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パリ最新情報「まとめ。次々とコロナワクチンを義務化する各国の状況」 Posted on 2022/01/14 Design Stories  

フランスでは、政府は衛生パスをワクチンパスへと変更する動きを進めているが、ワクチンを接種していても拡大し続けるオミクロン株の影響もあり、「ワクチンパスなど意味がない」と反発する市民のデモも過激化している。
しかし一方で、オミクロン株の異常な拡大に伴い、世界各国でコロナワクチン接種を義務化する動きも加速してきている。
フランスではワクチンパスポートがなければレストランにいけない、美術館に行けない、実質、ワクチンを打たないという選択をする人には娯楽が許されなくなりつつあるが、フランス以外の国では罰金が発生する国まで出てきている。

ワクチンを義務化した国、内容などをまとめてみた。(接種率はワクチン2回接種した人)

パリ最新情報「まとめ。次々とコロナワクチンを義務化する各国の状況」



オーストリア:
ワクチン接種率74%。オーストリアはワクチンの接種率が低いことから、11月半ば、ヨーロッパで初めて14歳以上の国民に対し、コロナワクチン接種を義務化することを決定した。2月1日よりワクチンを接種しなければ3ヶ月毎に600ユーロの罰金が科される。

エクアドル:
接種率72,9%。エクアドルは12月末より、5歳以上の全ての国民に対しワクチンを義務化した。(アレルギーや疾患のある人を除く)

インドネシア:
接種率43%。世界で初めてワクチンを義務化。インドネシアでは2021年2月からワクチンが義務化されており、接種を拒否する人は、315ユーロの罰金。また、ワクチン未接種者は特定の政府給付が受けられなくなる。とはいえ、その法律は十分に守られておらず、2022年1月5日現在、インドネシアでのワクチン接種率はわずか43%に留まっている。

ミクロネシア連邦:
接種率37%。2021年7月より全国民に対してワクチン接種が義務。

タジキスタン:
接種率30%。2021年7月より全国民に対してワクチン接種が義務。

ニューカレドニア:
接種率64,5%。12月末より、全ての成人国民に対し、ワクチン接種義務。

ハンガリー:
接種率62%。公私問わず、全ての会社員に対しワクチン接種を義務化。

チェコ:
接種率62,8%。2022年3月より60歳以上の国民に対し、ワクチン接種が義務となる。

ギリシャ:
接種率66,3%。2022年1月16日より、60歳以上の国民に対しワクチンを義務化。最低一回のワクチン接種をしていない60歳以上の人に対し、毎月100ユーロの罰金が科せられる。

イタリア:
接種率75,8%。50歳以上の国民に対し、ワクチンを義務化。2月15日までに最低一回のワクチンを接種しなければならず、罰金は最低100ユーロ。接種しなければ罰金は600ユーロから1500ユーロにまでのぼる。

カナダ:
接種率77,8%。ワクチンを接種しなければ失業保険を失効し、ケベック州では1月半ばからワクチン未接種者へのアルコール販売が禁止される予定。

シンガポール:
接種率83%。シンガポールは、ワクチン接種を拒否するコロナウイルス患者の医療費を負担しないと決定。



パリ最新情報「まとめ。次々とコロナワクチンを義務化する各国の状況」



これらの国に加え、ドイツでも2月からワクチン接種義務化を検討されているようで、ワクチン義務化をする国はこれからも増えそうだ。

フランスももうすぐ衛生パスがワクチンパスへと変更される可能性が高い。ワクチン未接種者に対し、フランス医学アカデミーは「ワクチン接種は市民の義務であり、決して脅しではない。これは新型コロナウイルスという共通の敵に対抗する唯一の手段であり、ほとんどのフランス国民の支持を得ているはずである」と発言。マクロン大統領は、「一市民としての自由があれば、義務もある。このコロナ禍で、ワクチン接種をしないという個人の自由を主張することは、他人を危険に晒し、他人の自由を奪うことになる。それは一市民として許されるべきことではないのです」と発言している。

しかし、これまで正義とされてきたワクチン接種にどこまで頼れるのか、正直疑問がつのる。人類は、一体いつまでワクチンを接種し続けなければならないのだろうか。

ちなみに世界でいち早く、スペインは、オミクロン株の出現で軽症化した新型コロナウイルスを特別に扱わない方向へと向かい始めた。今後、感染者数の割り出しもしなければ、マスクの義務もなく、完全にインフルエンザと同じような扱いにしてしまうようだ。
何が正しいのかは分からない。全世界で「収束」という言葉が聞けるのはいつになるのだろうか。なかなか、出口が見えてこない現実の壁が聳えている。(み)



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