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パリ最新情報「夏の風物詩『パリ・プラージュ』、20周年を迎え盛大に開催中!」 Posted on 2022/07/12 Design Stories
パリの夏の風物詩、「パリ・プラージュ」が今年で20周年を迎えた。
これは海のないパリにビーチ “Plage(プラージュ)”が出現する、毎年恒例のお祭りイベントだ。
「諸事情でバカンスに行けないパリジャン・子供たちに憩いの場を」というスローガンのもと、2002年から始まっている。
当初は賛否両論あったものの人出は年を追うごとに増え、今ではなくてはならないイベントの一つになった。
そんなパリ・プラージュも今年で20周年。
アンヌ・イダルゴ市長は7月9日の初日に顔を出し、「太陽のある所に笑顔がある。皆さんパリ・プラージュを楽しんで!」と述べた。
場所はセーヌ川右岸のポンヌフ橋からシュリー橋辺りまでと、19区のラ・ヴィレット地区の二つに分かれる。
数年前までは人工ビーチを作るために本物の白砂が運ばれていたが、最近は大人の事情で芝生や木片の足場に変更。
それでもパリジャンたちは日光浴ができれば何でもOK!といった感じで水着に着替え、夏の太陽を満喫していた。
広い会場には即席カフェやレストランのほか、子供たちが遊べるアクティビティもたくさん設置されている。
こうして飲食・スポーツ・文化とすべての分野で楽しめるパリ・プラージュだが、今年はオリンピック開催を2年後に控えているということで、スポーツアクティビティが例年より多く開催されることになった。
カヌー、カヤック、ペダルボートなどのウォータースポーツを中心に、ペタンク、太極拳、クライミング、ヨガなど幅広いスポーツを各所で楽しむことができる。
ただ今年のパリ・プラージュは子供より大人の参加者が多い印象を受けた。
フランスはバカンス期間に突入したため、パリから人がいなくなりつつある。
しかし観光業が絶好調のパリでは、旅行者の数がそれと反比例するように増えている。
ということで殺風景だった昨年とは打って変わって、今年のパリ・プラージュには世界各地から人が集まり、パリジャン以上にイベントを楽しむ旅行者の姿でいっぱいだった。
なかには巨大チェスで若者と手を合わせる高齢者の姿も。
ストリートミュージシャンによる無料のジャズコンサートやミニサッカーコートも設けられ、大人たちが大いに楽しんでいた。
7月の第二週に入ってからというもの、パリはカラッとした快晴の天気に恵まれている。
ところが気温はまたしても上昇中で、今週末にはパリでも40度近くになると予報が出た。
そのためパリ・プラージュで恒例の「霧のミスト」は今年は大盛況。
無料で水が汲める「オー・ド・パリ」も出現し、さらにはアイススタンドやビールコーナーには行列ができるほどだった。
目の前にあるのは海ではなく川…だが、ビーチさながらのパリ・プラージュを楽しむ人たち。
セーヌ川に停泊する船上レストランも集結し、臨時のオイスターバーなど数々のビストロも出現した。
レストランで音楽が流れれば、それに合わせて踊る人たちの姿もある。
とにかく時間がゆっくり流れ、フランスのバカンスがどのようなものであるかをパリ中心地で見ることができる。
レジャーを楽しんでも良し、もしくは何もしないを楽しんでも良し。
スタートは絶好調、天候にも恵まれ大賑わいのパリ・プラージュであった。
なお開催期間は7月9日から8月21日までとなっている。
コロナに気を付けながら、また足を運んでみたい。(内)