誘発されたのか、chirashiのアイデアにも独創的なものが増えてきた印象を受ける。
 

パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」

 
一番驚いたのはこちらのベジ・チラシ。
パリを歩いていた時にたまたま発見した「Pontochoux」というお店なのだが、メインに日本のカレーを置いた創作和食店であった。
カツカレー、野菜カレー、チキンカレーといった美味しそうな香りのなか、目に留まったのは「CHIRASHI TOMASAN(ちらし・とまさん)」。
訊くと、これはベジタリアン向けのちらし寿司で、プラス1ユーロでチキンのフリットが付くということだ。
 

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パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」

 
生姜の効いた酢飯に、マリネ野菜、マッシュルーム、さつまいも、白菜のおしんこのようなものがお洒落にトッピングされている。
日本人なら誰もが知っている「ゆかり」がまぶしてあるのも新しかった。
ちらし寿司の概念を破った、パリの新しいchirashiスタイルである。
 

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※フランス人料理研究家による美chirashi。酢飯に帆立、ラディッシュ、キウイ、アボカド、ライムがイン。



 
chirashiはもはや、「気分を変えたいときに食べる外国の食事」というよりも、イタリアンや中華などと同様に普段から候補にのぼる食事の一つになってきている。
例えばスーパーのアジア・コーナーで販売されている一般的なchirashiがこちら。
 

パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」

※サーモン丼?!

パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」

※創作和食店のデリバリーでは、サーモン、アボカド、きゅうりにフライドオニオンが乗っていた。



 
酢飯ベース、というのを基本にすれば、後は変幻自在なパリのchirashi。
日本の伝統的なちらし寿司とは異なるが、シンプルに美味で見た目も楽しい。
また、パリのおにぎり屋さんにも「ちらしむすび」が登場していた。
こちらでは日本のお米を使用したおにぎりを提供していて、故郷の味にもかなり近い。
 

パリ最新情報「個性たっぷり、パリのちらし寿司“CHIRASHI”が独自の進化を遂げる。」

※残念ながら14時の時点で売り切れだったが、錦糸卵やエビ、イクラが乗った正統派のちらしだった。

 
フランスの人々は酢飯が特にお好みらしい。
そんな酢飯に思い思いのトッピングで彩られたchirashiを見ると、こちらにもアイデアを貰えたようで嬉しい気分になる。(セ)
 

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