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パリ最新情報「フランスで8人、オミクロン株の感染可能性が発表される。厳戒態勢に入る仏政府」 Posted on 2021/11/30 Design Stories  

フランスでは11月28日夜、「過去2週間のあいだにアフリカ南部での滞在歴があった8人がオミクロン株に感染の疑いがある」と発表され、現在その検体作業を急いでいる。いずれもオミクロン株かどうかを判定するゲノム解析には数日かかるという。

フランス政府は26日にアフリカ南部(南アフリカ共和国、レソト、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニ)からの入国禁止を発表していたが、すでに国内に変異株が上陸している可能性が非常に高い。

パリ最新情報「フランスで8人、オミクロン株の感染可能性が発表される。厳戒態勢に入る仏政府」

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南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」については、EU連合のフォンデアライエン委員長が「世界が時間との戦いを強いられている」と指摘。
イスラエルに続き、日本が全世界からの外国人の新規入国を30日から禁止するというニュースはフランスでも速報が流れた。
フランスに滞在した邦人が日本に帰国する際についても、リスクに応じて指定施設における厳格な隔離措置が実施される。

オミクロン株は南アフリカで見つかってから、欧州ではベルギー、オランダ、デンマーク、オーストリア、ドイツ、イタリア、チェコと英国、そしてカナダ、イスラエル、香港などで確認され、さらに複数の国で「疑い」の例が報告されている。

29日には北部スコットランドでも6人の感染者が出たと確認された。しかし、一部の人は外国渡航歴がなく、市中感染した模様。それぞれの行動の追跡調査を強化する方針だという。

WHOに初めてオミクロン株が南アフリカから報告されたのが11月24日。
そこからわずか5日でこれほどの驚異的な広がりを見せているのだ。
症状としては強い倦怠感、筋肉痛のような痛みが相次いで報告されていて、死亡者は今のところ出ていない。

いずれも軽症とはいうものの、南アフリカでの感染者の平均年齢は若く、しかも、季節は夏だ・・・。
重症化しやすい高齢者や基礎疾患を持つ人のあいだで、どのような症状が出るのか今後注意して様子を見なくてはならない。
また、ワクチン接種を2回受けている人、さらには追加接種を受けてる人に対して、オミクロン株がどう作用するのかを検討する必要もある。

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一方フランスでは、Doctolib(医療予約サイト)のワクチン予約ラッシュが続いている。ワクチンのブースター接種のため、この週末にはDoctolibで100万近くの予約が行われ、現在までに、650万人以上のフランス人がすでにブースター接種を済ませており、これは人口の9.77%に相当する。

これまでに少なくとも1回の接種を終えた人はフランス国内で約5200万人。
増え続ける需要に直面して、ワクチン接種センターだけでなく、薬局や診療所にも数日から数週間で新しくワクチンが受けられる場所を大幅に増設、今後2週間ではおよそ217,000がオープンするという。

12月を前にした変異株の拡散は、昨年末と似たような経路をたどっている。
ただ、去年と異なるのは、今までの経験を教訓に国家間でスピード感のある対応が成されていることだろうか。
第5波のピーク、加えてオミクロン変異株の登場と、かなり厳しい冬が予想されるフランスだが、政府の今後の動きに注視していきたい。(ル)

※新たな情報が分かり次第加筆訂正します。



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