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パリ最新情報「フランスで再びテロ未遂。シャルルドゴール空港近く、五輪前に緊張高まる」 Posted on 2024/06/07 Design Stories  

 
かつてない警備態勢が敷かれるフランスで、またしてもテロ未遂事件が起こった。
事件が起きたのは6月3日(月)、パリのシャルル・ド・ゴール空港に近いホテルの一室にて。容疑者はホテルの室内に原料を持ち込み、爆発物を作ろうとしたという。
しかし爆発物は製造中に誤爆、頭部に大やけどを負った容疑者は駆けつけた警察官によりその場で拘束された。
仏メディアによれば、容疑者はロシアとウクライナの二重国籍を持つ26歳の男性で、数冊の偽造パスポートと、複数の(爆弾に使用する)材料を所持していたという。
爆発物は電話機に接続するタイプで、振動で作動させるという古い方法で設計されていた。

現在容疑者は、フランスの国家反テロ検察局で捜査を受けているというが、当局は同容疑者がテロ実行の後に、偽造パスポートを使って出国を図った疑いがあると見ている。
なお容疑者は最近フランスに到着したばかりで、ロシア軍で2年間戦った経験があるという。
 



パリ最新情報「フランスで再びテロ未遂。シャルルドゴール空港近く、五輪前に緊張高まる」

 
今年3月、モスクワ郊外で起きたテロ事件を受けて、フランスは国内のテロ警戒水準を最高レベルに引き上げた。
これは3段階ある中の最高水準で、公共交通機関の封鎖など厳格な措置が可能になる。通常は状況に応じて引き下げられるが、パリ五輪を来月に控えたフランスでは今でも同レベルの警戒が続いている。

テロへの脅威は数十年前からあるものの、ロシア・ウクライナおよび中東地域の緊張の高まりによって事態は広域化・複雑化している。
事実、仏内務省の発表によれば、2017年以降では50件ものテロが警察当局により阻止されたという。(うち、5月末に起きたテロ未遂はパリ五輪を標的とした初めてのケースだった)
 



パリ最新情報「フランスで再びテロ未遂。シャルルドゴール空港近く、五輪前に緊張高まる」

 
フランスでは7月26日から9月8日までオリンピック・パラリンピックが、今月6月14日からはドイツでサッカー欧州選手権が開催される。
イスラム過激派はこれらスポーツイベントへの攻撃を呼びかけているため、テロ対策はフランスだけでなく欧州各地でも緊急に進められている。
こうした状況を踏まえ、欧州議会は6月から2024年9月8日のパラリンピック終了まで、スイス/ドイツ、フランス/スイスの国境にて取締りを強化することを決定した。
パリ五輪でもポーランドやドイツから警察官が派遣されるなど、国際的な協力体制は今後しばらく続きそうだ。
 



 
今回起こったテロ(爆破)未遂事件はオリンピックを標的としたものではなかったが、ロシア・ウクライナ問題に起因するテロとしては、フランスで初となる可能性がある。
その後の報道では、容疑者はウクライナ向けのフランス製武器・供給軍を狙っていたとも示唆されている。
こうした陸続きならではのテロ問題、フランスでは年々複雑化しており、反テロ法や治安維持法といった法改正も頻繁だ。しかしまずは、パリ五輪が何事もなく終わることを願いたい。(内)
 

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