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パリ最新情報「パリ五輪、期間中は公共交通機関の運賃が高騰、約2倍に」 Posted on 2023/12/06 Design Stories  

 
2024年夏にパリで開催されるオリンピックの期間中、首都圏内の公共交通機関の運賃が大幅に値上げされると発表があった。
期間限定ではあるものの、その運賃設定は通常の約2倍となる。
※期間はオリンピック、パラリンピックが開催される24年7月20日〜9月8日まで。
 



パリ最新情報「パリ五輪、期間中は公共交通機関の運賃が高騰、約2倍に」

 
期間中、地下鉄・バスなどに使える1回券「チケ(Ticket t+)」は、現在の2.10ユーロ(約333円)から4ユーロ(約636円)に上がる。
10枚綴りの回数券も同様で、料金は現在の16.90ユーロ(約2687円)から32ユーロ(約5088円)に設定される。
またRER(パリと郊外を結ぶ高速鉄道)は6ユーロ(約954円)からの設定となり、パリとシャルル・ドゴール空港やオルリー空港を結ぶバス運賃も、現在より5ユーロほど高くなるということだ。
なお、実質の定期券であるナヴィゴの月パス、年パス、イマジンRパス(学生向け定期券)、シニアパス(高齢者向け定期券)は値上げの影響を受けない。

イル・ド・フランス首都圏のペクレス知事は値上げの理由について、「オリンピック期間中は交通サービスが通常より15%増える予定です。値上げはその費用、2億ユーロの追加コストを補うために行われます」と説明している。
さらにイル・ド・フランス当局によると、今回の値上げは「予期せぬインフレも大いに影響している」ということだ。
 



パリ最新情報「パリ五輪、期間中は公共交通機関の運賃が高騰、約2倍に」

 この運賃体系は主に、定期券を持たない住民や、オリンピック観戦に訪れる旅行者を対象としている。
そのため切符は対象期間より前にまとめて購入することが勧められているのだが(前もって買った切符も使用可)、それが難しい旅行者にとっては大きな負担となり兼ねない。

今回の値上げについてはパリ住民からも賛否両論の声が上がっている。
しかし今のところは「パリのイメージが悪くならないか」「オリンピック観戦は裕福な人のためだけにあるのだろうか」と、否定的な意見の方が目立つ。
イル・ド・フランス交通利用者協会(Fnaut)の副会長、ミシェル・バブット氏からも、「法外とまでは言わないまでも、耐え難い」などと表明があったほどだ。
 



パリ最新情報「パリ五輪、期間中は公共交通機関の運賃が高騰、約2倍に」

 
しかしながらパリ首都圏における運転士不足は深刻で、パリ郊外を走る「L線」にいたっては同理由のために現在、本数を減らしての運行を余儀なくされている。
こうした背景を受けての運賃値上げ、ホテル料金の高騰、治安面での不安など、2024年パリ五輪に向けての現地は、今もなお揺れている。(大)
 

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