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パリ最新情報「開戦から3か月。フランスにおけるウクライナ難民の現状とは」 Posted on 2022/05/26 Design Stories  

 
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3か月が経過した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国外に避難したウクライナ人は約650万人にも上るという。
行き先で最も多いのはポーランドで340万人以上。フランスにはこれまでに約85,000人が辿りついた。
フランス移民局(OFII)は24日、ウクライナ避難民85,000人のうち、今のところ8千人は一時保護施設に滞在しており、それ以外の人は集合住宅や個人宅で暮らしていることを明らかにしている。
 



 
ウクライナ本国では男性が徴兵されているため、避難民のほとんどは女性と子どもである。
たとえ幼い子ども連れであっても、学校、保険、住宅、医療面でフランスは手厚い待遇を用意しているため、差し当たっての生活に困ることはほぼない。
また亡命者手当もあり、1日1人当たり6.80ユーロが支給されている。
しかし、雇用に関してはそう簡単にはいかない。
彼らは言葉の壁や資格の有無をはじめとし、フランスでの職探しに奮闘中だという。

仏紙が報道した内容によると、これまでフランスで仕事が見つかったウクライナ女性は全体の約三分の一程度とのことだ。
3か月たった今、避難したウクライナの人々は「いつまでもじっとしていられない。生きる希望は仕事をすることだ」と語り、自身が活躍できる場を探し求めている。
 

パリ最新情報「開戦から3か月。フランスにおけるウクライナ難民の現状とは」

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現在、フランスは各地でウクライナ避難民向けの職業紹介場を設けている。
就職先はイチゴ収穫時の短期労働者、服飾工場での針仕事、公園での緑地清掃員など多岐にわたる。
通訳のサポートスタッフを置くところもあるので、フランス語を一言も理解せずとも働けるという。

また南仏のホテル・レストラン業では夏季の繁忙期に向けて多くの求人をウクライナ避難民に向けて解放している。
飲食業界では英語が堪能なことを前提としているが、住居をセットにし、住み込みで働くことも可能にしている。
 



 
ただ避難民にとって心配なのは、そのほとんどが短期採用であるということだ。
フランスに腰を据えたい人もいれば、戦況が落ち着いたらウクライナに帰りたい人もいる。
雇用先が短期なのか長期なのか、マッチングが難しいのが現状である。

4月2日以降、ウクライナ人はフランスでの労働許可証の申請が免除され、採用のための手続きが大幅に簡素化された。
短期の「救済措置」としては多くの国がこのような対策を新設しているが、一方でウクライナ問題は長期化が避けられない。
5月には世界全体の難民数が初めて1億人を超えたことも明らかになった。
彼らが長期的な見通しをもって安心して暮らしていけるよう、包括的な定住支援が続くことが期待される。(内)
 

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