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パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」 Posted on 2023/09/05 Design Stories  

 
アメリカ、アジアで発展したフードコート・スタイルが今、パリに次々と登場し、人気を集めている。
フードコートには複数の飲食店が集まっており、自分で食べたいメニューを決めてお会計まで持っていけるのが特徴だ。
レストランに比べ、食事の量を自ら調整できるのも嬉しい。

十数年前までは、そんなフードコートもパリでは珍しかった。
しかし今では、新しい大型施設ができると「必ず」といって良いほどフードコートが入る。
場所によって差はあるものの、内容はフレンチから多国籍料理、ストリートフードとまさに多種多様だ。
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

※パリの副都心、ラ・デファンスのフードコートはアミューズメントパークのような賑やかさ。



 
2022年の10月には、パリのモンパルナス地区にヨーロッパ最大級(3500㎡)のフードコートが誕生し、随分と話題になった。
こちらでは食事の100パーセントが手作りで、パリ近辺で採れた食材を使用しているという。
夜になればDJイベントも開催するなど、パリの旬を反映したフードスペースとなっている。

パリの老舗デパート、ギャラリー・ラファイエットの6階にもフードコートがある。
オスマン店(本店)はオペラ座からも近く、旅行中の休憩所としても利用できるのがメリットだ。
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

※ギャラリー・ラファイエット6階にあるフードコート、お会計場面。

 
ギャラリー・ラファイエットのフードコートは、ビュッフェ形式になっている。
サラダバーやデザートバーがあるほか、ドリンク、前菜コーナー、メインのコーナーが個別に設けられている。
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

※サラダバー。小皿で4.90ユーロ(約774円)、大皿で6.90ユーロ(約1090円)。



 
顧客は食べたいものをチョイスし、トレーにのせたお皿を会計まで持っていくだけでOK。
料金もその場で提示されているし、食べ過ぎるという心配もない。
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

※前菜コーナー、食べたいお皿をトレーにのせるシステム。フランスパンは無料。

 
前菜メニューには、スモークサーモンのサラダ、シーザーサラダ、カプレーゼ、生ハムメロンがあった。
メインのコーナーでは、サーモンやローストチキン、ソーセージなどをその場でグリルしてくれる。(値段は9.50ユーロ~、約1500円~)
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

※スープコーナー。



 
こうしたフードコートは、スーパーで出来合いのものを買うよりは心が温まり、レストランよりはお手頃価格、という特徴がある。
なお、お手洗いや授乳室も近くに設置されているので、お子様連れの方も安心して利用することができる。
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

※客席。

 
ではパリの新名所、ギャラリー・ラファイエット・シャンゼリゼ店のフードコートも見てみたい。
2019年に誕生したシャンゼリゼ店の地下には、飲食店10店舗を束ねた「LE FOOD COURT」がある。
 

パリ最新情報「パリにフードコートが次々と登場、気軽に食せるフレンチのリアルに迫る」

 
こちらは本店と雰囲気が変わり、ワインやアペリティフのメニューが豊富な、大人仕様のフードコートになっている。
ワインはフランスのものを中心に、世界中のボトルが集まる。
壁一面に収納されたワインの光景は圧巻で、「ちょい飲み」スタイルがデパート内で実現する。
 

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※フードコート内のワインバー、「ヤード(Yard)」。



 
また、テリーヌやパテなどの職人として有名なジル・ヴェロ(Gilles Verot)のお店、「コントワール・ヴェロ(Comptoir Verot)」もある。
ここでは伝統的なフランス料理の一つ、パテ・アン・クルートが一切れずつ注文可能。
もちろん多店舗にはしっかりとした食事もあるが、こうしてちょっとずつつまむスタイルでは、フランスのリアルな食文化を気軽に体験することができる。
デパ地下の食材をその場で味わえるのもポイントだ。
 

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※パテのお店、コントワール・ヴェロ(Comptoir Verot)のパテ・アン・クルート。

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※同じく職人のデザート。

 
パリをはじめ、リヨンやディジョンといった美食都市でも次々に誕生しているフードコート。
話題性もさることながら、その利便性でますます人を集めている。(こ)
 

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