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パリ最新情報「マクロン大統領を平手打ちした男に実刑判決下る」 Posted on 2021/06/11 Design Stories  

6月8日、フランス南東部にあるドローム県を訪れたマクロン大統領。この訪問はレストラン屋内営業再開にあたり、レストランオーナーたちと面会することを理由に行われた。抽選で選ばれたドローム県が大統領の訪問先となったのだが・・・そこで、とんでもない事件がマクロン大統領を待ち受けていた。
集まった市民に駆け寄るマクロン大統領。正面に立つ大統領の腕に手を置いた一人の男が、次の瞬間、反対の手で大統領に平手打ちを食らわしたのだった。その衝撃的な映像はSNSやニュースなどで拡散されている。
ボディーガードが即座に対応し、大統領に怪我はなかった。男は平手打ちをする際、中世の戦争での掛け声と、マクロン政権の終わりを叫んだという。大統領は落ち着きを取り戻したのち、訪問を再開、予定通りの行程をこなした。
この事件には、マクロン大統領の天敵であるマリンヌ・ルペン氏も「大統領はリスペクトされるべき」と事件を激しく批判した。

逮捕されたのは、平手打ちをした男、ダミアン・タレル(28)、そして、横で動画を撮影していた、男の友人とみられる同年齢の男性だった。

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マクロン大統領はこの件に関し、今日10日インタビューに答えたが、「人混みに行けば平手打ちくらいくらうでしょう、私はすでにジレジョーヌでもっと過激な政治的平手打ちをくらっている。このような一件は一般化させてはいけないが、「衝動的な単発の行動」であり、長く話すほどのことではない。政治的に大きな意味はない」と発言した。が、そのインタビューとほぼ時を同じくし、平手打ち男は、法廷にて自分の行動が政治的行動だったと主張した。

男は犯行を認め、マクロン大統領訪問の際、何か自分たちの不満を示したかったとし、「前日は卵かクリームタルトを投げつけようと思っていた」、「この国の敗北はマクロンのせいだ」などと発言。事件のあった日は、20人ほどのジレジョーヌ(黄色いベスト運動をしている人)がマクロン大統領を待ち受けており、思いもよらずマクロン大統領が自分の前に来たため、咄嗟に手が出た、と説明した。「好意的な視線を送りながら駆け寄って、自分たちから選挙の一票を得ようとしている嘘つきなマクロンを目の前にし、嫌悪感でいっぱいになった。ジレジョーヌを代表したシンボル的な行動だ」などと続けた。
メディアでは、男が社会的に成功していないことなどを挙げ、精神的に厳しい状況であったことなども指摘している。

パリ最新情報「マクロン大統領を平手打ちした男に実刑判決下る」



男には実刑判決が下された。
その内容は、懲役18ヶ月、執行猶予14ヶ月。男は4ヶ月間、ヴァランス刑務所に投獄される。それに加え、3年間の市民権の剥奪と、5年間の武器の所持禁止、精神治療義務、公的な職につく権利は永遠に失った。
本来ならば罰金45000ユーロが課されるはずだったが、男の収入が低いことを考慮し、罰金は免除された。

メディアではこの判決に対し、以後このような事件が繰り返されないよう模範的な判決なのか?、彼がダミアン・タレルという名前だったからこのくらいの判決だが、もし、外国人であれば違う判決が下されたかも知れない? など、ディスカッションはあらゆる視点からヒートしている。

新型コロナに関しては、連日の新規感染者が5000人を切るほどになり、「収束」も見えてきたフランス。しかし、マクロン大統領を再び待ち受けていたのはジレ・ジョーヌ問題だった。大統領選挙を来年に控え、選挙運動も過熱してきている。大統領に休みはない。



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