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パリ最新情報「老舗デパートのプランタン、エシカルな新フロア「Le 7ème Ciel」を発表」 Posted on 2021/10/01 Design Stories  

9月21日、パリの老舗デパート、プランタンの7階に「サステナビリティ」をテーマにした巨大フロアが誕生した。

1865年の創業以来、常に進化を続けるこのデパートは今やパリのショッピングスポットの代名詞とも言える場所。
ジャンルを超えた品揃え、そして定価での販売など、最先端のファッションで常にモード界を牽引する存在でもある。

そのプランタンが、2021年の新年度からセカンドハンド(古着)の販売を大々的にスタートさせたというのだ。
ウィメンズ館の7階に「Le 7ème Ciel(=7階の空)」という名前で登場し、約1300㎡にも及ぶ売り場面積が話題となっている。

パリ最新情報「老舗デパートのプランタン、エシカルな新フロア「Le 7ème Ciel」を発表」

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明るい自然光が差し込む贅沢なスペースは、他のどのフロアよりも見やすくて居心地が良い。
アール・ヌーヴォーの装飾と丸い屋根が特徴で、歴史ある建物の構造がそのままに生かされたその姿は、買い物にさほど興味がないという人でも一見の価値がある。

ではどういうものを販売しているのかというと、サンローランやグッチといったハイブランドの服やバッグ、アクセサリー、傘、財布(なかには灰皿まで)などのヴィンテージ品である。そのほとんどがセカンドハンド商品で、200ユーロから1000ユーロくらいの値段が主流であった。

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もちろんプランタンに並べられるというだけあって、状態は良好なものばかり。
今はもう手に入れることのできない昔のモデルが見つかったり、味のあるジャケットが手に入るなど、新品にはない魅力にあふれている。

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さらにLe 7ème Cielでは、ヴィンテージやセカンドハンドの商品を販売するだけではなく、お客様からの買取も行っているとのこと。
持ち込んだ古着は72時間以内に査定が行われ、売り手はプランタンで使える「ギフトカード」として引き取り金額を受け取るという。
こういった取り組みも、老舗デパートとしては超画期的と言えるのではないだろうか。

パリ最新情報「老舗デパートのプランタン、エシカルな新フロア「Le 7ème Ciel」を発表」



そして隣のスペース、クーポール(丸天井)のあるエリアでは、アップサイクリングをテーマにしたポップアップストアも開催されている。
ここではサステナブルを掲げる9つの企業やクリエイターが集まり、スニーカーのリメイクや洋服のリペア、オーガニック香水など、アップサイクルな商品の展示が行われていた。

パリ最新情報「老舗デパートのプランタン、エシカルな新フロア「Le 7ème Ciel」を発表」

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実はお隣ギャラリーラファイエットでも、9月に全く同じコンセプトストアが誕生している。こちらはレディス館の3階に位置し、プランタンほどの大きさではないものの「RE STORE」と名付けられたスペースには所狭しと古着アイテムが並ぶ。

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ロックダウン中、合計200日に及ぶ閉店を余儀なくされた2つの老舗デパートは、海外からの顧客を大幅に失うという苦境に立たされた。
ギャラリーラファイエット本店のゼネラルマネージャーであるアレクサンドル・リオット氏は仏ラジオ番組、franceinfoのインタビューで「当然のことながら、フランスに住む顧客の重みは大きい。私たちはフランスのお客様の要望に応え、サステナブルなマーケットを今後拡大し、RE STOREを恒久的なスペースとして位置づけることを約束する」と語った。

ということで、プランタンもギャラリーラファイエットも、今年度から本格的なサステナブル戦略に舵を取ったのだ。

パリ市のエコ活動、仏ケリング・グループの毛皮全廃などと共に、「時代の流れ」と一括りにできない動きがパリのあちこちで起こっている。
こうした「持続可能」を意識した企業の取り組みは以前からあったものの、特に3度のロックダウン明け、6月頃からは勢いが増したように思う。
コロナ禍という厄災は、私たちを一歩立ち止まらせ、エシカル精神を再認識させるものだったのかもしれない。

パリを代表する老舗デパートが、今後サステナビリティの分野においてどうリーダーシップを取っていくのか。ここにも大きな注目が集まっている。(大)



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