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パリ最新情報「コロナ拡大とヴァカンス」 Posted on 2021/08/05 Design Stories  

フランスもデルタ株の蔓延でコロナ感染者は増加続き。これまで集中治療室は逼迫していなかったが、感染拡大が止まらないコルシカ島やボークリューズ、オクシタニ地方、アルプ・マルチム・コート・ダ・ジュール地方では病院の逼迫がはじまり、「プラン・ブラン(ホワイト・プラン)」が発令され始めた。

「白い計画」と名付けられるこの措置は、2004年から導入されたフランスの法律で、目的は、病院が大量の患者を迎えられるために既存の予定を白紙に戻し、例外的な状況に備えることである。この法律は一度発令されると最低4週間続く。
大量の患者のケアを行うために、その地域の公立・私立の医療機関はニーズに応じて追加スタッフを動員したり、治療の継続性を保証するために医療従事者を休日に呼び戻したり、集中治療室のベッド数を増やしたり、患者の入院を増やしたり、緊急性のない手術や診察をキャンセルしたりすることができる。
しかしこの措置は、一度ならまだしも、2020年からのコロナ禍で何度も発令されてきたため、医療従事者の方たちには大変負担が大きい。



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本来ならロックダウンや夜間外出禁止令などが出されてもおかしくない状況であるが、ヴァカンス真っ只中とあり、フランス政府はマクロン大統領自ら国民にワクチン接種を促すにとどまっている。
長いロックダウンを経て訪れた念願のヴァカンスなので、休業をやむなくされていたレストランやバーも、8ヶ月の休業命令で失った収益を取り返すべく最大限に頑張っているのだ・・・。

明日(8月5日)にもレストラン、カフェなどでの衛生パス提示義務が正式に決定され、9日からは成人は衛生パスなしではカフェでコーヒーを飲むことさえできなくなる。(未成年は9月30日から衛生パスが必要になる)
ただでさえ生きにくくなるため、この夏の間にそれ以上の措置が加えられることは今のところ考え難い。

では、このような状況でフランス人はどのようなヴァカンスを送っているのだろうか。
現在、ヨーロッパ内の移動にはワクチン完了証明かコロナ陰性証明、もしくは、コロナ回復証明が必要。
ワクチン接種が間に合っていない場合、行きはもちろん、帰りにも現地で陰性証明をもらわなければならない。そのため、昨夏に続き、今夏もフランスに居残るフランス人が多いようだ。

パリ最新情報「コロナ拡大とヴァカンス」



人の多いところには行きたくないので何もないところにプール付きの家を借り、2週間家族で過ごしてきた友人もいる。
かと思えば、若者の中には、ワクチンを接種せずに衛生パスを手に入れるべく、予防措置を取らず、コロナに罹って回復証明を貰うという輩が続出しているというニュースが流れた。
多くは25歳以下の若者で、「私たちがコロナに罹って重症化する確率はゼロだ」と政府のほぼ義務のようなワクチン接種キャンペーンに反発している。

ヴァカンス客は止められず、国民全てを政府に従わせるなどもっと不可能である。
衰えない感染症との戦いはまだまだ続きそうだ。

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