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パリ最新情報「仏映画監督ジャンリュック・ゴダール氏死去、『国宝を失った』とマクロン大統領」 Posted on 2022/09/15 Design Stories  

 
フランス映画界を代表する巨匠で、「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」などで世界の映画人に影響を与えたジャンリュック・ゴダール氏が9月13日、91歳で逝去した。
仏メディアの報道によれば、ゴダール氏に持病はなかったが心身ともに疲れきっており、スイスで一部合法化されている安楽死を選んだ。

ゴダール氏は、1950年代から60年代にかけてフランスの映画界に革命を起こした「ヌーベルバーグ」の中心人物として活躍した。
フランスでは誰もが知っている映画監督の一人であり、60代〜80代の世代はもちろん、映画を愛する全ての世代から親しまれていた。
13日午後にはフランス国内をはじめ、世界の各界から追悼メッセージが寄せられている。
 



 
まずエマニュエル・マクロン大統領は「ヌーベルバーグで最も象徴的な映画監督であるゴダール氏は、モダンで自由な映画を生み出してきた。私たちは国宝、そして天才の目を失った」とツイートした。
続けてエリザベット・ボルヌ首相、カンヌ映画祭委員会、仏俳優陣からもメッセージが寄せられており、それぞれゴダール監督から大きな影響を受けたことを振り返っている。
 

パリ最新情報「仏映画監督ジャンリュック・ゴダール氏死去、『国宝を失った』とマクロン大統領」

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何世代もの人々に影響を与えたゴダール氏はフランス・スイスの二重国籍者で、銀行員の母と医者の父の間に生まれた。
少年時代はスポーツ万能だったといい、3度目の挑戦でバカロレアに合格すると、パリのソルボンヌ大学で人類学を学んだ。
ゴダール氏の類まれな感性はこの頃から発揮されており、大学時代にはすでに「カイエ・デュ・シネマ」誌に映画批評を書き始めている。
1950年代半ばから短編映画を撮り始め、59年には「勝手にしやがれ」で長編デビューを飾る。この映画は手持ちカメラを使った即興的な撮影を行い、斬新さが高く評価された。
 



 
またゴダール氏は世界三大映画祭の全てでグランプリを受賞している監督でもある。
後のハリウッド映画「タクシードライバー」「パルプフィクション」にも影響を与えたとされ、同氏が残した功績は計り知れない。
なおゴダール氏は80代になっても映画製作に意欲的だった。
2014年に「さらば、愛の言葉よ」でカンヌ映画際の審査員賞を受賞すると、2018年には「イメージの本」を監督。その生涯を映画に捧げた、正真正銘の映画人であった。

仏紙ル・モンドは、「ゴダール監督はロマンティックな気質を持つ芸術家、比類なき美の発明家、挑発の天才であると同時に強烈な自己破壊者であり、崇拝と非難を交互に受ける映画監督。その作品と人生は革命以外の何ものでもなく、史上最高の映像作家だった」と功績を称えている。
2022年9月13日、彼の死によって映画史における一つの章が閉じられた。(オ)
 

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