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パリ最新情報「恐ろしい話。変異株出現後の今の世界は、まさに2020年3月の再来」 Posted on 2021/01/09 Design Stories  

思い返せば昨年、2020年の2月、まだ新型コロナウイルスが武漢で流行していると騒がれていた時期、フランスでは中国から入ってきた観光客の中に感染者が紛れ込んでいて話題となった。
でも、その時、まだ欧州において、新型コロナは対岸の火事でしかなかたったし、誰一人、マスクを付ける者などいなかったのだ。

パリ最新情報「恐ろしい話。変異株出現後の今の世界は、まさに2020年3月の再来」



ところが、その一月半後、2020年3月、フランスの大統領はテレビカメラに向かって「全土でロックダウンを行う」と宣言することになる。
この、物凄い感染力は、その後、フランスを、欧州を、アメリカを、世界を震撼し続けることになった。
人類は「COVID-19」とWHOによって名付けられたこの感染症により日常生活を奪われ、大被害を被ることになる。
少なくとも、昨年、2月の前半まで、大半の欧州人がこんな世の中になるとは、想像だに出来なかった。



そして、今、その恐ろしい出来事の再来のような事態が再び人類をパニックに陥れようとしている。
英国に出現した新型コロナの変異株のことだ。
今日、現在、フランスで発見された変異株の感染者は19人と発表されている。
2020年、2月のことを思い返すならば、この数字は震えあがるほどの予兆を孕んでいる。
しかも、通常の70%増しの増殖力を持つと言われる変異株は、世界各地、アメリカや日本でも発見されているのだ。
一月半後、いや、2週間後の世界がどのような状況になっているのか、いったい誰に正確な予言が出来るというのであろう。
2020年の3月、フランスは全土が門をしめた。
そして、その後遺症は、いまだ続いている。もっと門を閉めないとならない時代がそこまで迫っている可能性は十分にある。

パリ最新情報「恐ろしい話。変異株出現後の今の世界は、まさに2020年3月の再来」



フランスは、これまで、感染のひどい地域、15都市で夜間外出禁止令が20時から18時に強化されていたが、この日曜日から新たに10都市が加わることになった。(10万人に対して200人以上の感染者が出たら適用される)
フランスでは、2週間前まで1万人前後だった一日の感染者数が、ここ2、3日で25000人にまで増えてしまった。
隣国、イギリスの今日の感染者はもっと凄い、約68000人に達している。
死者も約1300人と、春のピークより35%増しの状況である。
どんなに対策を強化しても変異株の広まりを抑え込むことが出来ず、本日、ロンドン市長はついに「制御不可能な状態にある」と鎮痛な面持ちで宣言した。
ここから2週間以内に感染が落ち着かなければ、英国の医療崩壊はより確実になる。

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フランスのオリビエ・ヴェラン保健相がテレビで「変異株の出現は新たな感染症が始まったと思ってもいいくらい、恐ろしいことの始まりだ」と訴えた。
2020年の2月を思えば、こういう発言が世の中を怯えさせても不思議ではない。十分に、もはや、あり得る事態であろう。

フランスでは、再ロックダウンの時はほとんどの人が2度と経験したくないと言っていた。しかし、最新の世論調査によると、フランス人の実に、53%の人が3回目のロックダウンは致し方ない、という見解を示している。
「変異株の猛威が勢いづき制御不能になる前に、手を下した方が無難だ」と、自由主義者のフランス人たちまでもが口にし出すほど、厳しい状況にある。
感染拡大に終わりが見えない欧州の中では、まだフランスはぎりぎり爆発の手前で制御が辛うじて保たれている。それは11月に欧州の他の国より厳しいロックダウンをしたからであろう。
その後、年末年始にロックダウンを解除したことで、年明けの今、再び感染者が膨らんでいるのも事実だ。
人が移動すれば感染は拡大する、封じ込めることが出来れば感染者数を減らせる。それだけの理由だ。
緊急事態宣言だけでは正直、感染を防ぐことは難しいかもしれない。ペストの時代から、最後の手段はロックダウンしかない。

ファクターX神話を吹聴して「コロナなんか恐れるに足らず、日本人は罹りにくい」と世間を煽り続けた識者も、すっかり昨日、今日の感染者数の前で、口を噤んでいる。
懸命な人間は、2020年2月と3月の違いを思い出すべきであろう。

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