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パリ最新情報「パリにもやってきた、イタリアの伝統菓子『パネットーネ』」 Posted on 2024/01/16 Design Stories  

 
イタリアの伝統菓子「パネットーネ」が、パリでちょっとしたトレンドになっている。
パネットーネとは、自然発酵させたふわふわの生地に、レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツが入った菓子パンである。
イタリアではクリスマス時期に欠かせないスイーツだというが、ここ数年ではフランスのパティスリーにも並び始め、ブッシュ・ド・ノエルと同じように提供するところが出てきた。
(ブッシュ・ド・ノエル:丸太の形をしたフランスの伝統的なクリスマスケーキ)
 

パリ最新情報「パリにもやってきた、イタリアの伝統菓子『パネットーネ』」

※ドーム型のパネットーネ。



 
卵と砂糖、たっぷりのバターが入ったリッチなパネットーネ。
この生地はフランスのブリオッシュにも似ているため、フランス人にとっては親しみやすかったようだ。
ちなみにブリオッシュとはフランスの伝統的な菓子パンで、16時のおやつの代表である。
週末やバカンス時の朝食になることもある。
 

パリ最新情報「パリにもやってきた、イタリアの伝統菓子『パネットーネ』」

 
そんなパネットーネがパリに現れたのは、2020年頃のことだった。
以前はイタリアの食材店のみで販売されていたのだが、ピエール・エルメやフォション、ブノワ・カステルといった有名パティスリーが期間限定で発売すると、やはりSNS上で火が付く。
昨年のクリスマス時期にはパリの大型デパートにも現れ、ブッシュ・ド・ノエルと並んで販売されるようになっていた。
 



パリ最新情報「パリにもやってきた、イタリアの伝統菓子『パネットーネ』」

※パリ初、パネットーネの専門店「クリストフ・ルイ(Christophe Louie)」

 
パネットーネ人気が証明されたかのように、2023年9月には専門店もオープンした。
場所はパリ、トレンドグルメとファッションのメッカ、マレ地区だ。
パティシエであるクリストフ・ルイ氏は、パリのレストラン、ル・ボンマルシェの食品館などで実績を積んだあと、イタリアに渡りパネットーネ作りを本格的に学んだという。
 

パリ最新情報「パリにもやってきた、イタリアの伝統菓子『パネットーネ』」

※重さ3.5kgのパネットーネ・トラディショナル。レーズン、オレンジピール、蜂蜜入り。



 
しかし、パネットーネは「世界一難易度の高いお菓子」とも言われている。
実際にクリストフ・ルイでも、一つのパネットーネを焼き上げるまでには3日ほどかかるそうだ。
これは特別な酵母を使っており、発酵が長く厳格な温度管理が必要とされるためである。
ただ、丹精込めて作られたパネットーネは長期保存が可能だという。
メーカーによって差はあるものの、クリストフ・ルイでは未開封の状態であれば3週間ほど持つそうだ。
 

パリ最新情報「パリにもやってきた、イタリアの伝統菓子『パネットーネ』」

※1〜2人用のミニ・パネットーネも。アーモンドとドライフルーツ入り。

 
平均で1kgとビッグサイズのパネットーネだが、軽やかな口当たりで意外にも減りが早い。
なおトレンドとなったパリでは、甘い風味だけでなくアペロ用(ちょい飲み用)として、オリーブを使った惣菜風のパネットーネも置かれている。
クリスマスを過ぎてもずっと店頭に並んでいるのが特徴だ。(セ)
 

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